シカゴへの旅行を計画しながら、宿泊エリアをどこにすべきか踏み出せずにいる方は少なくありません。
市の南部や西部での銃撃事件に関する報道を目にしていれば、シカゴ全体が危険なのではないかと感じるのは自然なことです。
この記事は、シカゴの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を渡航してきた編集長の経験からも、治安は「場所・時間帯・行動」の組み合わせで考えるものであり、都市全体をひとくくりにしても実際の判断には役立ちません。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにシカゴで注意が必要なエリアを紹介したうえで、治安目線でおすすめの宿泊エリアを観光重視・落ち着いた滞在・交通アクセス重視の3つの目的別にまとめています。
🏨シカゴのおすすめホテルエリア🏨
シカゴで注意が必要と言われるエリア
シカゴは観光客が多く訪れる都市ですが、エリアによって状況が大きく異なります。
どこに注意が必要で、どのエリアなら宿泊を検討できるのかを整理するために、まずは注意が必要とされている地区を具体的に確認しておきましょう。
サウスサイド南部 / Englewood・Auburn Gresham周辺
サウスサイド南部は、銃撃を含む凶悪犯罪への注意が必要なエリアです。
ダウンタウンのループ地区から南へ約10〜15km圏に広がる住宅地で、シカゴの主要な観光スポットからは地理的に離れています。
在シカゴ日本国総領事館は、市の南部地区について「銃撃事件が頻発しており、観光目的での訪問は避けること」と案内しています。
Wikivoyageもこのエリアについて、旅行者が意図的に訪れる理由はほぼなく、犯罪統計が集中している地区と記述しています。
観光でシカゴを訪れる場合、このエリアを目的地にするシーンはほとんどありませんが、レンタカーや配車アプリで移動する際に意図せず通過するケースが考えられます。
目的地を設定する際は地図でエリアの位置を事前に確認し、ルートがこの地区を通らないよう意識しておくとよいでしょう。
ウェストサイド / Garfield Park・Austin周辺
ウェストサイドは、強盗などの凶悪犯罪への注意が必要なエリアです。
外務省の「米国安全対策基礎データ」は、市の西部の住宅地区について「凶悪犯罪が多発している」として立ち入りを避けるよう呼びかけています。
Wikivoyageはこのエリアについて、Lトレイン(シカゴ市内を走る高架鉄道)のブルーラインでダウンタウンから西方向へ乗り過ごした場合に入り込む可能性があると具体的に指摘しています。
観光客が直面しやすいのは、まさにこのLトレインの誤乗というシナリオです。
ブルーラインはオヘア国際空港とダウンタウンを結ぶ路線のため、空港からの移動時に降車駅を確認せずに乗り続けると、気づかないうちにこのエリアに入り込むことがあります。
乗車前に降車駅と方向を確認し、車内では路線図で現在地を随時チェックするといった行動が、こうした事態を防ぐことにつながります。
ミレニアムパーク周辺 / マグニフィセントマイル
ミレニアムパーク周辺とマグニフィセントマイル(ノースミシガンアベニューに沿って広がる高級ショッピングエリア)は、スリ・置き引き・スマートフォンのひったくりに注意が必要なエリアです。
シカゴを代表する観光スポットが集中するダウンタウンの中心部であり、宿泊を検討している方にとって最も直接的に関わるエリアです。
外務省は「観光客が集中するダウンタウンにおいても、スリ・ひったくり・置き引きの被害報告がある」と記載しています。
Fodor’s Travelは、スマートフォンを操作しながら歩いているときに引ったくり被害が起きていると具体的に指摘しています。
Time Out Chicagoも、混雑するイベント時や夜間は特に警戒が必要と繰り返し案内しています。
人通りが多い昼間でもリュックを前に抱える、カフェやレストランで席を離れる際にバッグを置いたままにしない、歩きながらスマートフォンを操作しないといった点を意識しておくことをおすすめします。
🏨シカゴのおすすめホテルエリア🏨
シカゴで治安目線でおすすめの宿泊エリア
シカゴ滞在をどう過ごしたいかによって、宿泊エリアの選び方は変わります。
