ウィーンの治安完全ガイド 現地人が近づかない危険エリアとホテルをとるべき治安のよいエリアを解説

「ウィーンの治安って本当に大丈夫なの?」
「ウィーンのホテルは治安のいい地区で選びたい」
「ウィーンの危険な地区や安全な地区を知りたい」

初めてのウィーン旅行では、どの地区に滞在するべきか、夜間の観光は安全なのか、不安になるものです。

ウィーンは欧州の主要都市の中でも特に治安の良い都市です。ただし、プラーター公園周辺や中央駅付近など、現地の人々も注意を払うエリアが存在します。

外務省海外安全ホームページとウィーン在住者の声をもとに、安全に観光するためのポイントと、宿泊に適した治安の良いエリアをマップ付きで解説していきます。また、スリや置き引きの具体的な対策方法もご紹介します。

目次

ウィーンの治安レベルと安全な観光エリア

ヨーロッパの主要都市の中でも特に治安の良い都市として知られるウィーンは、2022年にエコノミスト誌の調査で「世界で最も住みやすい都市」に選ばれました。警察官の数が多く、凶悪犯罪や軽犯罪の発生率も低いため、観光客でも安心して滞在できる都市です。

治安の現状と特徴

外務省の海外安全情報によると、ウィーンは特別な危険情報が出されていない安全な都市です。殺人や強盗などの凶悪犯罪の発生率は低く、警察による巡回も頻繁に行われています。

ただし、2020年11月には市内でテロ事件が発生し4名が死亡するなど、完全に安全というわけではありません。また近年は移民の増加に伴い、一部地域での治安悪化を懸念する声も出ています。

観光客が安心して滞在できるエリア

シュテファン大聖堂周辺

ウィーン観光の中心地であるシュテファン大聖堂周辺は、夜間でも多くの人が行き交う安全なエリアです。周辺には飲食店が多く、22時以降も人通りが絶えないため、女性一人での観光も可能です。ただし、深夜になるとホームレスが増える傾向にあるため、過度な夜遊びは避けるべきでしょう。

ケルントナー通り周辺

シュテファン大聖堂とウィーン国立歌劇場を結ぶケルントナー通りは、高級ブランドショップや老舗カフェが立ち並ぶ観光スポットです。昼夜を問わず観光客や地元民で賑わっており、警備も厳重なため安全に過ごせます。

リンク通り周辺

市庁舎や美術史美術館などの観光名所が集まるリンク通り周辺も、治安の良いエリアとして知られています。ただし、美術史美術館前の広場ではバラの押し売りなどの観光客を狙った軽犯罪が報告されているため、見知らぬ人から声をかけられても安易に応じないようにしましょう。

観光客が安全に滞在するためのポイントは以下の通りです:

・貴重品は必ず体の前面で管理する
・ショルダーバッグは体の前で持つ
・高級ブランド品の露出は控える
・カフェなどで荷物だけを置いて席を離れない
・夜間の一人歩きは避ける

特に日本人観光客は「観光客=カモ」と見られやすいため、華美な服装や高価な持ち物は控えめにすることをおすすめします。また、スマートフォンやカメラの扱いにも注意を払い、周囲の状況をよく確認しながら観光を楽しむことが大切です。

ウィーンで要注意の治安が悪い地区と時間帯

ウィーンは全体的に安全な都市ですが、一部のエリアでは注意が必要です。現地在住者や観光客の声をもとに、特に警戒すべき地域と時間帯についてご説明します。

危険とされる地区の特徴

プラーター駅周辺

プラーター駅(Praterstern)とその周辺の大通りプラーターシュトラッセは、地元住民でさえ警戒する地域です。観光名所の大観覧車へのアクセス駅であるため、観光客も多く利用しますが、以下の理由から注意が必要です:

