「プラハの治安って実際どうなの?」
「プラハで治安のよいホテルはどのエリアにある?」
「プラハの治安の悪いエリアはどこを避ければいい?」
ヨーロッパの観光地として人気のプラハですが、治安に関する情報は断片的で、どのエリアが安全なのか判断が難しいものです。
プラハは全体的に治安の良好な都市ですが、観光客を狙ったスリや置き引き、ぼったくりなどの軽犯罪には注意が必要です。中央駅周辺や深夜のトラム、人通りの少ない路地は特に警戒が必要なエリアとして知られています。
本記事では、外務省海外安全ホームページとプラハ在住者の声をもとに、プラハの治安状況、危険エリアの特徴と対策、安全に宿泊できるホテルエリアの選び方を具体的に解説していきます。
プラハの治安の現状と特徴
プラハは、ヨーロッパの中でも比較的治安の良好な都市として知られています。外務省の海外安全ホームページによると、チェコ全土は2024年9月現在、危険度レベル0に指定されており、深刻な治安上の問題は報告されていません。
しかし、観光客が多く集まる人気都市であるため、スリや置き引きなどの軽犯罪には注意が必要です。特に旧市街広場や観光スポット周辺では、観光客を狙った犯罪が発生しています。
犯罪発生状況の概要
プラハで最も多い犯罪被害は、飲食店での置き引きです。椅子の背もたれに掛けたカバンや、座席の上、足下に置いた荷物を持ち去られるケースが報告されています。犯人は複数で行動し、1人が話しかけて注意をそらしている間に、仲間が荷物を盗むという手口が一般的です。
また、長距離列車内での置き引きも頻発しています。特にプラハ中央駅やホレショビツェ駅での被害が多く、犯人は荷物を棚に上げるのを手伝うふりをして近づき、その隙に荷物を奪う手口を使います。
観光客が狙われやすい犯罪の種類
スリ・置き引きの手口
スリは主に以下の場所で発生しています:
・地下鉄やトラムなどの公共交通機関内
・観光名所周辺の混雑したエリア
・レストランやカフェ
・長距離列車の車内
犯人たちは、観光客が写真撮影や観光に気を取られている瞬間を狙って犯行に及びます。特に日本人観光客は「裕福で不用心」という印象を持たれており、標的にされやすい傾向があります。
偽警官による詐欺被害
近年増加している犯罪手口として、偽警官による詐欺があります。犯人は警察官を装い、「麻薬所持の検査」などと称して所持品検査を要求します。これに応じて財布やカバンを差し出すと、検査中に現金やクレジットカードを抜き取られる被害が報告されています。
実際のチェコ警察官が路上で財布の提示を求めたり、暗証番号を聞いたりすることは一切ありません。そのような要求をされた場合は、すぐに偽警官を疑う必要があります。
また、公共交通機関内では偽検札員による同様の手口も確認されています。特に観光客の少ない時間帯や、人通りの少ない場所で被害が発生しています。
このように、プラハは全体的に安全な都市ですが、観光客を狙った犯罪は存在します。ただし、基本的な防犯対策を心がければ、大きな問題なく観光を楽しむことができます。特に夜間は人通りの多い場所を歩くことや、貴重品の管理を徹底することで、被害のリスクを大幅に減らすことができます。
プラハで治安が悪いエリアと安全な地区
プラハの治安は全体的に良好ですが、一部のエリアでは注意が必要です。特に観光客を狙った犯罪が発生しやすい地域と、安全に滞在できる地域について詳しく解説します。
危険エリアの特徴と場所
プラハ中央駅(Praha Hlavní Nádraží)周辺は、最も警戒が必要なエリアです。駅構内や周辺のバス停、トラム乗り場ではひったくりや置き引きが頻発しています。特に駅前の公園は人通りが少なく、ホームレスや薬物中毒者が集まる場所となっているため、極力近づかないようにしましょう。
Vltavská駅(ヴルタヴスカー駅)周辺も要注意エリアです。特に高架下はホームレスがたむろする場所として知られており、地元の人々も避けて通る危険地帯となっています。Holesovice駅周辺も同様に注意が必要です。
安全に宿泊できるエリア
旧市街(Staré Město)は、観光客に最も人気のある安全な滞在エリアです。歴史的建造物に囲まれ、旧市街広場や天文時計をはじめとする観光スポットが徒歩圏内にあります。レストランやカフェも多く、夜間も人通りが絶えないため、比較的安全に過ごすことができます。
プラハ城周辺のフラッチャニ地区も、高級住宅地として知られる治安の良いエリアです。カレル橋やニコラウス教会、ストラホフ修道院など、主要な観光スポットにも近く、おしゃれなカフェやレストランも充実しています。
