バルセロナの治安完全ガイド 危険地域とホテルをとるべき治安のよいエリアを解説

「バルセロナの治安は本当に危ないの?」
「バルセロナで治安の良い地区に泊まりたい」
「バルセロナの治安が悪い地区は避けたい」

初めてのバルセロナ旅行で治安面の不安を感じるのは自然なことです。

バルセロナは世界の安全都市ランキングでパリやロンドンより上位にランクインしている一方、スリや置き引きには特別な注意が必要な都市です。

外務省海外安全ホームページとバルセロナ在住者の声をもとに、危険エリアの特徴や安全な宿泊エリア、具体的な防犯対策、グラシア通りなどの治安の良い地区まで詳しく解説していきます。

目次

バルセロナの治安の現状と特徴

バルセロナは、スペインを代表する観光都市として世界中から年間約3200万人の観光客が訪れる人気都市です。欧州の主要都市と比較すると、暴力犯罪は少なく、観光に適した安全な都市といえます。

世界安全都市ランキングでの評価

バルセロナは世界の安全都市ランキングで77位にランクインしており、パリ(78位)やロンドン(80位)より上位に位置しています。特に、テロや暴力犯罪の発生率は欧州の主要都市と比べて低い水準を維持しています。

スペイン国内の治安比較では、マドリードに次ぐ安全な大都市として評価されています。警察の巡回も頻繁で、観光地では警察官の姿を日常的に見かけることができます。

スリと置き引きの発生状況

一方で、バルセロナはスリや置き引きの発生率が欧州でも特に高い都市として知られています。外務省海外安全ホームページによると、以下のような特徴が報告されています:

・観光客を狙った犯罪が多発
・複数人で役割分担して行動する組織的な手口
・地下鉄や観光スポットでの被害が集中
・スマートフォンを狙った置き引きが増加傾向

特に観光シーズンのピークとなる6月から9月にかけて、犯罪の発生率が上昇します。観光客が集中するランブラス通りやゴシック地区では、1日あたり平均して20件以上の被害が報告されています。

邦人被害の統計データ

在スペイン日本国大使館の統計によると、バルセロナにおける邦人の被害は以下のような傾向が見られます:

・被害の約80%がスリと置き引き
・被害場所の上位は地下鉄車内、カフェのテラス席、観光スポット
・被害時間帯は10時から18時が最多
・被害額の平均は200ユーロから500ユーロ
・パスポートの盗難被害も年間100件以上

特筆すべき点として、日本人観光客は「周囲を警戒していない」「貴重品の管理が甘い」という理由で、犯罪グループの標的になりやすい傾向にあります。

観光客を狙った犯罪の手口は年々巧妙化しており、以下のような新しい手口も報告されています:

・観光スポットで親切に写真を撮ってあげると声をかけ、スマートフォンを持ち去る
・レストランで床に落としたものを拾うふりをして、椅子の背もたれに掛けたバッグから財布を抜き取る
・地下鉄の券売機で困っている観光客に声をかけ、暗証番号を盗み見る

ただし、これらの犯罪の大半は暴力を伴わない非接触型の窃盗であり、被害に遭わないための対策を知っておけば、十分に予防が可能です。実際、近年はバルセロナ市警察が観光客向けの防犯キャンペーンを強化し、観光地での警備体制も強化されています。

バルセロナで治安が悪い地区と危険エリア

バルセロナには観光客が特に注意すべき地区がいくつか存在します。これらの地域は歴史的な背景や都市構造の特徴から、スリや置き引きなどの犯罪が発生しやすい環境にあります。

ラバル地区の治安状況

ラバル地区は、バルセロナの旧市街に位置する多文化地区です。この地域は以下のような特徴があります:

・路地が入り組んでおり、逃走経路として使われやすい
・深夜は薬物取引の現場となることがある
・移民コミュニティが多く、貧困率が比較的高い
・観光客向けの安価な宿泊施設が密集

特に夜間は、メイン通りから外れた路地での一人歩きは避けるべきです。昼間でも、カメラやスマートフォンの使用時は周囲に注意を払う必要があります。

ランブラス通りの危険性

ランブラス通りは、バルセロナで最も有名な観光スポットの一つですが、同時に最も犯罪が多発するエリアでもあります:

