【ボストン治安完全ガイド】現地人が近づかない危険エリアとホテルをとるべき治安のよいエリアを解説

「ボストンの治安って実際どうなんだろう」
「ボストンで治安の悪いエリアはどこを避ければいいの?」
「ホテルは治安のいいエリアに泊まりたい」

アメリカ有数の学術都市ボストンは、全米の中では比較的治安がよいとされる都市ですが、日本の基準で考えると決して安全とは言えません。

外務省海外安全ホームページとボストン在住日本人の声をもとに、ボストンの治安状況を詳しく解説します。危険エリアの特徴と場所、安全に滞在するためのホテル選びのポイント、現地の最新治安情報まで、この記事を読めば必要な情報がすべてわかります。

目次

ボストンの治安の現状と特徴

アメリカ有数の学術都市ボストンは、マサチューセッツ州最大の都市です。全米の大都市と比較すると治安は比較的良好ですが、日本の基準からすると注意が必要です。

全米の中での治安レベル

外務省海外安全ホームページによると、ボストンの一般犯罪発生率は全米の大都市の中では中程度とされています。ニューヨークやシカゴと比べると、暴力犯罪の発生率は低い水準を維持しています。

特に、ダウンタウンやバックベイなどの観光地では警察のパトロールが頻繁に行われ、観光客も安心して街歩きを楽しめます。

犯罪発生状況の統計

ボストン警察局の統計によると、市内の主な犯罪は以下の通りです。

・スリや置き引きなどの軽犯罪が最も多い
・車上荒らしや自転車盗難が頻発
・夜間の路上強盗が特定地域で発生
・銃器を使用した犯罪は特定地域に集中

犯罪の発生時間帯は、深夜から早朝にかけてが最も多くなっています。日中は比較的安全ですが、観光客の多いエリアではスリや置き引きに注意が必要です。

治安に影響を与える要因

ボストンの治安に影響を与える主な要因として、以下が挙げられます。

・大学生が多く、若者の街である特性
・観光客の増加による軽犯罪の機会の増加
・所得格差による地域間の治安格差
・薬物関連犯罪の存在

特に、地域による治安格差が顕著です。高級住宅街や大学周辺は比較的安全ですが、低所得者層が多く住む地域では犯罪発生率が高くなっています。

観光客や留学生は、この地域格差を理解し、危険なエリアを避けることが重要です。地下鉄のレッドライン沿線では、駅によって周辺の治安が大きく異なります。

また、ボストンでは大規模なスポーツイベントやマラソン大会が頻繁に開催されます。イベント時は混雑による犯罪の増加に注意が必要です。

ボストンで要注意の治安が悪いエリア

ボストンには、観光客や留学生が絶対に近づいてはいけない危険地域が存在します。これらの地域では、殺人事件や銃撃事件などの凶悪犯罪が日常的に発生しています。

危険エリアの特徴

ボストン市南部には、特に注意が必要な地域が集中しています。これらの地域では、ギャング同士の抗争による発砲事件や殺人事件が頻発しています。日中であっても立ち入ることは推奨されません。

近づかないほうがよい地区

ロックスベリー

ロックスベリー地区は、ボストンで最も危険な地域の一つです。犯罪率は全米平均を94%上回り、暴力犯罪率においては実に230%も上回ります。麻薬取引や銃犯罪が日常的に発生しており、観光客は決して立ち入るべきではありません。

ドーチェスター

ドーチェスター地区には観光スポットも点在していますが、特に夜間の訪問は極めて危険です。昼間であっても、観光目的での訪問は推奨されません。地域内では凶悪犯罪が多発しており、特に夕方以降は危険度が増します。

マッタパン

マッタパン地区もボストン市内で最も治安の悪い地域の一つです。この地域を含むボストン南部では、市内で発生する殺人事件の約8割が集中して発生しています。

夜間の注意が必要なエリア

ダウンタウン地区でも、夜間は注意が必要なエリアがあります。特に以下の場所では、深夜から早朝にかけて犯罪が多発します。

・ダウンタウン・クロッシング周辺
・地下鉄の駅構内や出入口付近
・屋内駐車場
・閉店後のデパートやショッピングセンター周辺
・ボストン・コモン公園(夜間)

