バルセロナへの旅行を前に、スリや置き引きの多さが気になっている方は少なくないはずです。
複数人で組んで観光客に近づくスリの手口や、ランブラス通りでの被害報告を目にしていれば、夜の外出や宿泊エリア選びに不安を感じるのは自然なことです。
この記事は、バルセロナの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を訪れてきた編集長の経験から言えるのは、治安は「場所・時間帯・そのときの行動」の組み合わせで変わるということです。
同じ都市でも、昼と夜、大通りと路地、人の多い場所とそうでない場所では、状況がまったく異なります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにバルセロナで注意が必要なエリアを紹介するとともに、治安目線でおすすめの宿泊エリアを旅の目的別に案内します。
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バルセロナで注意が必要と言われるエリア
バルセロナは世界有数の観光都市である一方、観光客を狙ったスリやひったくりの被害が多く報告されている都市でもあります。
外務省もスペインの安全情報の中でバルセロナを名指しで注意を呼びかけており、旅行前にエリアごとの特徴を把握しておくことが大切です。
ランブラス通り / ゴシック地区(Las Ramblas / Barri Gòtic)
ランブラス通りとゴシック地区は、スリと置き引きに特に注意が必要なエリアです。
ランブラス通りはバルセロナ旧市街を南北に走る目抜き通りで、サグラダ・ファミリアと並ぶ観光の中心地です。
ゴシック地区はその東側に隣接する中世の旧市街で、多くの観光客がせまい路地を歩き回るエリアです。
外務省の海外安全情報では、ランブラス通りとゴシック地区は観光客を狙ったスリ・置き引きの被害が多発するエリアとして名指しで言及されています。
複数人で組んで行動し、話しかけたりぶつかったりして注意をそらす手口が典型的とされています。
Time Out Barcelonaは、バルセロナ市内で観光客の多いエリアのうち、スリ被害が最も集中しているのがランブラス通りとゴシック地区だとはっきり書いています。
カフェのテラス席に置いたバッグ、椅子の背もたれにかけたジャケットのポケットなども狙われやすい場所です。
混雑した場所ではバッグを体の前に抱える、財布はズボンの後ろポケットに入れない、といった点を意識しておくとよいでしょう。
エル・ラヴァル(El Raval)
エル・ラヴァルは、夜間のひったくりや路上犯罪に注意が必要なエリアです。
ランブラス通りの西側に位置する旧市街の一角で、ボケリア市場やバルセロナ現代美術館(MACBA)に近く、観光で立ち寄る機会も多いエリアです。
外務省の海外安全情報では、旧市街およびその周辺地区において夜間の路地でひったくりや強盗の被害が発生しているとされており、エル・ラヴァルの地理的な位置はこの記述に重なります。
Wikivoyageはエル・ラヴァルについて、バルセロナ市内のほかのエリアと比べて犯罪発生率が高いエリアであり、特に夜間はひったくりのリスクがあると明記しています。
再開発が進んでいるエリアではありますが、主要通りから外れたせまい路地では夜間の状況が変わります。
Lonely Planetも、昼間の主要通りと夜間の路地では注意すべき状況がまったく異なると説明しています。
夜間にエル・ラヴァルを歩く場合は、人通りの少ない路地を避けてランブラス・デル・ラヴァルなどの大通りを使うことをおすすめします。
バルセロネータ(Barceloneta)
バルセロネータのビーチ周辺は、荷物の置き引きに注意が必要なエリアです。
旧市街から東に位置する海岸エリアで、地中海に面したビーチが広がり、夏季を中心に多くの観光客が訪れます。
外務省の海外安全情報では、ビーチ周辺での置き引き被害が多発しており、砂浜に荷物を置いたまま海に入る際の被害に注意するよう明記されています。
Lonely PlanetとFodor’s Travelはいずれも、砂浜に荷物を置いたまま泳ぎに行くことを被害の典型的なパターンとして挙げています。
スマートフォン・カメラ・財布などをビーチに持ち込む場合は、必ず荷物を見ていられる人と交互に海に入るか、貴重品はホテルに預けてから訪れるといった行動が、被害を遠ざけることにつながります。
