ニースへの旅行を前に、夜の街や宿泊エリアの選び方について不安を感じている人は少なくありません。
2016年にプロムナード・デ・ザングレで起きたトラック突入事件の報道を目にしていれば、現地を歩くことへの不安をまだ持っているのは自然なことです。
この記事は、ニースの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を訪れてきた編集長の経験からも、治安は「場所・時間帯・行動」の組み合わせで考えるものであり、一言で語れるものではないと感じています。
外務省をはじめとする公的情報をもとにニースで注意が必要なエリアを整理し、治安目線でおすすめの宿泊エリアを旅の目的別に紹介します。
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ニースで注意が必要と言われるエリア
ニースは南フランスを代表する観光都市ですが、旅行者が多く集まるエリアではスリやひったくりといった被害が報告されています。
どのエリアも観光の中心地として多くの人が訪れる場所ですが、場所ごとに注意が必要な場面や状況が異なります。
ニース=ヴィル駅周辺(Gare de Nice-Ville)
ニース=ヴィル駅周辺は、スリや置き引きに注意が必要なエリアです。
ニースの玄関口となる主要ターミナル駅で、空港からの鉄道アクセスや市内トラムの乗換拠点でもあるため、大きな荷物を持った旅行者が常に行き交う場所です。
外務省「フランス安全対策基礎データ」では、列車やバスなどの公共交通機関の駅構内や車内での置き引き・スリの被害が多発していると記載されています。
Wikivoyageも、夜間の駅周辺については特に注意が必要だとはっきり書いています。
到着直後は荷物が多く、周囲への注意が散漫になりやすい状況です。
スーツケースやリュックは体から離さず、駅構内や駅前広場では立ち止まったまま長時間スマートフォンを操作することは避けるようにしましょう。
旧市街(Vieille Ville)
旧市街は、混雑した場面での接触型のスリに注意が必要なエリアです。
色鮮やかな建物が並ぶ旧市街は、ニース観光の中心地です。
青空市が立つクール・サレヤ広場をはじめ、レストランやバーが軒を連ねる路地には連日多くの観光客が訪れます。
外務省「フランス安全対策基礎データ」は、観光地や繁華街でのスリ・ひったくり被害が多発していると記載しており、にぎわっている場所では周囲への注意を怠らないよう呼びかけています。
Fodor’s Travelは、混雑した市場や広場ではバッグを体の前に持つこと、リュックサックは特に狙われやすいと具体的に注意を促しています。
夏場はとりわけ人が密集し、路地は入り組んでいるため夜間は見通しも悪くなります。
バッグは体の前側で抱えるように持ち、特にクール・サレヤ周辺などの混雑する場所では貴重品の位置を常に意識しておくとよいでしょう。
プロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)
プロムナード・デ・ザングレは、バイクや自転車を使ったひったくりに注意が必要なエリアです。
地中海に沿って約7キロメートル伸びるニース随一の海岸通りで、散歩やジョギングを楽しむ市民と観光客が昼夜を問わず行き交います。
Wikivoyageは、このエリアをはっきり名指しした上で、バイクによるバッグのひったくりが報告されていると記載しています。
在フランス日本国大使館の「安全の手引き」でも、バイクや自転車を使ったひったくりの手口が多いとして、歩道の車道側に荷物を持ち歩かないよう注意を促しています。
車道に近い側にバッグを持って歩くと、走行中のバイクから一瞬で奪われるリスクがあります。
荷物は建物側の手で持つか体に密着させるようにし、スマートフォンをむき出しのまま操作しながら歩くことも控えてください。
こうした行動が、被害を遠ざけることにつながります。
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ニースで治安目線でおすすめの宿泊エリア
ニースでの滞在をどこを拠点に過ごすかによって、毎日の動き方はかなり変わります。
観光を効率よく回りたいのか、静かな環境でゆっくりしたいのか、それとも他都市への移動のしやすさを優先したいのか、自分のスタイルに合わせてエリアを選んでみてください。
【観光重視】プロムナード・デ・ザングレ周辺/旧市街隣接エリア(Promenade des Anglais / Vieille Ville)
おすすめする理由
プロムナード・デ・ザングレ周辺から旧市街の西側入口にかけてのエリアは、ニース観光の中心部に最も近い場所に滞在したい人におすすめです。
クール・サレヤの朝市、旧市街の路地、城跡の丘へのいずれも徒歩圏内でアクセスできます。
ニース=ヴィル駅へはトラムで数分の距離です。
Lonely Planet・Fodor’s Travelともにこのエリアを旅行者の宿泊拠点として紹介しており、観光を中心に予定を組みたい人向けの立地として評価されています。
プロムナード沿いには高級ホテルが集まり、旧市街に近づくほど中規模のブティックホテルが増えます。
Fodor’s Travelは夏季の宿泊料金が特に跳ね上がりやすいエリアだと伝えており、繁忙期の予算計画には余裕を持っておく必要があります。
夜の雰囲気
夕方になるとプロムナード沿いのベンチやテラスに旅行者や地元の人が集まり始め、海を眺めながら過ごす光景が続きます。
日が落ちた後もこの通りを歩く人の流れは途切れず、夏の夜は特に遅い時間まで人通りが続きます。
旧市街側に移ると、レストランやバーが集まる路地に人が流れ込み、にぎわいは深夜まで続きます。