観光スポットへの近さを優先するか、ローカルな落ち着いたエリアを選ぶか、それとも空港や市内移動の効率を重視するか、自分のスタイルに合わせてエリアを選んでみてください。
【観光重視】ループ/マグニフィセントマイル周辺(The Loop / Magnificent Mile)
おすすめする理由
ループ/マグニフィセントマイル周辺は、シカゴの主要観光スポットを徒歩で回りたい人におすすめのエリアです。
ループはシカゴのビジネスと文化の中心であり、高架鉄道のLトレインが環状に走るダウンタウンの核。
その北側に広がるマグニフィセントマイルはノースミシガンアベニュー沿いの高級ショッピング・ホテルエリアで、両エリアを合わせるとシカゴ観光の主要スポットのほとんどが徒歩圏内に収まります。
ミレニアムパークはループ内の徒歩圏内、アート・インスティテュート・オブ・シカゴまでは徒歩5〜10分です(Fodor’s Travel)。
ネイビーピア(ミシガン湖畔の複合観光施設)へはマグニフィセントマイルから徒歩約20分、またはバス利用でアクセスできます(Wikivoyage)。
オヘア国際空港からはLトレインのブルーラインでループまで約45分で到着します(Fodor’s Travel)。
ホテルはシカゴ市内で最も選択肢が多く、ラグジュアリーな大型ホテルから中価格帯のビジネスホテルまで幅広く揃っています。
その分、宿泊コストはシカゴ市内で最も高めの水準です(Fodor’s Travel)。
夜の雰囲気
マグニフィセントマイル沿いはショッピングやレストランの営業時間中は人通りが続きますが、21時を過ぎると店舗が閉まり始め、人の流れが落ち着いてきます。
ループは平日の夜はビジネス街として静まり返り、週末はシアターやレストランに向かう人で賑わいます。
ループのすぐ北に隣接するリバーノースにはバーやレストランが集中しており、夜間も活気があります(Time Out Chicago)。
夕食をリバーノースで取り、ホテルに戻るという行動パターンをとる旅行者が多いエリアです。
【落ち着いた滞在】リンカーンパーク(Lincoln Park)
おすすめする理由
リンカーンパークは、ダウンタウンの混雑や騒がしさを避け、ローカルな雰囲気の中でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
ループの北、ミシガン湖沿いに広がる緑豊かなエリアで、シカゴに暮らす専門職層やファミリーが多く住む落ち着いた雰囲気があります。
オルセッド・ストリートやクラーク・ストリート沿いには独立系のカフェ・レストラン・ブティックが並び、観光地的な喧噪とは距離を置いた滞在ができます。
エリア内にはリンカーンパーク動物園があり、入場無料で訪れることができます(Fodor’s Travel)。
ミレニアムパークなどループ方面へはLトレインのレッドラインまたはバスで20〜30分です(Wikivoyage)。
ホテルはループほど大型のものは多くなく、ブティックホテルや中規模ホテルが中心です。
宿泊コストはループ〜マグニフィセントマイルよりも低めの傾向があり、長期滞在向けのアパートメントホテルも点在しています(Lonely Planet)。
夜の雰囲気
オルセッド・ストリートやクラーク・ストリート沿いのレストランやバーは夜間も営業しており、地元の人が食事や会話を楽しむ落ち着いた賑わいがあります。
深夜になると人通りは減りますが、ダウンタウンのクラブエリアのような騒がしさはなく、静かに過ごしたいカップルやファミリー旅行者に向いた夜の空気感です(Time Out Chicago)。
【交通アクセス重視】リバーノース(River North)
おすすめする理由
リバーノースは、市内移動の効率と空港へのアクセスを重視する人におすすめのエリアです。
シカゴ川の北岸、ループのすぐ北に隣接しており、LトレインのレッドラインとブラウンラインのGrand駅・Chicago駅が複数あり、市内各方面への乗り換えが容易です。
ループへは徒歩またはLトレインで5〜10分でアクセスできます(Fodor’s Travel)。
マグニフィセントマイルへも徒歩約10〜15分の距離にあります(Wikivoyage)。