・観光客が集中することから、スリの発生率が非常に高い
・路上販売者を装った詐欺グループが活動
・深夜はナイトクラブ客を狙った犯罪が増加
・カフェやレストランのテラス席での置き引きが頻発

特に注意が必要なのは、以下のような状況です:

・道端でカードゲームやサッカーの試合のチケット販売を持ちかけられる
・突然抱きついてきたり、ダンスを踊りかけてきたりする
・観光客に話しかけながら、仲間が後ろから近づいてくる

夜間の危険エリア

注意が必要な時間帯

夜間(22時以降)は、以下のエリアでの警戒が特に必要です:

・エル・ボルン地区の路地
・バルセロネータのビーチ周辺
・ポブレ・セック地区の住宅街
・ゴシック地区の細い路地

これらの地域では、深夜営業の飲食店やクラブが多く、酔客を狙った犯罪が発生しやすい環境にあります。

避けるべき場所

以下の場所は、特に夜間の立ち入りを避けることが推奨されます:

・サン・パウ通りとその周辺
・ラバル地区の細い路地
・シウタデラ公園の周辺(夜間)
・地下鉄の終電間際の時間帯

これらの地域では、観光客を狙った組織的な犯罪グループが活動していることが確認されています。昼間でも、カメラやスマートフォンの使用は最小限に抑え、貴重品は必ず体の前で持つようにしましょう。

なお、これらの地域でも、メインストリートや人通りの多い通りは比較的安全です。ただし、深夜の一人歩きや、路地への立ち入りは避けるべきです。タクシーの利用や、グループでの行動を心がけることで、リスクを大幅に軽減できます。

バルセロナで治安が良い地区とホテルの選び方

バルセロナには、観光客が安心して滞在できる治安の良い地区が多く存在します。特に初めての訪問者や女性の一人旅には、以下のエリアがおすすめです。

カタルーニャ広場周辺の特徴

カタルーニャ広場は、バルセロナの中心部に位置する最も安全なエリアの一つです:

・24時間体制の警察巡回が行われている
・主要ホテルが集中し、セキュリティが充実
・観光案内所があり、困ったときのサポートが受けやすい
・地下鉄やバスの交通アクセスが便利

このエリアのホテルは比較的高価ですが、以下のようなメリットがあります:

・防犯カメラの設置が充実
・24時間体制のフロントデスク
・観光名所へのアクセスの良さ
・レストランやショッピング施設が徒歩圏内

グラシア通り周辺の安全性

グラシア通りは、高級ブティックや有名店が立ち並ぶ通りで、以下の特徴があります:

・上質な商業施設が集中し、治安維持の意識が高い
・地元住民の生活エリアとして人気が高い
・カフェやレストランが充実
・夜間も人通りが多く、比較的安全

このエリアは特に以下のような観光客におすすめです:

・ショッピングを楽しみたい人
・カフェ文化を体験したい人
・安全な夜間散策を希望する人
・現地の生活感を味わいたい人

宿泊におすすめのエリア

初めての観光客向け

初めてバルセロナを訪れる観光客には、以下のエリアがおすすめです:

・エイシャンプラ地区中心部
・パセジ・デ・グラシア周辺
・ディアゴナル通り沿い
・サグラダファミリア周辺の住宅街

これらの地域は以下の特徴を持ちます:

・整然とした街並みで迷いにくい
・観光スポットへのアクセスが良好
・治安が安定している住宅街
・レストランや商業施設が充実

女性一人旅向け

女性の一人旅には、特に以下のエリアが安全です:

・サン・ジェルバシ地区
・グラシア地区
・エイシャンプラ右側地区
・レス・コルツ地区

これらの地域は、以下のような特徴があります:

・住宅街として人気が高く、地域コミュニティの目が行き届いている
・スーパーマーケットやコンビニが充実
・深夜でも人通りがある
・路上照明が整備されている

ホテル選びのポイントとしては、以下の要素に注目することをおすすめします:

・地下鉄駅から徒歩5分以内
・24時間体制のフロントデスク
・周辺に飲食店や商業施設がある
・メインストリートに面している
・ホテルの口コミ評価で安全面の評価が高い

