世界一周含めこれまで40カ国以上を旅した世界新聞編集長です。
2025年現在、海外旅行を計画している方にとって最も重要な準備の一つが「渡航先の治安状況の確認」です。
今回は最新の統計や国際報道をもとに、治安が悪化している国・地域を10カ国厳選し、各国の状況と旅行者がとるべき安全対策を解説します。
アフガニスタン
タリバン政権下で女性の人権抑圧が続き、国際的なテロリスクも高まっています。
2025年2月には首都カブールで自爆攻撃があり、多数の死傷者が出ています。
ハイチ
ギャングによる支配が首都の85%に及び、2024年は5600人以上が殺害されました。
誘拐・暴力の頻度は増す一方で、政府も対処不能な無政府状態に近づいています。
ベネズエラ
殺人率は人口10万人あたり26.8人、犯罪指数は82.1と世界最高水準です。
経済崩壊に伴う窃盗・強盗が日常化し、旅行者への被害も報告されています。
南アフリカ
ピエターマリッツバーグは2025年初頭の犯罪指数でアフリカ最悪の都市とされました。
都市部では日中でもスマホ強盗や自動車強盗が多発しています。
シリア
アサド政権による武力衝突が再燃し、2025年3月には西部地域で大規模な戦闘が確認されています。
ISの復活も懸念され、全土での渡航は極めて危険です。
イラン
国内の経済不安や社会不満を背景に、4月には全土で抗議運動が再燃しました。
当局による拘束や通信遮断もあり、旅行者も標的となる可能性があります。
パキスタン
2025年は特にカシミール地方でのテロが激化し、26人が死亡した事件が注目されました。
国境封鎖や外交問題にも発展しており、地域情勢は緊迫しています。
ナイジェリア
ボコ・ハラムの活動が活発化し、1月には村が襲撃され40人以上が犠牲に。
4月にはボルノ州で大規模誘拐も発生し、北部全域が危険とされています。
メキシコ
CJNG(ハリスコ新世代カルテル)がミチョアカン・ハリスコ・グアナフアトで暴力事件を起こし、主要道路が封鎖されました。
一部の観光地でも銃撃事件が起きており、夜間移動は避けるべきです。
ウクライナ
ロシアとの戦争が継続し、2025年4月には和平案が提示されるも進展せず。
前線では激しい戦闘が続いており、民間インフラも損壊が進行しています。
現地の治安を見極めるには「現地の声」がカギ
公式情報だけでなく、現地の人々や実際に旅をした旅行者の口コミも、非常に貴重な情報源です。
たとえば、2025年現在、メキシコ・グアナフアト州では観光客の間で「夜間の移動は絶対に避けるべき」という声が多く見られます。
また、南アフリカのケープタウンでは「市内中心部でも路地裏に入らないこと」という具体的な体験談が旅行ブログやSNSで共有されています。
こういったリアルな声は、外務省のデータには載っていない「肌感覚としての治安」をつかむのに非常に役立ちます。
旅の計画段階でSNSやブログ、YouTubeなどを活用し、現地の雰囲気をつかんでおくことも重要です。
治安が悪化している国に行くときの装備と心構え
どうしても危険とされる地域に行く必要がある場合、以下のような準備をしておきましょう。
- 貴重品はセキュリティベルトに収納し、肌身離さず持ち歩く
- クレジットカードは複数枚を分散して携帯し、一部はホテルのセーフティボックスに保管
- 宿泊先の選定も慎重に。中心部に近い大手ホテルの方が防犯体制がしっかりしています
- 夜間の外出は最小限にし、必ず信頼できる交通手段を利用すること(ホテル手配のタクシーなど)
- 旅行保険には必ず加入。万が一のトラブルに備えて、「キャッシュレス診療対応」の保険を選びましょう
編集長からの一言:安全が「旅の自由」を守る
旅は本来自由でワクワクするもの。
でもその自由は「安全」という土台の上にしか成り立ちません。
僕もこれまで40カ国以上旅をしてきて、何度か「冷や汗が止まらない」瞬間を経験しました。
でも、あらかじめ情報を調べておいたおかげで、最悪の事態には至らなかったと思います。
海外旅行初心者の方こそ、治安情報のチェックと安全対策には十分な時間をかけてください。
「知らなかった」では済まされないのが海外旅行です。
事前の準備が、旅先での安心と笑顔をつくってくれる。
それが、僕が世界を旅して辿り着いたひとつの答えです。
▶︎参考リンク:
外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
たびレジ(旅行者向け緊急連絡サービス):https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/