レトナ地区は、古い建物が多い住宅密集地で、夜遅くまで営業している店が多いのが特徴です。人通りが絶えないため、比較的安全なエリアとされていますが、スポーツサイクルの盗難や店舗への窃盗被害は報告されているので、基本的な防犯対策は必要です。
夜間の注意点
プラハでは、以下の場所や時間帯での一人歩きは避けるべきです:
・深夜のトラム停留所
・人通りの少ない路地裏
・夜間の公園
・駅周辺の暗がり
特に女性の一人歩きは、夜9時30分以降は注意が必要です。最近では、夜間の暴行事件も報告されているため、できるだけ人通りの多い明るい通りを歩くようにしましょう。
また、治安の良い地区でも、飲食店での置き引きには注意が必要です。椅子の背もたれにバッグを掛けたり、足元に置いたりすることは避け、常に目の届く場所で管理するようにしましょう。
プラハの観光スポットで注意すべき治安ポイント
観光名所が集中するプラハの中心部では、観光客を狙った犯罪が多く発生しています。主要スポットごとの具体的な注意点を確認しましょう。
旧市街広場での注意点
旧市街広場は、プラハで最も観光客が集中するエリアです。特に天文時計のからくり人形が動く時間帯(午前8時から午後8時の毎時0分)は要注意です。大勢の観光客が天文時計を見上げている隙に、スリや置き引きの被害が多発しています。
以下の点に特に注意が必要です:
・バッグは必ず前で持つ
・貴重品は内ポケットに入れる
・写真撮影時も荷物から目を離さない
・レストランでは椅子の背もたれにバッグを掛けない
プラハ城周辺の治安
プラハ城のあるフラッチャニ地区は、高級住宅地として知られる比較的安全なエリアです。しかし、観光客が多く集まる城内や周辺の観光スポットでは、スリや置き引きに注意が必要です。
特に以下の場所では警戒を強めましょう:
・城への上り坂での写真撮影時
・聖ヴィート大聖堂の入口付近
・黄金小路の混雑時
・展望台からの撮影時
カレル橋での警戒事項
カレル橋は、特に日の出や日没時に多くの観光客が集まります。橋の上では、以下のような犯罪手口に注意が必要です:
・写真撮影を手伝うと申し出る人物からのカメラ盗難
・似顔絵や演奏などで気を紛らわせている間の置き引き
・混雑時のすり抜けを装ったスリ
・偽のチケット販売や寄付金詐欺
橋の両端の塔付近は特に混雑するため、カバンは必ず体の前で持ち、貴重品はしっかりと管理しましょう。また、夜間は人通りが少なくなるため、深夜の一人歩きは避けることをお勧めします。
観光スポットでは、以下の基本的な防犯対策を心がけましょう:
・貴重品は分散して持ち歩く
・現金は必要最小限にする
・パスポートのコピーを別に持つ
・観光に夢中になりすぎない
・不審な勧誘には応じない
・大金を見せびらかさない
特に注意が必要なのは、観光客が写真撮影に集中している時です。カメラやスマートフォンの操作に気を取られている隙に、荷物を持ち去られるケースが報告されています。撮影時も定期的に周囲を確認し、荷物は常に視界に入れておくようにしましょう。
プラハの公共交通機関での治安対策
プラハの公共交通機関は観光客の移動手段として便利ですが、スリや置き引きの危険が潜んでいます。特に観光客が多く利用する路線では、警戒が必要です。
トラムでの防犯対策
トラムは観光スポットを結ぶ便利な交通手段ですが、混雑時には犯罪のリスクが高まります。以下の点に注意が必要です:
・バッグは必ず前で持つ
・貴重品は内ポケットに入れる
・乗降時の混雑に要注意
・不審な集団には近づかない
深夜トラムの危険性
深夜のトラム利用は特に注意が必要です。24時以降も運行していますが、人気の少ない車両内では、ひったくりや暴行事件が報告されています。深夜トラムを利用する場合は:
・車掌がいる先頭車両を選ぶ
・人が多い車両に乗る
・女性の一人乗車は避ける
・車内での居眠りはしない
・貴重品は身につける
地下鉄利用時の注意点
地下鉄駅構内や車内でも、観光客を狙った犯罪が発生しています。特に以下の駅では警戒が必要です:
・Florenc駅
・Mustek駅
・Muzeum駅
・Vltavská駅
これらの駅では、以下の対策を心がけましょう:
・エスカレーターでの立ち止まりを避ける
・プラットフォームの端に近づきすぎない
・人混みでは荷物を前に抱える
・改札付近での長時間の滞在を避ける
特にVltavská駅周辺は、高架下にホームレスや不審者が集まる場所として知られています。昼夜を問わず、高架下付近の通行は避けるべきです。
公共交通機関を利用する際は、正規の切符を購入し、必ず乗車時に打刻する必要があります。偽の検札員による詐欺被害も報告されているため、検札時は制服と身分証を確認しましょう。
また、運行ルートは工事などで頻繁に変更される可能性があります。特にトラムは、路線変更が多いため、乗車前に最新の運行情報を確認することをお勧めします。変更時の時刻表は黄色で表示されるため、容易に識別できます。
