パリ北駅の周辺に泊まろうと考えたとき、「本当に大丈夫だろうか」と不安になる方は少なくありません。
駅周辺での置き引きやスリの多発、駅北側エリアでの路上生活者の集中や薬物関連の問題に関する報道を目にしていれば、宿泊エリアを慎重に選びたいと感じるのは自然なことです。
この記事は、パリ北駅の治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を渡航してきた経験から言えるのは、治安は「場所・時間帯・自分の行動」の組み合わせで考えるものだということです。
「危ない」でも「安全」でもなく、どこで・いつ・どう動くかが鍵になります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにパリ北駅で注意が必要なエリアを具体的に紹介するとともに、治安目線でおすすめの宿泊エリアを観光重視・落ち着いた滞在・交通アクセス重視の3つの目的別にまとめています。
🏨パリ北駅のおすすめホテルエリア🏨
パリ北駅で注意が必要と言われるエリア
パリ北駅の周辺には、旅行者が意識しておくべきエリアがいくつかあります。
外務省の海外安全情報でも名前が挙がっているエリアを中心に、どのような点に注意が必要かをまとめました。
バルベス=ロシュシュアール周辺(Barbès-Rochechouart)
バルベス=ロシュシュアール周辺は、スリやひったくりに注意が必要なエリアです。
パリ北駅からメトロで2駅ほどの距離にあり、北アフリカ系の食材や衣料品を扱う露店が並ぶ市場が立ち並ぶ商業エリアです。
外務省の海外安全情報では、このエリアが名指しで言及されており、スリやひったくり、置き引きの被害が多発していると記載されています。
Wikivoyageも、駅周辺や市場付近でスリが頻繁に発生すると記述しており、混雑した場所での荷物の管理に注意を促しています。
昼間でも人混みの中でバッグを開けっ放しにしない、リュックは前に抱える、といった点を意識しておくとよいでしょう。
パリ北駅構内/駅前広場(Gare du Nord)
パリ北駅の構内と駅前広場は、置き引きや組織的なスリ、接触型の詐欺に注意が必要なエリアです。
ユーロスターやタリスの発着駅として多くの旅行者が行き交う場所であり、大きな荷物を持って移動する旅行者が集中します。
在フランス日本国大使館の安全情報では、パリ北駅でスリや置き引きの被害が日本人旅行者から継続的に報告されていると記載されています。
Fodor’s Travelはこの駅をヨーロッパ屈指の盗難多発ターミナルと表現しており、ホームから改札へ移動する間や駅前のタクシー乗り場周辺での被害が報告されています。
Time Out Parisは、警察官を装って話しかけてくる接触詐欺の手口にも言及しています。
荷物は必ず体の前側で持ち、見知らぬ人から書類やアンケートへの記入を求められても応じないことをおすすめします。
ラ・シャペル/スタリングラード周辺(La Chapelle / Stalingrad)
ラ・シャペル周辺からスタリングラード広場にかけては、夜間の路上犯罪やハラスメントに注意が必要なエリアです。
パリ北駅から徒歩10〜15分ほどの範囲に位置しており、宿泊先を検索すると、このエリアに格安のホテルがヒットすることがあります。
外務省の海外安全情報では、パリ18区・19区北部において麻薬売買や路上犯罪が問題となっているエリアがあるとして、夜間の単独行動を避けるよう注意を呼びかけています。
フランス内務省の犯罪統計でも、18区・19区はパリ市内で暴力犯罪や薬物関連犯罪の件数が高い区として示されています。
Wikivoyageは、ラ・シャペル地区について夜間の薬物売買や路上でのハラスメントが発生しやすいと記述しており、スタリングラード広場についても日没後は避けることを促しています。
価格の安さを理由にこのエリアの宿泊先を検討している場合は、夜間に駅や宿泊先と観光地を行き来する経路を事前に確認した上で、判断することが、こうした状況を避けることにつながります。
🏨パリ北駅のおすすめホテルエリア🏨
パリ北駅で治安目線でおすすめの宿泊エリア