旅行者の多くは夜もこのエリアを中心に過ごしており、食事・散歩・ナイトライフのいずれもこの範囲で完結するパターンが一般的です。
【落ち着いた滞在】シミエ地区(Cimiez)
おすすめする理由
シミエ地区は、旧市街やプロムナード周辺の混雑を避け、落ち着いた環境でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
ニース北部の丘の上に広がる閑静な地区で、マティス美術館やローマ時代の遺跡が点在します。
Lonely Planet・Fodor’s Travelはこのエリアをローカルな雰囲気の中でゆったり滞在できる場所として紹介しています。
旧市街・プロムナード方面へはバスで行き来できる距離にあります。
大型チェーンホテルは少なく、中規模のブティックホテルや歴史的な建物を改装したプロパティが中心です。
客室数が少なく静かな環境を好む旅行者に向いています。
夜の雰囲気
夜になると地区全体が静まり、昼間の観光地のにぎわいとは対照的な落ち着いた夜が続きます。
飲食店の数は少なく、夕食は市街地に出るのが前提となります。
深夜帯は人通りが少ない環境のため、夜のナイトライフや夜遅くまでの外出を旅行の中心に置きたい人よりも、早めに宿に戻るスタイルの旅行者に向いています。
【交通アクセス重視】ニース=ヴィル駅周辺(Gare de Nice-Ville)
おすすめする理由
ニース=ヴィル駅周辺は、他都市への移動効率と空港へのアクセスを最優先にしたい人におすすめのエリアです。
TGV(フランス高速鉄道)・地域間急行・トラム・バスが集まるニース最大の交通拠点に徒歩で出られる立地です。
空港へはトラム2号線で約30分(Lonely Planet記載)、モナコへは鉄道で約20〜25分、カンヌへは鉄道で約30〜40分でアクセスできます(Wikivoyage記載)。
コートダジュール各地への日帰りを予定に組み込みたい人に向いているエリアです。
ビジネスホテルや中級チェーンホテルが多く集積しており、プロムナード沿いと比べると宿泊コストを抑えやすい傾向があります(Fodor’s Travel)。
価格帯の選択肢が広く、予算を抑えながら利便性を確保したい旅行者にも向いています。
夜の雰囲気
夕方から夜にかけては帰宅・移動する人で駅周辺に一定の人通りがあります。
ただし旧市街やプロムナード沿いのようなにぎわいはなく、飲食やナイトライフを楽しむエリアとしては描写されていません。
夜に食事や散歩を楽しみたい場合は、トラムで旧市街方面に移動する旅行者が一般的です。
Wikivoyageは夜間の駅周辺について注意が必要だと記載しており、深夜に駅周辺を単独で歩く際は荷物の管理を意識しておく必要があります。
ニースの治安概要
ニースはコートダジュール地域圏の中心都市として、年間を通じて多くの旅行者が訪れる国際的なリゾート都市です。
旅行者が多く集まる都市ならではのリスクはありますが、どのような点に気をつけるべきかを事前に把握しておくことで、落ち着いて行動できます。
ニースに対する公的情報のアナウンス
外務省はフランス全土に対して危険度レベル1(十分注意してください)を出しています。
国全体の傾向として、観光地・繁華街・交通機関の拠点ではスリやひったくりの被害が多発していると記載されており、夜間の単独行動を極力避けること、荷物から目を離さないことを呼びかけています。
テロの脅威についても、フランス全土で継続して警戒が必要な状況が続いているとしています。
在フランス日本国大使館も、夏季は観光客が集中するため被害が増加する傾向にあると伝えており、繁忙期に渡航する場合は特に意識しておく必要があります。
ニースを名指しした個別の注意喚起は、いずれの公的機関でも確認されていません。
ニースの治安の特徴
ニースはフランス本土で5番目に人口の多い都市で、国内第2位の旅客数を持つニース・コートダジュール国際空港を抱えています。
富裕層の旅行者から一般の観光客まで幅広い層が訪れる都市構造を持ち、モナコやカンヌへの日帰り拠点としても機能しているため、旅行者の往来は一年中途絶えません。
Wikivoyageはニースについて、大都市として一部のエリアは夜間に注意が必要としながらも、旅行者にとって比較的訪れやすい都市だと伝えています。
治安に影響する要素として特徴的なのは、季節による人口密度の変化です。
夏の7〜8月には観光客が急増し、旧市街のクール・サレヤ周辺やプロムナード・デ・ザングレ沿いはとりわけ混み合います。
2016年のテロ事件以降、ニース市はプロムナード・デ・ザングレへの車両進入を規制するコンクリートブロックを設置するなど、物理的なセキュリティ対策を講じています。
Fodor’s Travelは、夏季には観光警察の巡回が強化されると伝えています。
ニースの治安まとめ
ニースは年間を通じて旅行者が絶えない国際的なリゾート都市であり、スリやひったくりといった観光地特有のリスクが存在する一方、旅行者にとって訪れやすい都市として多くの旅行ガイドに描写されています。
治安は「良い・悪い」の一言では語れません。
どのエリアで、何時ごろ、どう行動するかによって、リスクの内容は変わります。
ニース=ヴィル駅周辺では置き引きやスリ、旧市街の混雑した場面では接触型の犯罪、プロムナード・デ・ザングレ沿いではバイクによるひったくりが報告されており、エリアごとに注意の内容が異なります。
宿泊エリアについては、観光を中心に動くか、静かな環境でゆっくり過ごすか、他都市への移動効率を優先するかによって、向いている場所が変わります。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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