・ホームレスや貧困者が多く集まる
・酔った人の目撃情報が多い
・薬物取引の噂がある
・夜間は人通りが極端に減少

ただし、日中に観光目的で通過する分には大きな問題はありません。素通りする程度であれば、特別な危険は感じられないエリアです。

ウィーン西駅周辺

バインガッセ(Beingasse)を含むウィーン西駅周辺は、過去にドラッグディーラーの逮捕歴があり、注意が必要なエリアとされています。しかし、近年は警察のパトロールが強化され、治安は改善傾向にあります。

ファボリーテン地区

ウィーン中央駅の南側に位置するファボリーテン地区は、以下の特徴があります:

・移民が多く居住する地域
・低所得者層が比較的多い
・ケプラープラッツでの薬物取引の情報あり
・観光スポットが少ないエリア

観光客が訪れる機会は少ないものの、中央駅利用時には周辺への立ち入りに注意が必要です。

夜間の注意点

夜間は特に以下の点に注意が必要です:

・シュテファン大聖堂周辺は22時以降もレストランや観光客で賑わっていますが、深夜になるとホームレスの姿が増える傾向にあります。

・ケルントナー通りは、20時台は比較的安全ですが、22時以降は店舗前にホームレスが集まることがあります。

・マリアヒルファー通りは深夜まで営業している店舗があり人通りは絶えませんが、酔った人との遭遇に注意が必要です。

・ベルムダドライエック(飲み屋街)は2020年のテロ事件の発生地であり、現在も警察による警備が続いています。酔客とのトラブルにも注意が必要です。

安全に過ごすためのポイントは以下の通りです:

・早朝や深夜の一人歩きは避ける
・人通りの少ない路地は通らない
・貴重品は必ず体の前で管理する
・見知らぬ人からの声掛けには応じない
・公共交通機関の最終便付近は特に警戒する
・緊急時に備えて警察の連絡先(133)を控えておく

ウィーンでよく起こる犯罪と対策

観光客の多い世界的な観光都市であるウィーンでは、重大犯罪は少ないものの、観光客を狙った軽犯罪には警戒が必要です。主な犯罪の手口と具体的な対策を解説します。

スリや置き引きの手口と予防法

ウィーンでよく見られるスリの手口は以下のようなものです:

・観光客に話しかけて注意をそらし、仲間が荷物から財布を抜き取る
・レストランで椅子の背もたれに掛けたバッグから貴重品を抜き取る
・地下鉄の混雑時に接近して、ポケットから財布を抜き取る

予防のためには以下の対策が効果的です:

・貴重品は必ず体の前で管理し、リュックは前抱えで持つ
・バッグは常にチャックを閉めて持ち歩く
・現金は分散して持ち歩き、多額の現金は持ち歩かない
・人混みでは特に警戒を強める

カフェでの盗難対策

ウィーンの伝統的なカフェでは、以下のような盗難被害が報告されています:

・テーブルに置いたスマートフォンの置き引き
・椅子の背もたれに掛けたコートやバッグからの盗難
・トイレに行く際の荷物の置き引き

対策としては:

・荷物は必ず目の届く場所に置く
・スマートフォンはテーブルに出しっぱなしにしない
・貴重品は絶対に椅子に掛けたバッグに入れない
・トイレに行く際は必ず貴重品を持参する

観光客を狙った詐欺の実例

特に注意が必要な詐欺の手口は以下の通りです:

・美術史美術館前の広場でのバラの押し売り(受け取ると高額な料金を要求される)
・偽のチケット販売(コンサートやオペラの偽チケット)
・偽警官による所持品検査を装った盗難

被害に遭わないためのポイント:

・見知らぬ人からの物品は一切受け取らない
・チケットは必ず公式販売所か信頼できる業者から購入する
・警察官の職務質問時は必ず警察手帳の提示を求める

万が一被害に遭った場合は、すぐに警察(133)に通報することが重要です。また、在オーストリア日本国大使館(+43-1-531-92-0)にも連絡し、パスポートの紛失や盗難の場合は速やかに届け出を行いましょう。