パリ北駅の周辺に泊まるか、別のエリアに移るかで迷っている方も多いのではないでしょうか。
観光を中心に動きたいか、落ち着いた滞在を優先したいか、それとも移動効率を最重視するかによって、選ぶべきエリアは変わってきます。
目的別に3つのエリアを紹介します。
【観光重視】マレ地区(Le Marais)
おすすめする理由
マレ地区は、主要な観光スポットを徒歩や短い移動で回りたい人におすすめのエリアです。
パリ3区・4区に広がるこのエリアは、石畳の路地にカフェやギャラリーが並ぶ雰囲気があり、Lonely Planet・Fodor’s Travel・Time Out Parisいずれも初めてパリを訪れる旅行者への宿泊エリアとして筆頭に挙げています。
ポンピドゥー・センターは徒歩圏内にあり、ノートルダム大聖堂まで徒歩約15分とFodor’s Travelが記述しています。
バスティーユ広場もWikivoyageによれば徒歩圏内です。
パリ北駅へはメトロ5号線で約15〜20分(Wikivoyage)で戻ることができます。
ホテルは中〜高価格帯のブティックホテルが中心で、古い建物を改装した小規模なものが多く、大型チェーンホテルは少ない傾向があります。
Fodor’s Travelは「パリらしい滞在体験を求める旅行者に向いている」と紹介しています。
観光シーズン中はホテル価格が高くなりやすい点は念頭に置いておくとよいでしょう。
夜の雰囲気
夜になってもマレ地区の通りは人通りが続きます。
Time Out Parisはレストランやバーが夜間も賑わうエリアとして紹介しており、ヴォージュ広場やサン=ルイ島方面は夜になると落ち着いた雰囲気になると記述しています。
週末の夜はバー周辺が混雑することがありますが、Bソースに治安上の問題としての記述は見当たりません。
【落ち着いた滞在】サン=ジェルマン=デ=プレ(Saint-Germain-des-Prés)
おすすめする理由
サン=ジェルマン=デ=プレは、観光地の混雑や割高感を避けながら、パリの日常に近い雰囲気でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
パリ6区に位置し、カフェ・書店・ギャラリーが集まる文化的なエリアです。
Lonely Planetは「観光地の喧騒から距離を置きつつ、パリの日常に近い雰囲気を味わいたい旅行者に向いている」と紹介しており、Time Out Parisも「ローカルな雰囲気と洗練さが共存するエリア」として推薦しています。
オルセー美術館まで徒歩約10分(Fodor’s Travel)、リュクサンブール公園は徒歩圏内(Lonely Planet)、ノートルダム大聖堂まで徒歩約15〜20分(Wikivoyage)とアクセスしやすい立地です。
パリ北駅へはメトロ4号線でシャトレ乗り換え、約20〜25分(Wikivoyage)です。
ホテルは中〜高価格帯が中心で、歴史ある建物を活かした小〜中規模のホテルのほか、長期滞在向けのアパートメントホテルも点在しています。
夜の雰囲気
夜になると昼間より人通りは落ち着き、カフェやビストロでゆっくり食事をする旅行者の姿が目立ちます。
Lonely Planetは夜間の静けさとカフェの賑わいが共存するエリアとして紹介しており、Time Out Parisも夜間は落ち着いた雰囲気が続くと記述しています。
Wikivoyageをはじめ、参照した旅行ガイドに夜間の治安についての注意記述は見当たりません。
【交通アクセス重視】オペラ地区(Opéra / 9区)
おすすめする理由
オペラ地区は、パリ北駅への近さと空港・他都市へのアクセスを最優先にしたい人におすすめのエリアです。
パリ9区に位置し、メトロの複数路線・バスが交差しており、パリ北駅へはメトロで約5〜10分(Wikivoyage)とパリ市内で最も北駅に近い主要宿泊エリアのひとつです。
シャルル・ド・ゴール空港へ向かうRER(レジョナル・エクスプレス・レゾー、パリ広域急行鉄道)B線への乗り換えも容易で、Wikivoyageによれば空港まで約35〜40分です。
