ローマへの旅行を前に、スリや置き引きの多さを耳にして、不安を感じている方は少なくないはずです。
テルミニ駅周辺での夜間の強盗被害や、観光スポット周辺で頻発するスリの報告を目にしていれば、「自分も被害に遭うのではないか」と感じるのは自然なことです。
この記事は、ローマの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を渡航してきた編集長の経験からも、治安は「どの場所で」「何時に」「どう行動するか」によって大きく変わります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにローマで注意が必要なエリアと具体的なリスクの中身を紹介した上で、治安目線でおすすめの宿泊エリアを旅の目的別に紹介します。
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ローマで注意が必要と言われるエリア
ローマは年間数千万人が訪れる観光都市ですが、観光客が集まる場所ほどスリや詐欺の被害が起きやすい側面があります。
外務省の海外安全情報でも具体的なエリアへの注意が呼びかけられており、事前に把握しておくことで対策が取りやすくなります。
テルミニ駅周辺(Termini / Esquilino)
テルミニ駅周辺は、スリ・置き引き・ひったくりに加え、夜間の強盗被害も報告されているエリアです。
テルミニ駅はローマ最大のターミナル駅で、空港行きの直通列車やバス路線が集中しており、ローマに到着した旅行者のほぼ全員が一度は立ち寄る場所です。
駅に隣接するエスクィリーノ地区は、安価なホテルや飲食店が多く集まるエリアでもあります。
外務省の海外安全情報では、テルミニ駅周辺でスリ・置き引き・ひったくり等の被害が多発しているとしており、夜間は強盗等の被害も報告されていると明記されています。
Lonely PlanetやWikivoyageでは、駅前広場であるピアッツァ・デイ・チンクエチェント周辺や、駅東側のエスクィリーノ市場方面への夜間の移動について注意を呼びかけています。
バスや電車の車内では、複数人が連携してターゲットを囲むグループによるスリの手口も記録されています。
荷物は体の前側で抱えるようにし、駅構内では特にリュックのファスナーに注意してください。
夜間はエスクィリーノ市場方面の路地への移動を避け、大通りや人通りの多いルートを選ぶことをおすすめします。
コロッセオ/フォロ・ロマーノ周辺(Colosseo / Foro Romano)
コロッセオ周辺は、詐欺や悪質な押し売りによる被害が起きやすいエリアです。
コロッセオはローマを代表する観光地で、フォロ・ロマーノと隣接しており、1日を通じて観光客が絶えません。
入場待機列が長く伸びる時間帯には、その列を狙った業者や詐欺師が周辺に集まりやすくなります。
外務省の海外安全情報では、コロッセオ周辺でスリ・置き引き・ひったくりの被害が多発しているとしており、偽警官や詐欺師による被害にも注意するよう呼びかけています。
WikivoyageやLonely Planetでは、剣闘士の衣装を着た人物との写真撮影を求められた後に高額なチップを請求される手口が具体的に記録されています。
Time Outも、偽のツアーガイドや悪質なトゥクトゥク業者による勧誘を「ローマで最も根強いトラブルのひとつ」として取り上げています。
コスプレ姿の人物から写真撮影を求められた場合は応じないようにしてください。
入場チケットは公式サイトで事前購入しておくと、長い待機列に並ぶ状況を避けられるため、こうした行動が被害を遠ざけることにつながります。
バチカン/サン・ピエトロ広場周辺(Vaticano / San Pietro)
バチカン周辺は、署名活動や物乞いを装って近づいてくる「注意そらし型」の窃盗が起きやすいエリアです。
サン・ピエトロ大聖堂やバチカン美術館はローマ随一の人気観光地で、長い入場待機列ができることで知られています。
その列や周辺の広場が、特定の手口を使う窃盗グループの活動場所になりやすい環境を作っています。
外務省の海外安全情報では、バチカン周辺でスリ・置き引き・ひったくりの被害が多発しているとしており、在イタリア日本国大使館も、署名活動や物乞いを装って近づき、注意をそらした隙に窃盗を行う手口の被害が報告されているとしています。