最近の統計によると、ダウンタウン・クロッシング地区では暴力犯罪が増加傾向にあります。2024年には非家庭内の暴力的な暴行事件が149件発生し、前年の127件を既に上回っています。強盗や強盗未遂も80件発生しており、前年の75件を超えています。

地下鉄を利用する際は、特にオレンジラインとレッドラインの南方面に注意が必要です。これらの路線は犯罪多発地域と重なっているため、車内や駅構内でも予期せぬ犯罪に巻き込まれる可能性があります。

ボストン市議会でも治安悪化を懸念する声が上がっており、一部のイベントの中止が提言されるなど、深刻な状況となっています。特に過去6ヶ月間で治安上の課題が劇的に増加しているとの指摘もあります。

これらの地域を訪れる必要がある場合は、以下の対策を必ず実施してください。

・日中の明るい時間帯のみの訪問に限定する
・複数人での行動を心がける
・貴重品は最小限にし、目立たないように携行する
・周囲の状況に常に注意を払う
・不審者に声をかけられても応対しない
・緊急時の連絡先を事前に確認しておく

ホテル滞在に最適な治安のよいエリア

ボストン観光や留学の際は、治安の良いエリアにホテルを確保することが重要です。特に初めての滞在では、安全性の高い地域を選ぶことで、安心して街歩きを楽しめます。

バックベイ地区の特徴と治安

バックベイは、ボストンで最も安全な地区の一つです。高級ブティックや美術館が立ち並び、24時間体制で警察のパトロールが行われています。

ニューベリー・ストリートには、おしゃれなカフェやレストランが集中し、深夜まで人通りが絶えません。コプリー駅周辺には高級ホテルが立ち並び、観光客も多く、安全に過ごせます。

おすすめのホテルエリア:
・コプリースクエア周辺
・プルーデンシャルセンター付近
・ニューベリー通り沿い
・パブリックガーデン近く

ビーコンヒル地区の特徴と治安

ビーコンヒルは、歴史的な建造物が残る高級住宅街です。赤レンガの建物や石畳の通りが特徴的で、観光スポットとしても人気があります。

この地区は、マサチューセッツ州議事堂に近く、警備が厳重です。24時間体制での警察のパトロールに加え、防犯カメラも多数設置されています。

地区内には以下の安全なエリアがあります:
・チャールズストリート周辺
・ルイスバーグスクエア付近
・ピンクニー通り周辺
・マウントバーノン通り

コプリースクエア周辺の特徴と治安

コプリースクエアは、ボストンの商業の中心地です。高層ビルが立ち並び、ショッピングモールや飲食店が集中しています。

この地区は、以下の理由で安全性が高く評価されています:
・24時間営業の店舗が多く、夜間も人通りがある
・警察署が近く、緊急時の対応が迅速
・防犯カメラの設置数が多い
・観光客向けの警備員が配置されている

特に、以下のエリアがホテル滞在に適しています:
・ハンティントン通り周辺
・ダートマス通り付近
・セントジェームス通り
・ボイルストン通り沿い

これらの地域では、以下のような安全対策が実施されています:
・街路灯の増設
・緊急通報ボタンの設置
・警察官の徒歩パトロール
・防犯カメラのネットワーク化

ホテル選びのポイント:
・地下鉄の駅から徒歩5分以内
・24時間体制のフロントデスク
・セキュリティカメラの設置
・エレベーターのカードキーシステム
・周辺に飲食店や商業施設がある

なお、これらの地域でも夜間の一人歩きは避けるべきです。特に深夜0時以降は、タクシーやライドシェアの利用を推奨します。

また、マラソンやスポーツイベント開催時は宿泊料金が高騰し、予約が取りにくくなります。イベントカレンダーを確認し、早めの予約をすることをお勧めします。

ボストンでよく起きる犯罪と対策

ボストンでは、観光客や留学生を狙った特徴的な犯罪が発生しています。被害に遭わないために、典型的な手口と対策を知っておく必要があります。

スリ・置き引きの被害

観光客が最も遭いやすい犯罪は、スリや置き引きです。特にレストランやカフェ、地下鉄の車内で多発しています。

典型的な手口:
・椅子の背もたれにかけたバッグを狙う
・テーブルに置いたスマートフォンの瞬間的な窃取
・混雑した電車内でのポケットピッキング
・観光スポットでの写真撮影中の置き引き

