パリでのスリや置き引き被害に関する報道を目にしていれば、初めての滞在で夜道を歩いて帰れるか、選んだ宿のエリアは大丈夫かと不安になるのは自然なことです。
この記事は、パリ14区の治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を渡航してきた編集長の経験から言えることは、治安は「場所」「時間帯」「自分の行動」の組み合わせで変わるということです。
同じ区内でも、昼間の観光スポット前と深夜の人通りの少ない路上では、状況はまったく異なります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにパリ14区で注意が必要なエリアを紹介するとともに、観光・落ち着いた滞在・交通アクセスという3つの目的別に、治安目線でおすすめの宿泊エリアを紹介します。
🏨パリ14区のおすすめホテルエリア🏨
パリ14区で注意が必要と言われるエリア
パリ14区は全体として落ち着いた住宅街が広がるエリアですが、観光客が集まる場所や区の南端では、エリアごとに異なる注意が必要です。
宿泊先を選ぶ前に、自分が実際に歩くことになる場所でどのようなリスクがあるかを把握しておきましょう。
モンパルナス駅周辺(Gare Montparnasse)
モンパルナス駅周辺は、スリや置き引きに注意が必要なエリアです。
モンパルナス駅はパリ南部の主要ターミナルで、TGVや近郊線が集まる交通の中心地です。
14区に宿泊する旅行者の多くが到着・出発時に通る場所であり、大型スーツケースを引いた旅行者が常に行き交っています。
在フランス日本国大使館の安全情報では、駅構内や駅周辺でスリ・ひったくり・置き引きの被害が多発していると注意を呼びかけています。
荷物から目を離した隙を狙う手口のほか、子どもや若者のグループが署名を求めるふりをして近づき、財布やスマートフォンを抜き取るケースも報告されています。
Wikivoyageも、混雑を利用したスリへの注意を促しており、深夜帯は駅前広場の人通りが少なくなるとも記しています。
到着直後や出発前は特に荷物の管理を意識し、見知らぬ人から署名や募金を求められた際はすぐに応じず距離を置くことをおすすめします。
カタコンブ周辺/ダンフェール=ロシュロー広場(Les Catacombes / Place Denfert-Rochereau)
カタコンブ周辺とダンフェール=ロシュロー広場は、観光施設の入口や行列待ちの列でのスマートフォンひったくりや置き引きに注意が必要なエリアです。
カタコンブはパリ有数の人気観光スポットで、開場前から長蛇の列ができることで知られています。
Fodor’s Travelは、カタコンブへの入場待ちの列が長く混雑することに触れており、Wikivoyageはダンフェール=ロシュロー広場について観光客が集中するためスマートフォンのひったくりに注意するよう記しています。
在フランス日本国大使館の安全情報でも、観光施設の入口付近や行列に並んでいる間に財布やスマートフォンを抜き取られる被害が報告されており、施設の開場直前の混雑する時間帯に集中する傾向があるとされています。
屋外で長時間列に並ぶ際は、バッグを体の前側に抱えるように持ち、スマートフォンをポケットや外ポケットに入れたままにしないといった点を意識しておくとよいでしょう。
ポルト・ドルレアン周辺(Porte d’Orléans)
ポルト・ドルレアン周辺は、夜間の路上でのトラブルに注意が必要なエリアです。
14区の最南端に位置し、パリ市とバニューなどの郊外との境界に近いエリアです。
Wikivoyageは、14区南端について中心部と比べて夜間の雰囲気が変わると記しており、旅行者には14区北部から中部への宿泊を推奨しています。
在フランス日本国大使館の安全情報では、パリ市内において夜間、特に22時以降の人通りの少ない路上で、声かけやつきまとい、強引な物売りによる被害が報告されていると記載されています。
また、パリ郊外との境界に近いエリアでは深夜帯に若者グループによるトラブルが生じることがあるとも注意を呼びかけています。
このエリアに宿泊する場合や夜間に通ることがある場合は、遅い時間の単独での徒歩移動を避け、人通りの多い通りを選んで歩くか、タクシーやライドシェアの利用を検討するこうした行動が、被害を遠ざけることにつながります。
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パリ14区で治安目線でおすすめの宿泊エリア
パリ14区での宿泊を検討しているとき、「どのエリアに泊まるか」は観光のしやすさだけでなく、夜の帰り道の安心感にも直結します。
ここでは、旅のスタイルに合わせて3つのエリアを紹介します。
【観光重視】ダンフェール=ロシュロー周辺(Place Denfert-Rochereau)
おすすめする理由
ダンフェール=ロシュロー周辺は、14区の観光スポットを徒歩で回りたい人におすすめのエリアです。
14区中部に位置し、カタコンブやモンパルナス墓地へ徒歩圏内でアクセスできます(パリ観光公社公式サイト、Wikivoyage記載)。
RER B線のダンフェール=ロシュロー駅からシャルル・ド・ゴール空港まで約35〜45分でアクセスできるため(Lonely Planet記載)、到着日・出発日の移動もスムーズです。
地下鉄4号線・6号線を使えばモンパルナス駅にも短時間で出られるため、14区の観光を軸にしながらパリ市内の他エリアへも移動しやすい立地です。
宿泊施設は小規模なブティックホテルやアパルトマンタイプが中心で、大型チェーンホテルの多いモンパルナス駅周辺と比べると落ち着いた雰囲気の選択肢が揃っています。
夜の雰囲気
夕方以降、カタコンブ周辺の観光客の姿は減り、近隣のカフェや飲食店に地元の人と旅行者が混ざり合う時間帯になります。
Wikivoyageはダンフェール=ロシュロー広場周辺について「夜間も適度に人通りがある」と評価しており、食後に地下鉄やタクシーで移動して宿に戻る旅行者が多いパターンです。