WikivoyageやFodor’s Travelでは、請願書への署名を求めて近づいてくる「署名詐欺」、子どもを使って気をそらす手口、地図を広げて近づいてくる手口が具体的に記録されています。
バチカン美術館とサン・ピエトロ大聖堂の入場待機列、および40番バスの車内が特にリスクが高いとされています。
見知らぬ人物から署名を求められた場合や、子どもに取り囲まれた場合は、すぐにその場を離れるようにしてください。
入場待機列では貴重品をポケットに入れず、施錠できるポーチやボディバッグに収めるといった点を意識しておくとよいでしょう。
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ローマで治安目線でおすすめの宿泊エリア
ローマでの宿泊エリア選びは、観光の快適さや滞在の満足度に直結します。
「主要観光スポットに近い場所がいいのか、それとも落ち着いた雰囲気の中でゆっくり過ごしたいのか」——旅のスタイルによって、最適なエリアは異なります。
ここでは目的別に3つのエリアを紹介します。
【観光重視】ナヴォーナ広場/パンテオン周辺(Centro Storico)
おすすめする理由
ナヴォーナ広場/パンテオン周辺は、ローマの主要観光スポットをできるだけ多く徒歩で回りたい人におすすめのエリアです。
パンテオンとナヴォーナ広場はエリア内に位置しており、トレヴィの泉まで徒歩約10〜15分(Lonely Planet)、バチカンまで徒歩約20〜25分(Wikivoyage)でアクセスできます。
石畳の路地が続く旧市街の中心部で、中世から続く建物の中にブティックホテルや4〜5つ星ホテルが点在しています。
歴史的建造物を改装した小規模な宿泊施設が多く、Fodor’s Travelは「ローマで最もロマンティックな宿泊エリアのひとつ」と表現しています。
他エリアと比べて宿泊費は高めになる傾向があります。
夜の雰囲気
夕方になるとナヴォーナ広場の周囲のカフェやレストランのテラス席が埋まりはじめ、観光客と地元客が入り混じる夜の風景が広がります。
カンポ・デ・フィオーリ周辺にはバーや飲食店が集まっており、深夜近くまで人通りが途絶えません。
Time Outは「夜の外食を楽しむうえで外れの少ないエリア」と紹介しており、夕食後にそのまま周辺を散策するという旅行者の行動パターンが定着しています。
【落ち着いた滞在】トラステヴェレ(Trastevere)
おすすめする理由
トラステヴェレは、観光地の混雑や割高感を避けながら、ローマの生活感が残る街並みの中でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
テヴェレ川の西岸に位置し、中世の面影が残る石畳の路地に地元向けの食堂や独立系のショップが並んでいます。
Lonely Planetは「ローマで最も個性的な宿泊エリアのひとつ」と紹介しており、Fodor’s Travelは「旧市街中心部とは異なる、生活感のある街並みが残るエリア」と表現しています。
バチカンまで徒歩約20〜25分(Lonely Planet)でアクセスでき、テルミニ駅やコロッセオ周辺へはバスまたはタクシーで行き来できます。
大型チェーンホテルはほとんどなく、小規模なブティックホテルやB&B、アパートメントタイプの宿泊施設が中心です(Lonely Planet)。
夜の雰囲気
夕方になるとトラステヴェレの路地に面したレストランやワインバーに明かりが灯りはじめ、テラス席が地元客と旅行者で埋まっていきます。
Time Outは「ローマで夜の食事と散策を楽しむベストエリアのひとつ」として紹介しており、夕食を中心に夜の時間を過ごす旅行者が多く集まります。
深夜になると路地の喧騒は落ち着き、静かな時間帯へと移行します。
【交通アクセス重視】レプッブリカ広場/テルミニ駅北西周辺(Repubblica / Nord-Ovest Termini)
おすすめする理由
レプッブリカ広場周辺は、他都市との移動が多い旅行者や、フライトの時間に合わせて早朝・深夜の移動を想定している人におすすめのエリアです。
テルミニ駅(ローマ・テルミニ駅)まで徒歩数分の距離にあり、フィウミチーノ空港(レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港)へはテルミニ駅発のレオナルド・エクスプレス(直通列車)で約30分(Wikivoyage)でアクセスできます。