これらの地域では、観光客を狙った犯罪の発生率が極めて低く、夜間の一人歩きでも比較的安全に過ごすことができます。ただし、どの地域でも基本的な防犯対策は必要です。

バルセロナでよく起きる犯罪手口と対策

バルセロナでは、観光客を狙った特徴的な犯罪手口がいくつか存在します。これらの手口を知り、適切な対策を取ることで、多くの被害を未然に防ぐことができます。

スリの具体的な手口

バルセロナで最も多い犯罪がスリです。主な手口は以下の通りです:

・地図を広げて道を尋ねながら、カバンから財布を抜き取る
・レストランの椅子に掛けたバッグを足で引っ掛けて持ち去る
・エスカレーターで前後から挟み、ポケットから財布を抜く
・混雑した地下鉄で体を寄せながら、バッグのファスナーを開ける

特に注意が必要な場所と状況:

・地下鉄の改札付近
・観光スポットの混雑時
・路上のカフェやレストランのテラス席
・ランブラス通りの人混み

置き引きの被害パターン

置き引きは以下のような状況で多発しています:

・カフェでWi-Fiを使用中、席を離れた隙に
・ビーチでの水浴び中に砂浜に置いた荷物
・レストランで椅子の背もたれに掛けたバッグ
・ホテルのロビーでチェックイン中の手荷物

効果的な対策として:

・貴重品は常に身につける
・バッグは必ず膝の上か前に置く
・荷物から目を離さない
・複数の場所に分散して現金を持ち歩く

偽警官による詐欺の特徴

見分け方

偽警官による詐欺は以下のような特徴があります:

・私服を着用し、いきなり職務質問を始める
・パスポートと財布の提示を要求する
・観光客の多いエリアで複数人で行動
・正規の警察手帳を提示しない

本物の警察官の特徴:

・制服を着用している場合が多い
・警察手帳を自主的に提示する
・強制的な金品の確認はしない
・近くの警察署での手続きを提案する

対処方法

偽警官に遭遇した場合の適切な対応:

・最寄りの警察署での確認を提案する
・パスポートのコピーのみを携帯し、原本はホテルの金庫に保管
・周囲に助けを求める
・その場での現金やカードの提示を断る

一般的な防犯対策として以下が推奨されます:

・パスポートは常にコピーを持ち歩く
・クレジットカードは1枚のみ携帯
・現金は必要最小限に抑える
・貴重品は分散して持ち歩く
・ウエストポーチや首掛け財布を活用する

特に注意が必要な状況:

・深夜の単独行動
・人気のない路地での職務質問
・複数人での取り囲み
・強引な現金確認の要求

これらの犯罪の多くは、観光客が気を緩めた瞬間を狙って行われます。常に周囲に注意を払い、不審な状況では毅然とした態度で対応することが重要です。また、万が一の被害に備えて、警察署の連絡先や領事館の情報を事前に確認しておくことをおすすめします。

バルセロナの緊急連絡先一覧

緊急通報番号
・共通緊急番号(警察・救急・消防): 112
・警察(Policia Nacional): 091
・地域警察(Local Police): 092
・消防: 080
・救急車: 061

警察署
・警察本部(英語対応可)
住所: Via Laietana 43, 08003 Barcelona
電話: +34 932 903 327

日本国総領事館
・在バルセロナ日本国総領事館
住所: Av. Diagonal, 640, 2-D, 08017 Barcelona
電話: +34 93 280 34 33
FAX: +34 93 280 44 96
窓口時間: 9:00-13:00(夏季期間6月23日~8月31日は8:30-13:30)

バルセロナの安全な観光スポットと注意点

バルセロナには、適切な注意を払えば安全に観光を楽しめるスポットが数多くあります。主要な観光地では警察の巡回も頻繁で、昼間は比較的安全に過ごすことができます。

サグラダファミリア周辺

サグラダファミリアは世界的に有名な観光地で、以下の特徴があります:

・警察官が定期的に巡回
・観光案内所のスタッフが常駐
・明るく開けた広場が周辺に点在
・カフェやレストランが多く、人通りが絶えない

ただし、以下の点には注意が必要です:

・大勢の観光客が集まるため、スリの標的になりやすい
・チケット売り場付近での置き引きに注意
・写真撮影に夢中になる観光客を狙う手口が多発

カサ・バトリョとカサ・ミラ周辺

グラシア通りに位置する両建築物周辺は、高級ショッピングエリアとして知られ、以下の特徴があります:

・高級ブランド店が並び、セキュリティが充実
・観光警察が常時巡回
・照明設備が整っており、夜間も比較的安全
・カフェのテラス席が多く、人通りが絶えない

安全に観光するためのポイント:

・カメラやスマートフォンの使用は建物の前に限定する
・路上のパフォーマンスに気を取られすぎない
・高価な買い物をした後は、すぐにホテルに戻る

バルセロナ大聖堂エリア

観光時の注意事項

大聖堂周辺は、ゴシック地区の中でも特に観光客が集中するエリアです:

・大聖堂の入り口付近は警備員が常駐
・広場には観光警察が配置
・カフェや土産物店が多く、人通りが多い
・緊急時の避難経路が明確に表示

安全に楽しむコツ

このエリアを安全に観光するためには、以下の点に注意が必要です:

・狭い路地に入る際は、必ず複数人で行動
・貴重品は必ずボディバッグなどの前掛けカバンに入れる
・地図やスマートフォンの確認は、店内や広場で行う
・夕方以降は、メインストリートから外れない

特に大聖堂周辺は、観光客が写真撮影に夢中になりやすい場所のため、カメラやスマートフォンの管理には細心の注意を払う必要があります。また、広場では様々なストリートパフォーマンスが行われていますが、これらに気を取られている間に荷物を狙われるケースも報告されています。

これらの観光スポットは、昼間であれば十分に安全に観光を楽しむことができます。ただし、夜間は人通りが少なくなる場所もあるため、日没後の観光は避けるか、タクシーを利用するなどの対策を取ることをおすすめします。

まとめ:バルセロナを安全に楽しむために

バルセロナは、適切な注意と対策を講じることで、十分に安全に観光を楽しめる都市です。これまでの内容を踏まえ、安全な旅行のための重要なポイントをまとめます。

滞在エリアの選び方
・初めての訪問者は、カタルーニャ広場やグラシア通り周辺がおすすめ
・夜間の出歩きが多い場合は、エイシャンプラ地区の宿泊施設を選択
・ラバル地区や深夜のランブラス通りは避ける
・地下鉄の駅から徒歩5分以内のホテルを選ぶ

貴重品の管理方法
・パスポートは常にホテルのセーフティボックスに保管
・現金は1日分だけを持ち歩く(50-100ユーロ程度)
・クレジットカードは1枚のみ携帯
・スマートフォンは必要時以外はカバンの中に収納

観光時の注意点
・人混みでは必ずバッグを前に抱える
・写真撮影は周囲の安全を確認してから
・レストランではバッグを椅子に掛けない
・地図やスマートフォンの確認は店内で行う

緊急時の対応準備
・保険証券のコピーを持ち歩く
・総領事館の連絡先(+34 93 280 34 33)を保存
・緊急通報番号112(日本語対応可)を記録
・パスポートの写真をスマートフォンに保存

時間帯別の注意事項
朝~昼(8:00-16:00)
・観光スポットでの写真撮影時は周囲に注意
・地下鉄やバスの混雑時は特に警戒
・レストランでの食事時は貴重品から目を離さない

夕方(16:00-20:00)
・日没前に観光を終える計画を立てる
・人通りの少ない路地は避ける
・できるだけグループで行動する

夜間(20:00以降)
・タクシーの利用を推奨
・メインストリートを歩く
・深夜のビーチエリアは避ける

トラブル発生時の対応手順

  1. 被害に遭った場合は、すぐに112に通報
  2. パスポート盗難の場合は総領事館に連絡
  3. クレジットカード停止の手続きを行う
  4. 警察署で被害届を提出(保険請求に必要)

最後に

バルセロナは、スリや置き引きには注意が必要ですが、暴力犯罪は比較的少ない都市です。基本的な防犯対策を実践し、危険エリアを避けることで、充実した観光を楽しむことができます。特に、以下の3点を常に意識することが重要です:

  1. 貴重品の管理を徹底する
  2. 危険エリアや時間帯を把握する
  3. 緊急時の連絡先を確認しておく

これらの対策を実践することで、ガウディ建築やカタルーニャ料理など、バルセロナならではの魅力を安全に満喫することができます。

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この記事を書いた人

ヨーロッパ、北米、オーストラリアetc、治安をはじめとした海外情報をお届け。運営歴11年の海外旅行メディア世界新聞が監修しています。

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