フィラデルフィアへの旅行を前に、宿泊エリアをどこにすべきか迷っている方は少なくありません。
ケンジントン地区での路上での薬物使用や生活困窮者の集中に関する報道を目にしていれば、街全体に対して不安を感じるのは自然なことです。
この記事は、フィラデルフィアの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を渡航してきた編集長の経験からも、治安は「場所・時間帯・行動」の組み合わせで考えることが実際の旅では役に立ちます。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにフィラデルフィアで注意が必要なエリアを紹介し、治安目線でおすすめの宿泊エリアを旅の目的別に紹介します。
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フィラデルフィアで注意が必要と言われるエリア

フィラデルフィアは観光地が集中するセンターシティを中心に旅行者が動くことが多い街ですが、エリアによって状況は大きく異なります。
事前にどのエリアで何に気をつけるべきかを把握しておくと、現地での行動の参考になります。
ケンジントン(Kensington)
ケンジントンは、フェンタニルをはじめとする薬物問題が深刻なエリアとして、観光目的での立ち入りを避けるべき場所です。
センターシティから北東方向に位置し、地下鉄マーケット・フランクフォード・ラインの終端方向にあたります。
フィラデルフィア市は、ケンジントン・アベニュー周辺を薬物の集中地帯として公式に名指しし、2023〜2024年にかけて「オペレーション・クリーン・スレート」と呼ばれる大規模な取締りとエリア閉鎖措置を実施しました。
Wikivoyageも観光客は完全に避けるべきエリアとして明記しており、観光目的で訪れる理由がない場所と説明しています。
地下鉄で北東方向に乗り過ごした場合や、路線を間違えた場合に意図せず近づくことがあります。
乗車前に目的地と路線を確認し、車内のアナウンスや停車駅の案内板に注意しておくことをおすすめします。
オールドシティ/サウスストリート周辺(Old City / South Street)
オールドシティとサウスストリート周辺は、週末の深夜帯にスリや置き引き、酔客によるトラブルが起きやすいエリアです。
独立記念館やエルフレス小路など主要な観光スポットを抱えるオールドシティと、飲食店やライブハウスが並ぶサウスストリートは、昼間は多くの観光客が行き交う場所です。
一方でWikivoyageは、週末の深夜帯はバーやクラブに集まる人々が増え、軽犯罪や口論からの暴行トラブルが発生しやすくなると指摘しています。
外務省の海外安全情報でも、繁華街における夜間の一人歩きや、スリ・ひったくりへの注意が呼びかけられています。
深夜帯に外出する場合は、複数人での行動を心がけ、スマートフォンやバッグを人目につく形で持ち歩かないといった点を意識しておくとよいでしょう。
ノースフィラデルフィア(North Philadelphia)
ノースフィラデルフィアは、銃器を使った犯罪や強盗の発生件数が市内でも高い地区として、観光客が立ち入るべきではないエリアです。
センターシティの北側に広がるエリアで、テンプル大学の周辺を除くと観光スポットはほとんどありません。
フィラデルフィア市警察が公開している犯罪統計データ(Crime Maps & Stats)では、ノースフィラデルフィアを管轄する複数の警察管区が、市内で銃撃事件や強盗の件数が多い地区として確認できます。
外務省の海外安全情報でも、大都市の特定地区では銃器を使用した強盗や暴行が発生していると記載されており、この地区の状況と重なります。
Fodor’s TravelやWikivoyageも、北部エリアへの移動は観光推奨ルートの範囲外として扱っています。
地下鉄やバスで移動する際は、目的地の路線と方向を事前に確認し、推奨される観光エリア内で行動することが、こうした被害を遠ざけることにつながります。
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フィラデルフィアで治安目線でおすすめの宿泊エリア