クレジットカードの盗難時は、直ちにカード会社に連絡して利用停止の手続きを行う必要があります。事前に緊急連絡先をメモしておくと安心です。

ウィーンのホテル選びと治安の良いエリア

ウィーン滞在の安全性は、ホテルの立地選びで大きく左右されます。観光に便利で治安の良いエリアを中心に、宿泊先の選び方をご紹介します。

観光に便利で安全なホテルエリア

第1区(インナーシュタット)は、観光名所へのアクセスが良く、24時間体制の警備員が配置されているホテルも多いエリアです。特に以下の地域がおすすめです:

・シュテファン大聖堂周辺

  • 観光の中心地で24時間人通りがある
  • 高級ホテルが多く、セキュリティが充実
  • 地下鉄U1号線とU3号線の利用が可能

・オペラ座周辺

  • 高級ブランド店が立ち並び、警備が厳重
  • 夜間も明るく、カフェやレストランが充実
  • 地下鉄U1号線、U2号線、U4号線が利用可能

・リンク通り周辺

  • 市庁舎や美術館が近く、観光に便利
  • 路面電車2号線が目の前を走り、交通の便が良い
  • 公園や広場が多く、開放的な雰囲気

避けるべきホテルロケーション

以下のエリアは、観光客の宿泊には適していません:

・プラーター駅周辺

  • 夜間の人通りが少ない
  • ホームレスが多い地域
  • 駅周辺は治安が不安定

・ウィーン中央駅周辺

  • 深夜は人通りが極端に減少
  • スリや置き引きの報告が多い
  • 駅の南側は特に注意が必要

・グルテル通り外側

  • 観光地からのアクセスが不便
  • 夜間は人通りが少ない
  • 治安の面で不安がある地域

おすすめの高級ホテル

セキュリティ面で特に安心な高級ホテルをご紹介します:

・ホテル・ザッハー・ウィーン

  • 24時間体制のセキュリティ
  • オペラ座に隣接する最高級ホテル
  • 日本語対応可能なスタッフが常駐

・ホテル・インペリアル

  • リンク通り沿いの由緒あるホテル
  • 警備員が24時間常駐
  • 大使館も近く、要人も宿泊する安全なホテル

・パレ・ハンセン・ケンピンスキー

  • シュテファン大聖堂近くの5つ星ホテル
  • 防犯カメラと警備員による24時間監視
  • コンシェルジュが観光のアドバイスも提供

ホテル選びのポイントは以下の通りです:

・24時間フロントデスクがあるか確認
・セキュリティカメラの設置状況を確認
・客室の鍵がカードキーシステムか確認
・エレベーターがカードキー制御か確認
・非常口の場所と避難経路の確認
・貴重品用の金庫の有無を確認

また、予約時には以下の点にも注意が必要です:

・口コミサイトで安全面の評価を確認
・周辺の飲食店や商店の営業時間を確認
・最寄り駅からホテルまでの夜間の明るさを確認
・公共交通機関の終電時刻を確認

ウィーンの女性一人旅での注意点

ウィーンは欧州の主要都市の中でも女性の一人歩きが比較的安全な都市です。しかし、より安全に観光を楽しむために、女性特有の注意点をご紹介します。

夜間の行動における注意事項

夜間の行動は以下のポイントに気をつけましょう:

・コンサートやオペラの終演後は

  • タクシーの利用を検討する
  • 人通りの多い大通りを歩く
  • できるだけ複数人で行動する
  • ホテルまでの経路を事前に確認する

特に冬季は16時頃から日が暮れ始めるため、行動計画を慎重に立てる必要があります。夜間のカフェ利用時は、以下の点に注意が必要です:

・席は店内が見渡せる位置を選ぶ
・出入り口付近や暗がりは避ける
・貴重品は必ず手元に置く
・長時間の滞在は避ける
・店員の位置を把握しておく

服装や持ち物の注意点

ウィーンでは、以下のような服装や持ち物が推奨されます:

・服装のポイント

  • 華美な装いは控えめにする
  • 現地の気候に適した衣服を選ぶ
  • 歩きやすい靴を選ぶ
  • 高価なアクセサリーは控える

・持ち物の注意点

  • クロスボディバッグの使用
  • バッグは必ずファスナー付きを選ぶ
  • 貴重品は分散して持ち歩く
  • モバイルバッテリーの携帯
  • 緊急連絡先リストの携帯