深夜帯は繁華街のような賑わいはなく、人通りは落ち着いた水準になります。
【落ち着いた滞在】アレジア周辺(Alésia)
おすすめする理由
アレジア周辺は、観光地エリアの混雑を避けてパリの日常的な雰囲気の中でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
14区の中南部に位置し、地元住民が日常的に利用するアレジア通り沿いに商店・カフェ・市場が並んでいます。
Lonely Planetは14区のこうした住宅エリアを「観光の喧騒から離れたパリ本来の姿を体験できる場所」と紹介しており、Wikivoyageも「落ち着いた住宅エリア」として評価しています。
モンパルナス駅やダンフェール=ロシュロー方面へはバスやタクシーで行き来できる距離にあり、地下鉄4号線を使ってパリ市内の他エリアへ出ることも可能です。
宿泊施設は小規模なホテルやアパルトマンタイプが中心で、長期滞在向けの物件も多い傾向があります。
夜の雰囲気
夕方以降は観光客の姿がほとんどなくなり、アレジア通り沿いの飲食店に地元住民が集まる時間帯になります。
深夜になると通りの人通りは少なくなり、静かな夜が続きます。
Wikivoyageはこのエリアについて夜間の治安に関する注意記述を行っておらず、落ち着いた夜を好む旅行者に向いています。
繁華街のような夜の選択肢は少ないため、夜間の外出は地下鉄やタクシーの利用を前提に考えておくとよいでしょう。
【交通アクセス重視】モンパルナス駅周辺(Gare Montparnasse)
おすすめする理由
モンパルナス駅周辺は、パリを拠点に他都市や空港への移動を効率よく組み込みたい人におすすめのエリアです。
14区北端に位置し、高速列車や近郊線・地下鉄・バスが集まるパリ南部最大の交通拠点です。
ブルターニュや大西洋岸方面への高速列車はモンパルナス駅発着となるため、パリ郊外への日帰り旅行を多く計画している旅行者にとって滞在の拠点として機能します(Lonely Planet、Wikivoyage記載)。
Lonely PlanetとFodor’s Travelはともに、このエリアを「交通利便性を優先する旅行者向けのホテルが集中する場所」と評価しています。
大型チェーンホテルからビジネスホテルまで選択肢が幅広く、価格帯は14区の他エリアと比べてやや高めになる傾向があります。
夜の雰囲気
夜間も駅周辺のカフェやレストランは営業しており、帰宅途中の旅行者やビジネス客が行き交う時間帯が続きます。
22時を過ぎると駅前広場の人通りが少なくなる時間帯があるとWikivoyageは記しており、深夜の移動は地下鉄やタクシーを使うパターンが多いです。
繁華街のような夜の賑わいはなく、食事を終えた旅行者の多くは早めに宿に戻る行動をとっています。
パリ14区の治安概要
パリ14区は、モンパルナス駅周辺の交通拠点エリアとカタコンブを擁する観光スポット、そして中産階級の居住者が多い落ち着いた街並みが混在する区です。
旅行者が注意すべき点はエリアによって異なるため、自分が滞在・移動する場所の特徴をあらかじめ把握しておくことが大切です。
パリ14区に対する公的情報のアナウンス
外務省はフランスの危険情報を「レベル1:十分注意してください」としており、これはフランス全土に適用されているものです。
パリ14区を名指しした記述は外務省・在フランス日本国大使館のいずれにも確認できません。
注意喚起の内容はパリ市全体を対象としており、観光地・駅構内・地下鉄車内・飲食店でのスリ・置き引き・ひったくりへの警戒を呼びかけています。
日本人を含むアジア系観光客が被害対象になりやすいとも明記されており、特定のエリアに限らずパリ滞在全体を通じた注意が求められています。
パリ14区の治安の特徴
14区は、パリを代表するナイトライフエリアであるマレ地区やピガール周辺と比べると、夜間の繁華街的な性格は薄いエリアです。
Lonely PlanetやWikivoyageは14区を「パリの中では比較的落ち着いたエリア」と評価しつつ、モンパルナス駅周辺の混雑については注意を促しています。
区内には大きく分けて三つの異なる性格のエリアがあります。
北端のモンパルナス駅周辺は新幹線にあたる高速列車や近郊線が集まるパリ南部最大の交通拠点で、スーツケースを抱えた旅行者が常に行き交います。
中部のダンフェール=ロシュロー広場周辺は、カタコンブをはじめとする観光スポットが集まり、観光シーズンには旅行者が集中します。
南端のポルト・ドルレアン周辺はパリ市とバニューなどの郊外との境界に近く、中心部とは夜間の雰囲気が異なるとWikivoyageは記しています。
夜間については、14区内での飲食やナイトライフの選択肢は限られており、多くの旅行者はモンパルナス駅から地下鉄やタクシーを使って移動するパターンが中心です。
深夜帯は区全体的に人通りが少なくなりやすく、特に南端エリアへの徒歩での単独移動は、外務省が国全体の傾向として呼びかけている「夜間の人通りの少ない場所への立ち入りを避ける」という注意事項と重なります。
パリ14区の治安まとめ
パリ14区は、モンパルナス駅周辺の交通拠点エリアからカタコンブ周辺の観光エリア、アレジア周辺の落ち着いた街並みまで、エリアによって性格が異なる区です。
治安は「良い・悪い」で一括りにできるものではなく、どのエリアで、何時頃に、どう行動するかによって変わります。
この記事では、外務省と在フランス日本国大使館の情報をもとにパリ14区で注意が必要なエリアと被害の傾向を整理し、観光・落ち着いた滞在・交通アクセスという3つの目的別に宿泊エリアの特徴を紹介しました。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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