被害防止のポイント:
・バッグは常に体の前で持つ
・貴重品は内ポケットに分散して収納
・レストランではバッグを膝の上か足元に置く
・スマートフォンはテーブルに置かない
・写真撮影時も荷物から目を離さない

車上荒らし対策

レンタカーを利用する場合、車上荒らしの被害が急増しています。特に観光地の駐車場や大学周辺で多発しています。

被害が多い場所:
・ハーバード大学周辺の路上駐車場
・フェンウェイパーク付近
・ボストンコモン地下駐車場
・観光スポット周辺の路上

対策として:
・車内に荷物を置いたまま離れない
・トランクにも貴重品を残さない
・防犯アラームを必ず作動させる
・明るい場所や防犯カメラのある駐車場を選ぶ

夜間の強盗被害

地下鉄での注意点

夜間の地下鉄では、強盗や暴行事件が発生しています。特に深夜の最終電車付近では注意が必要です。

安全に利用するために:
・深夜の単独乗車を避ける
・車両の端ではなく中央付近に座る
・運転手の近くの車両を選ぶ
・不審者に声をかけられても無視する
・緊急通報ボタンの位置を確認しておく

路上での注意点

夜間の路上強盗は、特定の手口で発生する傾向があります。

典型的なケース:
・複数人で取り囲まれる
・道を尋ねられて気を逸らされる
・偽の警察官による職務質問
・ナイトクラブの出入り時を狙った襲撃

被害を防ぐために:
・夜間は明るい通りを選んで歩く
・見知らぬ人に声をかけられても立ち止まらない
・警察官の場合は身分証の提示を求める
・深夜のATM利用は避ける
・多額の現金を持ち歩かない

最近増加している新たな手口:
・フリーWi-Fiを装った個人情報の窃取
・偽のライドシェアドライバー
・観光客を装った詐欺グループ
・SNSを利用した待ち伏せ型の強盗

これらの犯罪から身を守るために:
・公共Wi-Fiの利用は控える
・ライドシェアは必ず車両番号を確認
・SNSでの現在地共有は控えめにする
・知らない人からの友好的な誘いも断る

緊急時の対応:
・すぐに911に通報
・近くの店舗や建物に避難
・防犯カメラのある場所に移動
・目撃者を確保
・被害後は速やかに警察に被害届を提出

ボストン滞在時の緊急連絡先と対応

ボストン滞在中に事件や事故に遭遇した場合、迅速な対応が必要です。緊急時に慌てないよう、重要な連絡先と基本的な対応手順を把握しておきましょう。

警察・救急への連絡方法

緊急時は躊躇せず911に電話してください。911は警察・消防・救急の共通番号です。オペレーターには以下の情報を伝えます。

・現在地の住所や目印となる建物
・事件・事故の状況
・けが人の有無と状態
・犯人の特徴や逃走方向
・自分の名前と連絡先

英語での会話が難しい場合は、「Japanese, please」と伝えると日本語通訳者に繋いでもらえます。

非緊急の場合のボストン警察署の電話番号:
・ダウンタウン地区:617-343-4240
・バックベイ地区:617-343-4250
・ビーコンヒル地区:617-343-4260

日本国総領事館の連絡先

在ボストン日本国総領事館
住所:Federal Reserve Plaza, 600 Atlantic Avenue, Boston, MA 02210
電話:617-973-9772(平日9:00-17:00)
緊急時の電話:617-973-9772(24時間対応)

総領事館が提供するサービス:
・パスポートの紛失・盗難時の対応
・犯罪被害の相談
・医療機関の紹介
・通訳の手配
・家族への連絡代行

医療機関の受診方法

ボストンには世界有数の医療機関が集中しています。緊急時は救急車を要請するか、以下の医療機関を受診してください。

主要な救急病院:
・マサチューセッツ総合病院(MGH)
住所:55 Fruit Street, Boston, MA 02114
電話:617-726-2000

・ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンター
住所:330 Brookline Avenue, Boston, MA 02215
電話:617-667-7000