タクシー利用時は、正規のタクシーを利用することが重要です。路上でつかまえる「流し」のタクシーは避け、ホテルで手配してもらうか、配車アプリを利用するのが安全です。特に夜間は、必ず信頼できるタクシー会社を利用しましょう。
プラハでの滞在を安全に過ごすための対策
プラハは全体的に安全な都市ですが、観光客を狙った犯罪から身を守るためには、いくつかの具体的な対策が必要です。特に貴重品の管理と夜間の行動には注意が必要です。
貴重品の管理方法
貴重品の管理は以下の基本ルールを徹底しましょう:
・大金を持ち歩かない
・クレジットカードと現金は分散して持つ
・パスポートのコピーをホテルに保管
・バッグは必ず前で持つ
・ATMは銀行内のものを利用する
特に注意が必要なのは、ATMの利用です。市街地中心部のATMは、スキミング被害のリスクが高いため避けましょう。銀行の営業時間内に、銀行内のATMを利用することをお勧めします。
夜間の行動における注意点
夜間は以下のエリアを避けることが重要です:
・中央駅周辺の公園(地元では「シャーウッド」と呼ばれる)
・Vltavská駅の高架下エリア
・人通りの少ない路地裏
・バスターミナル周辺の裏道
夜間の移動には、以下の対策を心がけましょう:
・できるだけグループで行動する
・明るい大通りを歩く
・深夜のトラムは先頭車両を利用
・タクシーは正規のものを利用
緊急時の連絡先と対応
緊急時に備えて、以下の電話番号を控えておきましょう:
・警察:158
・市警察:156
・緊急通報:112(英語対応可)
・在チェコ日本国大使館:+420-257-533-546
また、プラハでは全ての街灯に6桁の番号が目の高さに表示されています。緊急時にこの番号を警察に伝えることで、正確な位置を特定できます。
被害に遭った場合は、24時間以内に警察に届け出る必要があります。英語対応可能なプラハ警察署(Jungmannovo namesti 9, Prague 1)で被害届を提出できます。保険請求のために、必ず警察の発行する被害届番号を入手しましょう。
偽警官による詐欺被害も報告されています。警察官を名乗る人物に外貨やパスポートの提示を求められても、その場では応じないようにしましょう。正規の警察官にはそのような権限はありません。不審な場合は、最寄りの警察署での確認を提案するか、112番に電話して身分確認を依頼してください。
まとめ:プラハを安全に楽しむために
プラハは歴史的建造物や芸術、文化が息づく魅力的な都市です。基本的な防犯対策を心がければ、安全に観光を楽しむことができます。ここでは、プラハでの滞在を安全に過ごすためのポイントを整理します。
安全な滞在のための重要ポイント
宿泊エリアの選択が重要です。以下のエリアは治安が良好で、観光にも便利です:
・旧市街地区(Staré Město)
・プラハ城周辺のフラッチャニ地区
・レトナ地区
一方で、以下のエリアは特に夜間の立ち入りを避けましょう:
・中央駅周辺(特に「シャーウッド」と呼ばれる公園)
・Vltavská駅周辺
・人通りの少ない路地裏
・バスターミナル周辺
観光時の具体的な注意点
主要観光スポットでは以下の点に注意が必要です:
・旧市街広場:天文時計のからくり人形上演時は特に警戒
・カレル橋:日の出・日没時の混雑時に要注意
・プラハ城:城内や展望台での写真撮影時は荷物管理を徹底
公共交通機関の利用
安全な移動のために以下の点を意識しましょう:
・トラムや地下鉄は混雑時に要注意
・深夜のトラムは先頭車両を利用
・タクシーは正規のものを利用(配車アプリの活用推奨)
・駅構内での長時間の滞在を避ける
貴重品の管理と緊急時の対応
以下の基本的な防犯対策を徹底することで、多くの犯罪を未然に防ぐことができます:
・現金は分散して持ち歩く
・パスポートは常にコピーを別途保管
・ATMは銀行内のものを利用
・緊急連絡先(112)を控えておく
・街灯の6桁番号を確認する習慣をつける
最後に
プラハは、チェコの歴史と文化が凝縮された魅力的な観光地です。外務省の危険情報でもレベル0に指定されており、基本的な注意を払えば安全に観光を楽しめます。
特に以下の3点を意識することで、より安全な旅行が実現できます:
- 宿泊は治安の良い地区を選ぶ
- 夜間の一人歩きは避ける
- 貴重品の管理を徹底する
また、万が一の場合に備えて、海外旅行保険への加入も検討しましょう。24時間英語対応可能な緊急電話番号(112)と、在チェコ日本国大使館の連絡先(+420-257-533-546)は必ず控えておくことをお勧めします。
これらの対策を意識しながら、プラハの歴史的な街並みや豊かな文化を存分に楽しんでください。