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バルセロナで治安目線でおすすめの宿泊エリア
バルセロナは旧市街に安価なホテルが多い一方、観光客が集中するエリアは治安上の注意が必要な場所とも重なっています。
どこに泊まるかによって、滞在中の行動パターンや夜の過ごし方が大きく変わります。
観光効率・ローカルな雰囲気・移動のしやすさ、それぞれの優先事項に合わせて3つのエリアを紹介します。
【観光重視】エイシャンプレ(Eixample)
おすすめする理由
エイシャンプレは、バルセロナの主要観光スポットを効率よく回りたい人におすすめのエリアです。
旧市街の北側に位置する格子状の街区で、サグラダ・ファミリア、カサ・バトリョ、カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)がいずれもエリア内またはその境界沿いに集まっています。
ゴシック地区やランブラス通りへは地下鉄で10〜15分程度でアクセスできます(Lonely Planet、Wikivoyage)。
バルセロナ・サンツ駅へも地下鉄で約10分の距離です(Wikivoyage)。
ホテルの選択肢はバルセロナ市内でも特に充実しており、19世紀の建築を改装したブティックホテルから国際的なチェーンホテルまで、予算や好みに応じて選べます。
Fodor’s Travelは、エイシャンプレをバルセロナで宿泊先の選択肢が最も豊富なエリアのひとつとして紹介しています。
旧市街(ゴシック地区・エル・ラヴァル)に集中する観光客向けの犯罪リスクを避けながら、主要スポットへのアクセスを確保したい旅行者に向いています。
夜の雰囲気
エイシャンプレの夜は、エリアによって表情が異なります。
グラシア通り沿いのレストランやバルは21時以降から混み始め、地元の人々と観光客が混在する賑やかな雰囲気が続きます。
エリア内にはガイエスダ地区と呼ばれるバーやクラブが集まるゾーンがあり、週末の深夜2〜4時は人の流れが活発になります。
一方、ガイエスダ地区から離れたブロックでは、深夜になると人通りが落ち着き、旅行者が歩きやすい環境が続きます。
Time Out Barcelonaは、エイシャンプレの大半のエリアは夜間も整然としていると述べています。
ガイエスダ地区の近くに宿を取る場合は、深夜まで続く騒音を念頭に置いておくとよいでしょう。
【落ち着いた滞在】グラシア地区(Gràcia)
おすすめする理由
グラシア地区は、観光地の混雑から離れてバルセロナのローカルな雰囲気の中でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
エイシャンプレの北側、グエル公園の南側に広がるこの地区は、かつて独立した自治体だった歴史を持ち、現在も独自の文化や商店が根付いています。
プラサ・デル・ダイアマンやプラサ・デ・ラ・ビラ・デ・グラシアといった小さな広場を中心に、独立系のカフェ・バル・ブティックが並ぶ通りが続きます。
Time Out Barcelonaは「観光地化された旧市街とは異なる、地元住民の日常が残るエリア」として紹介しています。
グエル公園は徒歩圏内に位置し、サグラダ・ファミリアへは地下鉄または徒歩で約15〜20分でアクセスできます(Wikivoyage)。
ホテルは中規模のブティックホテルやアパートメントホテルが中心で、大型チェーンホテルは少なめです。
Fodor’s Travelは、バルセロナに慣れた旅行者や長期滞在者に向いているエリアと評しています。
夜の雰囲気
グラシア地区の夜は、広場を囲むバルやレストランに地元の人々が集まり、穏やかな賑わいが深夜まで続きます。
屋外のテラス席で食事をしながら過ごすスタイルが一般的で、観光客よりも地元住民の姿が多く見られます。
ガイエスダ地区やポルト・オリンピックのような大規模なナイトライフは少なく、深夜帯の過剰な混雑はありません。
Lonely Planetはグラシア地区をバルセロナらしい生活感を求める旅行者が選ぶエリアと説明しており、夜間も落ち着いた雰囲気が保たれていると述べています。
【交通アクセス重視】サンツ/レス・コルツ(Sants / Les Corts)
おすすめする理由
サンツ/レス・コルツは、移動効率と空港・他都市へのアクセスを最優先にしたい人におすすめのエリアです。