・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院
住所:75 Francis Street, Boston, MA 02115
電話:617-732-5500

救急外来を受診する際の注意点:
・保険証書を必ず持参する
・パスポートのコピーを用意する
・現金またはクレジットカードを携帯する
・可能であれば日本語対応可能な病院を選ぶ
・待ち時間が長くなる可能性を考慮する

医療費の目安:
・救急車利用:1,000-3,000ドル
・救急外来受診:1,000-5,000ドル
・入院費用:1日あたり5,000-10,000ドル

トラベル保険に加入している場合は、保険会社の24時間対応デスクに連絡することで、以下のサポートを受けられます:

・キャッシュレス医療機関の案内
・医療通訳の手配
・医療搬送の手配
・保険適用の可否確認

また、軽症の場合は以下の施設の利用も検討してください:

・CVS Minute Clinic
・Urgent Care Centers
・Walk-in Clinics

これらの施設は予約不要で、比較的安価に診療を受けられます。営業時間や受付可能な症状を事前に確認することをお勧めします。

まとめ:ボストン滞在を安全に過ごすために

ボストンは全米の大都市の中では比較的治安が良好な都市ですが、日本の基準からすると十分な注意が必要です。安全に滞在するためのポイントを、エリア選び、行動面、準備の3つの観点からまとめます。

エリア選びのポイント

滞在中の安全を確保するには、まず宿泊エリアの選択が重要です。以下のエリアは治安が良好で、観光にも便利です。

・バックベイ地区:高級ホテルが集中し、24時間警備体制
・ビーコンヒル:歴史的な高級住宅街で警察のパトロールが頻繁
・コプリースクエア周辺:商業施設が充実し、深夜まで人通りがある

一方で、以下のエリアへの立ち入りは避けるべきです。

・ロックスベリー:凶悪犯罪が多発
・ドーチェスター:夜間の治安が特に悪化
・マッタパン:ギャング関連の事件が頻発

行動面での注意点

安全な滞在のために、以下の行動指針を心がけましょう。

夜間の行動:
・深夜の一人歩きは絶対に避ける
・地下鉄の最終電車は利用しない
・人通りの多い明るい通りを選ぶ
・タクシーやライドシェアを積極的に活用

持ち物管理:
・現金は必要最小限に抑える
・パスポートは常にホテルのセーフティボックスに保管
・クレジットカードは複数持参し、分散して携帯
・スマートフォンは人目につかないように管理

事前準備と対策

万が一の事態に備えて、以下の準備を整えておくことが重要です。

保険と医療:
・海外旅行保険への加入は必須
・現地の医療機関情報を事前に確認
・持病がある場合は英文の診断書を用意
・常備薬は処方箋と共に持参

緊急連絡先:
・在ボストン日本国総領事館:617-973-9772
・ボストン警察(緊急):911
・ボストン警察(非緊急):617-343-4200
・滞在先ホテルの電話番号
・利用予定の医療機関の連絡先

デジタルセキュリティ:
・重要なデータのバックアップを作成
・パスワードの使い回しを避ける
・公衆Wi-Fiの利用は最小限に
・位置情報の共有設定を確認

これらの対策を講じることで、ボストン滞在をより安全に楽しむことができます。特に初めての訪問者は、現地の治安状況を理解し、適切な予防措置を取ることが重要です。

また、以下の点も忘れずに確認しましょう:

・現地の緊急情報システムへの登録
・天候や交通情報の定期的なチェック
・イベント開催時の混雑予測
・季節に応じた防犯対策の見直し

ボストンは歴史的建造物や世界有数の教育機関が集まる魅力的な都市です。適切な安全対策を講じることで、充実した滞在を実現できます。治安に関する知識を持ち、常に周囲に注意を払いながら、この歴史ある都市での経験を最大限に楽しんでください。

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この記事を書いた人

ヨーロッパ、北米、オーストラリアetc、治安をはじめとした海外情報をお届け。運営歴11年の海外旅行メディア世界新聞が監修しています。

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