オヘア国際空港へはループのClark/Lake駅などでLトレインのブルーラインに乗り換えて、全体で約50〜60分です(Wikivoyage)。
ホテルはシカゴでも集積度が高いエリアのひとつで、国際チェーン系の大型ホテルとデザイン性のあるブティックホテルが混在しています。
レストランやバーに近い立地のホテルが多く、食事や夜の外出に便利な点もこのエリアの特徴です(Lonely Planet・Fodor’s Travel)。
夜の雰囲気
リバーノースはシカゴ有数のレストランとギャラリーが集まるエリアで、夜間も人通りが多く活気があります。
週末の夜はバーやクラブに向かう人で賑わい、深夜帯になると混雑と酩酊者が目立つ時間帯が生まれます(Time Out Chicago)。
食事やアートを楽しむ夜を想定している旅行者には向いている一方、静かな夜を好む旅行者には騒がしく感じる場合があります。
シカゴの治安概要
シカゴはアメリカ第3の都市であり、ミシガン湖に面した建築・美術・音楽の街として多くの旅行者が訪れます。
一方で、エリアによって状況が大きく異なる都市でもあり、どのエリアに泊まり、どう行動するかを事前に把握しておくことが重要です。
シカゴに対する公的情報のアナウンス
外務省は米国全土に対して危険度レベル1(十分注意)を指定しています。
シカゴについては、市の南部および西部の住宅地区で銃撃を含む凶悪犯罪が多発しているとして、これらの地区への不必要な立ち入りを避けるよう呼びかけています。
あわせて、観光客が集まるダウンタウンでもスリ・ひったくり・置き引きの被害が報告されているとし、人混みでの所持品管理に注意するよう案内しています。
在シカゴ日本国総領事館も同様の情報を発信しており、日本人旅行者がスリ・置き引き・ひったくりの被害に遭う事例が報告されていると具体的に記載しています。
緊急時の連絡先として、警察・救急・消防共通の911番と、総領事館の緊急連絡先が案内されています。
シカゴの治安の特徴
シカゴの治安を考えるうえで押さえておきたいのは、エリアごとの差が非常に大きいという点です。
ダウンタウンのループ地区やノースサイドの観光・商業エリアと、そこから離れた一部の住宅地区とでは、状況が大きく異なります。
旅行者が宿泊先として検討するエリアと、注意が必要とされる地区は地理的に重なっていないことがほとんどですが、移動中に意図せず境界をまたぐケースがあるため、地図での事前確認が必要です。
観光客に多く発生しているのは、スリや置き引き・スマートフォンのひったくりといった財物犯罪です。
ミレニアムパークやマグニフィセントマイル(ノースミシガンアベニュー沿いの高級ショッピングエリア)など人が集まる場所では、混雑に紛れた手口が報告されています。
また、夜間については、Fodor’s TravelとWikivoyageがLトレイン(シカゴ市内を走る高架鉄道)の深夜帯利用について配車アプリの利用を検討するよう案内しており、行動の時間帯によって取るべき対策が変わります。
シカゴ市警察はマグニフィセントマイルやミレニアムパーク周辺に警察官の巡回を増やす対応をとっており、観光エリアでの取り組みは一定程度進んでいます。
シカゴの治安まとめ
シカゴはエリアによって状況が大きく異なる都市であり、都市全体をひとくくりに語れない構造を持っています。
治安は「どこで・何時に・どう行動するか」という組み合わせで変わるものです。
市の南部や西部の一部には在シカゴ日本国総領事館が立ち入りを避けるよう案内している地区があり、観光客に多く発生しているスリやひったくりはミレニアムパークやマグニフィセントマイル周辺での注意が必要です。
宿泊エリアについては、観光スポットへの近さを重視するならループ/マグニフィセントマイル周辺、落ち着いた滞在を求めるならリンカーンパーク、移動効率を優先するならリバーノースがそれぞれの目的に合った選択肢になります。
旅行前に地図でエリアの位置関係を把握し、夜間の移動手段を事前に考えておくことが、現地での行動をスムーズにします。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
🏨シカゴのおすすめホテルエリア🏨
シカゴのおすすめホテルが知りたい方は「シカゴのおすすめホテル3選」へどうぞ。