エリアの中心にあるバルセロナ・サンツ駅は、スペイン全土を結ぶ高速鉄道が発着するバルセロナ最大の鉄道ターミナルです。
マドリードへの高速鉄道は約2時間30分、バルセロナ・エル・プラット空港へは近郊鉄道(レンフェ)で約20分でアクセスできます(いずれもWikivoyage)。
マドリードとのセット旅程を組む場合や、早朝・深夜のフライトに対応したい旅行者にとって利便性の高いエリアです。
エイシャンプレやグラシア通り沿いへも地下鉄で約10分でアクセスできます(Lonely Planet)。
ホテルはビジネスホテル・中〜大型のチェーンホテルが中心で、機能性を重視した宿泊施設が多く集まっています。
Fodor’s Travelは、観光よりも移動の効率を重視する旅行者向けのエリアと説明しています。
夜の雰囲気
サンツ駅周辺は夜間もターミナル駅としての人通りが保たれており、深夜の到着・出発時にも駅周辺で動きやすい環境です。
観光客が集中するランブラス通りやゴシック地区のような夜間の混雑はなく、落ち着いたビジネスエリアとしての顔が夜間も続きます。
駅周辺のレストランやバルは21〜22時ごろまで営業しており、夕食を済ませる場所には困りません。
深夜帯は飲食店が閉まると人通りが減りますが、Lonely Planetはサンツを「観光地よりも落ち着いた、実用的なエリア」と表現しており、夜間のナイトライフを求めない旅行者には過ごしやすい環境です。
バルセロナの治安概要
バルセロナはサグラダ・ファミリアやランブラス通りといった世界的な観光地を擁する、年間1,200万人以上が訪れる都市です。
観光客が集まる場所と、日常の生活が交わるエリアが重なっているため、旅行者が知っておくべき治安上の特徴があります。
バルセロナに対する公的情報のアナウンス
外務省はスペイン全土に対して危険情報レベル1「十分注意してください」を発令しています。
バルセロナについては、スペイン国内でも観光客を狙った犯罪が集中する都市として名指しで言及されており、スリ・置き引き・ひったくりといった被害が多く報告されていると明記されています。
凶器を使った強盗の発生についても触れられており、被害は特定のエリアや時間帯に限らず発生しうるとされています。
在スペイン日本国大使館も同様の注意を呼びかけており、日本人旅行者からの被害報告が多数寄せられていることを具体的に記しています。
バルセロナの治安の特徴
バルセロナの治安を考えるうえで大きな背景のひとつが、観光客の集中です。
年間1,200万人以上が宿泊目的で訪れるこの都市では、サグラダ・ファミリアやボケリア市場といった定番スポットに旅行者が集まるルートがほぼ固定されており、犯罪者側からすれば「ターゲットがどこにいるか予測しやすい」環境になっています。
もうひとつの特徴が、夜の時間帯の長さです。
バルセロナではレストランのディナーが21〜22時から始まるのが一般的で、観光客もその時間帯に合わせて動くことが多くなります。
クラブやバーが集まるエイシャンプレのガイエスダ地区やポルト・オリンピックでは、深夜2〜4時まで人の流れが続きます。
賑わいが長く続く一方で、Wikivoyageは夜間のランブラス通りについて「スリの活動も夜間まで続く」と記しています。
バルセロナ市はランブラス通り周辺や主要観光スポットに観光客対応の専任警察官を配置しています。
また市内には観光客が被害届を出せる多言語対応の窓口も設けられており、何かあった際の相談先として機能しています。
バルセロナの治安まとめ
バルセロナは年間1,200万人以上が訪れる観光都市である一方、観光客を狙ったスリや置き引きの被害が集中しやすい構造を持つ都市でもあります。
治安は「良い・悪い」で一括りにできるものではなく、どのエリアで、何時に、どんな行動をとるかによって状況は変わります。
注意が必要なエリアについては、ランブラス通りとゴシック地区では組織的なスリ、エル・ラヴァルでは夜間のひったくり、バルセロネータのビーチ周辺では荷物の置き引きが報告されています。
宿泊エリアについては、観光効率を重視するならエイシャンプレ、ローカルな雰囲気の中でゆっくり過ごしたいならグラシア地区、移動の拠点としての利便性を優先するならサンツ周辺が選択肢として挙げられます。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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