観光スポットをできるだけ歩いて回りたいか、落ち着いた雰囲気の中でゆっくり過ごしたいか、それとも他都市への移動を最優先にしたいか。
宿泊エリアを選ぶ際の優先順位によって、フィラデルフィアでの滞在の快適さは変わってきます。
目的別に3つのエリアを紹介します。
【観光重視】オールドシティ(Old City)
おすすめする理由
オールドシティは、主要観光スポットをできるだけ歩いて回りたい人におすすめのエリアです。
センターシティの東端、デラウェア川に面した一帯で、独立記念館やリバティ・ベル、エルフレス小路といったフィラデルフィアを代表する観光スポットが徒歩圏内に集まっています。
観光の出発点として使いやすく、朝早い時間から動きたい旅行者にとっては宿泊地と観光地が近い点が利点です。
リーディング・ターミナル・マーケットへは徒歩15〜20分ほどで、フィラデルフィア美術館へは地下鉄やタクシー・ライドシェアを使う距離感です(Wikivoyage)。
ブティックホテルや中〜高級ホテルが中心で、歴史的な建物を活用した宿泊施設も点在しています。
立地の良さを反映して宿泊費はやや高めになる傾向があります。
夜の雰囲気
日中は観光客で賑わうオールドシティも、夕方以降は観光施設が閉まるにつれて通りの人通りが落ち着いてきます。
バーやレストランは一定数あり、夜も食事や軽く飲む場所には困りません。
ただしサウスストリートのようなナイトライフ集積地ではないため、週末の深夜帯になると通りに人の姿が少なくなる時間帯があります。
夜にエリア外へ出る場合は、タクシーやライドシェアを使うのが現実的な移動手段です。
【落ち着いた滞在】リテンハウス・スクエア周辺(Rittenhouse Square)
おすすめする理由
リテンハウス・スクエア周辺は、観光地の混雑を避けながら、ローカルな雰囲気の中でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
センターシティの西側に広がるエリアで、中心には緑に囲まれた広場があり、地元住民が朝のジョギングや週末のランチに日常的に使う落ち着いた空間が続きます。
広場の周辺にはカフェ・レストラン・ブティックが並び、観光地然とした雰囲気とは異なる、生活感のある街歩きができます。
センターシティ中心部のリーディング・ターミナル・マーケットへは徒歩15〜20分、フィラデルフィア美術館へは徒歩20〜25分の距離です(Wikivoyage)。
中〜高級ホテルを中心に、ブティックホテルから大手チェーンホテルまで選択肢があり、オールドシティと比較して宿泊費が抑えられる場合もあります。
夜の雰囲気
日が暮れても広場周辺のレストランやバーには地元の人々が集まり、週末の夜も落ち着いた賑わいが続きます。
深夜になっても騒然とした雰囲気になりにくいエリアで、Lonely PlanetやTime Outもフィラデルフィアの中で雰囲気が安定しているエリアとして紹介しています。
夜遅くに広場を通る場合、人通りが少なくなる時間帯には注意が必要ですが、ホテルへの帰路はタクシーやライドシェアを活用する旅行者が多いです。
【交通アクセス重視】センターシティ西部/30丁目駅周辺(Center City West / 30th Street Station Area)
おすすめする理由
センターシティ西部は、他都市への移動を最優先にしたい人におすすめのエリアです。
このエリアの中心に位置するサーティース・ストリート駅は、アムトラックが発着するフィラデルフィアの主要鉄道駅で、ニューヨークへは約1時間〜1時間15分、ワシントンD.C.へは約1時間30分〜2時間でアクセスできます(Wikivoyage・Lonely Planet)。
南東ペンシルベニア交通局のエアポートラインも乗り入れており、フィラデルフィア国際空港へは約25〜30分です(Wikivoyage・Lonely Planet)。
フィラデルフィア美術館へは徒歩10〜15分の距離で、センターシティ中心部へは地下鉄で5〜10分ほどアクセスできます(Wikivoyage)。
大手チェーンホテルを中心に、ビジネス・乗り換え利用を想定した実用的な宿泊施設が集まっており、価格帯は中級から高級まで幅広く選べます。
夜の雰囲気
サーティース・ストリート駅周辺はビジネス・交通拠点としての性格が強く、ナイトライフ的な賑わいはほとんどありません。
夜間は昼間と比べて人通りが減りますが、ホテルが集積するエリアであるため一定の往来はあります。
駅周辺には路上生活者が滞在することがあり、Wikivoyageも周辺での一般的な注意として触れています。
夜間に観光エリアへ出かけた後の帰路は、タクシーやライドシェアを使うのが現実的な移動手段です。
フィラデルフィアの治安概要

フィラデルフィアはアメリカ東海岸の主要都市のひとつで、独立記念館やフィラデルフィア美術館といった観光スポットを目当てに多くの旅行者が訪れます。
観光エリアは比較的まとまっていますが、エリアによって状況の差が大きく、事前に傾向を把握しておくことが現地での行動に役立ちます。
フィラデルフィアに対する公的情報のアナウンス
外務省はアメリカ合衆国全土に対して危険レベル1「十分注意してください」を出しています。
フィラデルフィアを名指しした個別の警告はなく、アメリカの大都市全般に向けた注意として、銃器犯罪・強盗・スリ・ひったくり・薬物関連犯罪への警戒と、夜間の単独行動を避けることが呼びかけられています。
管轄する在ニューヨーク日本国総領事館も、フィラデルフィアを個別に取り上げた記述は出していません。
公共交通機関を使う際のスリや置き引き、深夜帯のバーやクラブが集まるエリアでの金品窃取・暴行被害については、管轄エリア全体への注意事項として案内されています。
フィラデルフィアの治安の特徴
フィラデルフィアはペンシルベニア州最大の都市で、人口は市域だけで約150万人を数えます。
ニューヨークとワシントンD.C.のほぼ中間に位置することから、東海岸を周遊する旅行者が1〜2泊する経由地として立ち寄るパターンが多い都市です。
旅行者の行動範囲は、独立記念館のあるオールドシティからリーディング・ターミナル・マーケット、フィラデルフィア美術館が並ぶベンジャミン・フランクリン・パークウェイ沿いまでのセンターシティ周辺に集中しており、観光目的であれば動く範囲は比較的コンパクトに収まります。
一方で、センターシティを外れると地区ごとの状況の差が大きく、特に北部・北東部は旅行者向けの観光スポットがほとんどない地区が広がっています。
夜間はサウスストリート周辺にバーや飲食店が集中し、週末を中心に深夜まで人が集まります。
Wikivoyageは深夜帯の公共交通機関の利用には注意が必要と記載しており、夜間移動にはタクシーやライドシェアサービスの利用を案内しています。
フィラデルフィアの治安まとめ
フィラデルフィアは観光スポットがセンターシティ周辺にまとまっている一方、エリアによって状況の差が大きい都市です。
治安は「良い・悪い」で語れるものではなく、どのエリアで、何時に、どう行動するかによって変わってきます。
この記事では、ケンジントンやノースフィラデルフィアなど注意が必要なエリアの特徴を公的情報をもとに整理し、オールドシティ・リテンハウス・スクエア周辺・センターシティ西部の3エリアについて、旅の目的別に宿泊先の選び方を紹介しました。
特定のエリアを避け、夜間の移動手段を意識することは、フィラデルフィアに限らず大都市を旅する上での基本的な考え方です。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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