公共交通機関利用時の注意点

地下鉄やトラムを利用する際は、以下の点に気をつけましょう:

・地下鉄利用時

  • 夜間は先頭車両を利用する
  • 駅員がいる付近に立つ
  • 防犯カメラの設置位置を確認する
  • 人気のない車両は避ける

・トラム利用時

  • 運転手の近くの席を選ぶ
  • 夜間は中央付近の席を避ける
  • 降車後は周囲を確認する
  • 終電間際の利用は避ける

安全に過ごすための具体的なアドバイス

・緊急時の連絡先

  • 警察:133
  • 救急:144
  • 日本大使館:+43-1-531-92-0
  • 宿泊先のホテル番号

・安全アプリの活用

  • Uber(タクシー配車)
  • When in Vienna(市公認の観光アプリ)
  • Google Maps(オフライン地図のダウンロード推奨)

・トラブル防止のための準備

  • ホテルのビジネスカードを常備
  • 現地の緊急連絡先をスマートフォンに保存
  • 目的地までのルートを事前確認
  • 予備の携帯電話バッテリーを持参

特に注意が必要な場所や状況:

・深夜のプラーター公園周辺
・ウィーン中央駅の地下通路
・人通りの少ない路地
・観光客の少ない住宅街
・深夜営業の飲食店付近

これらの注意点を守ることで、ウィーンでの女性一人旅を安全に楽しむことができます。

まとめ:ウィーンを安全に楽しむために

ウィーンは欧州の主要都市の中でも特に治安の良い都市として知られています。基本的な注意点を守れば、安全に観光を楽しむことができます。

安全に観光するための重要ポイント

観光客が多く集まるエリアでは、以下の点に特に注意を払いましょう:

・貴重品は必ず体の前で管理し、バッグは常にチャックを閉める
・美術史美術館前のバラの押し売りには応じない
・深夜の一人歩きは避け、人通りの多い大通りを歩く
・タクシーは正規のものを利用し、料金メーターを確認する
・地下鉄やトラムでは、夜間は先頭車両を利用する
・観光地での写真撮影時は周囲に注意を払う

安全な滞在のための準備

ウィーンでの滞在をより安全に楽しむために、以下の準備をしておくと安心です:

・緊急連絡先の保存

  • 警察:133
  • 救急:144
  • 日本大使館:+43-1-531-92-0
  • 宿泊先のホテル番号

・便利なアプリのダウンロード

  • When in Vienna(市公認の観光アプリ)
  • Google Maps(オフライン地図)
  • ウィーン公式交通アプリ(乗車券購入用)

地域別の注意点

安全に観光するために、エリアごとの特徴を把握しておきましょう:

・シュテファン大聖堂周辺

  • 観光の中心地で24時間人通りがある
  • 22時以降はホームレスが増加する傾向
  • 飲食店が多く、夜も比較的安全

・ケルントナー通り

  • 高級店が並び警備が厳重
  • 20時以降は人通りが減少
  • 深夜はホームレスに注意

・マリアヒルファー通り

  • 買い物客で賑わう通り
  • 深夜営業の店舗あり
  • 酔客に注意が必要

最後に

ウィーンは2022年にエコノミスト誌で「世界で最も住みやすい都市」に選ばれた安全な都市です。しかし、どんなに安全な都市でも基本的な注意は必要です。観光客を狙った軽犯罪は存在するものの、一般的な防犯対策を心がければ、十分に安全に観光を楽しむことができます。

特に、公共交通機関が発達しており、市内の移動も便利です。昼夜を問わず人通りの多い観光地エリアであれば、女性の一人歩きも可能な治安の良さを保っています。ウィーンならではの芸術や音楽、カフェ文化を存分に楽しみながら、安全で思い出に残る旅行にしましょう。

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この記事を書いた人

ヨーロッパ、北米、オーストラリアetc、治安をはじめとした海外情報をお届け。運営歴11年の海外旅行メディア世界新聞が監修しています。

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