ガルニエ宮(パリ・オペラ座)は徒歩圏内(Lonely Planet)にあり、ルーヴル美術館へもメトロで約10分(Fodor’s Travel)です。
Fodor’s Travelは「空港や他都市への移動を頻繁に行う旅行者に向いた宿泊エリア」として推薦しており、Lonely Planetも「立地と価格のバランスが取りやすいエリア」と紹介しています。
ホテルは価格帯の幅が広く、エコノミーから高価格帯まで揃っています。ビジネスホテルや中規模のチェーンホテルが多い傾向があります。
観光シーズン中は予約が埋まりやすいため、早めの手配をFodor’s Travelは促しています。
夜の雰囲気
オスマン大通り沿いは夜間もライトアップが続き、ギャラリー・ラファイエットやプランタンといった百貨店の外観が明るい雰囲気をつくっています。
Wikivoyageはオペラ駅周辺・オスマン大通り沿いについて夜間も人通りが途切れにくいエリアと記述しており、参照した旅行ガイドに夜間の治安についての特段の注意記述は見当たりません。
なお、9区の北寄りにあたるピガール方面はオペラ駅周辺とは雰囲気が異なるエリアであることをWikivoyageが示唆しており、宿泊先を選ぶ際はオペラ駅・オスマン大通り周辺であることを確認しておくことをおすすめします。
パリ北駅の治安概要
パリ北駅は、ロンドンやブリュッセルからの国際列車が発着するヨーロッパ有数のターミナル駅であり、年間約1億8,000万人が利用します。
多くの旅行者が荷物を抱えて行き交う環境であるため、到着直後から注意が必要な場面が生じやすい駅です。
パリ北駅に対する公的機関のアナウンス
外務省はフランスに対して危険情報レベル1(十分注意してください)を発令しており、スリ・置き引き・ひったくりといった窃盗犯罪が多発していると注意を呼びかけています。
在フランス日本国大使館の安全情報でも、日本人旅行者の被害の大半は窃盗犯罪であり、暴力犯罪の被害は相対的に少ないとしています。
同大使館はパリ北駅を個別に取り上げており、荷物の多い移動シーンでの被害を特に注意するよう促しています。
パリ北駅の治安の特徴
パリ北駅の治安を考える上でひとつの背景となるのが、駅の規模と構造です。
国内外の鉄道・メトロ・バスが集中するターミナルであるため、旅行者・通勤客・国際列車の利用者が常に混在しており、大きな荷物を持った旅行者が目立ちやすい環境が続いています。
駅の北側に広がる18区・19区方向は、再開発が進む一方で、路上生活者の集中や薬物関連の問題が報告されているエリアが駅に隣接しています。
Fodor’s Travelはパリ北駅をヨーロッパ屈指の盗難多発ターミナルと表現しており、こうした環境が駅全体の雰囲気に影響しています。
一方で、パリ警視庁は駅構内に警察の詰め所を常設しており、2024年のパリオリンピックに向けた治安強化として北駅周辺を含む主要交通拠点での警察官の増員・巡回強化がフランス内務省によって実施されました。
ただし、オリンピック閉幕後もこの体制が継続されているかどうかについては、現時点で公式な発表はありません。
パリ北駅の治安まとめ
パリ北駅は年間1億8,000万人以上が利用するヨーロッパ最大規模のターミナルであり、荷物を持った旅行者が常に行き交う環境が続いています。
治安は「良い・悪い」で測るものではなく、どのエリアで・どの時間帯に・どう行動するかによって、リスクの度合いは変わってきます。
注意が必要なエリアとしては、外務省が名指しで言及しているバルベス=ロシュシュアール周辺、スリや置き引き・接触詐欺が報告されている駅構内と駅前広場、夜間の路上犯罪が懸念されるラ・シャペルからスタリングラード広場にかけてのエリアを取り上げました。
宿泊エリアについては、観光スポットへのアクセスを重視するならマレ地区、落ち着いた雰囲気を求めるならサン=ジェルマン=デ=プレ、移動効率を優先するならオペラ地区が選択肢になります。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
🏨パリ北駅のおすすめホテルエリア🏨
パリ北駅のおすすめホテルが知りたい方は「パリ北駅のおすすめホテル3選」へどうぞ。