フィレンツェやミラノ、ナポリへの高速鉄道もテルミニ駅から発着しており、ローマを複数都市周遊の拠点として使う旅行者にとって移動の起点として機能します。
地下鉄A線・B線や多数のバス路線へのアクセスも確保しやすく、Fodor’s Travelは「交通の利便性という点でローマ随一のロケーション」と表現しています。
宿泊施設は3〜4つ星の中規模シティホテルやビジネスホテルが中心で、Lonely Planetは「幅広い価格帯のホテルが集中しており、コストパフォーマンスを重視する旅行者に選ばれやすいエリア」と記述しています。
夜の雰囲気
レプッブリカ広場に面した大通り沿いは、夜になると昼間の喧騒が落ち着き、比較的静かな環境になります。
飲食店やバーの選択肢はナヴォーナ広場周辺やトラステヴェレと比べると少なく、夜の時間を街歩きや外食で過ごすよりも、移動の疲れを宿でとるスタイルに向いているエリアです。
テルミニ駅構内や駅前広場のピアッツァ・デイ・チンクエチェントは夜間の荷物管理に注意が必要なため、ホテルへの帰宅時はできるだけ駅前広場への不要な滞留を避け、大通りを通るルートを選ぶことをおすすめします。
ローマの治安概要
ローマはイタリアの首都であり、年間2,000万人以上が訪れる世界有数の観光都市です。
外務省はイタリア全体の治安を「比較的良好」と評価しつつも、観光客を狙った犯罪への注意を呼びかけています。
どのエリアで何に気をつけるべきかを事前に把握しておくことが、トラブルを避ける上で重要です。
ローマに対する公的情報のアナウンス
外務省の海外安全情報では、イタリア全土に危険情報レベル1(十分注意)が出されています。
ローマ市内については、スリ・置き引き・ひったくりといった軽犯罪が多発していると明記されており、偽警官や詐欺師による被害にも注意するよう呼びかけています。
在イタリア日本国大使館も、地下鉄や路線バスなど混雑した公共交通機関の車内でのスリについて、具体的な注意を促しています。
日本人旅行者の被害として報告が多いのは、パスポートや現金・カード類の入ったバッグの置き引き・ひったくりです。
ローマの治安の特徴
ローマの治安を考える上で大きな要因のひとつが、観光スポットへの人の集中です。
コロッセオ・バチカン・トレヴィの泉・スペイン広場といった主要観光地が市内中心部の半径数km以内に密集しており、なかには1日数万人が訪れるスポットもあります。
こうした混雑した環境は、スリや詐欺師が動きやすい条件を作り出しています。
交通面では、地下鉄がA線・B線・C線の3路線のみで路線網が限られており、バスへの依存度が高い構造です。
Wikivoyageは、バチカンとスペイン広場・テルミニ駅を結ぶ地下鉄A線を、スリ被害が起きやすい路線として挙げています。
夜間については、トラステヴェレ地区やナヴォーナ広場周辺に旅行者が集まる一方、帰宅ルートとして多くの人が通過するテルミニ駅周辺では、夜間の滞留を避けるようLonely PlanetやWikivoyageが注意を促しています。
ローマ市警察やイタリア国家警察による観光地周辺のパトロールは実施されていますが、Wikivoyageは違法な物売り業者への対応について「効果は限定的で、業者はすぐに戻ってくる」と記述しており、公的な取り締まりだけに頼れる状況ではありません。
ローマの治安まとめ
ローマは年間2,000万人以上が訪れる観光都市であり、外務省はイタリア全体の治安を「比較的良好」と評価しつつも、観光客を狙ったスリや詐欺への注意を呼びかけています。
治安は都市全体で一律に語れるものではなく、どのエリアで、何時に、どう動くかによって変わります。
テルミニ駅周辺・コロッセオ周辺・バチカン周辺ではそれぞれ異なる種類のリスクが報告されており、場所ごとの傾向を把握しておくことが現地での行動につながります。
宿泊エリアについては、観光スポットへの近さを優先するならナヴォーナ広場/パンテオン周辺、ローカルな雰囲気の中でゆっくり過ごしたいならトラステヴェレ、移動効率を重視するならレプッブリカ広場周辺がそれぞれの選択肢になります。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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