【ナポリ治安完全ガイド】現地人が近づかない危険エリアとホテルをとるべき治安のよいエリアを解説

「ナポリの治安が気になるけど、どのエリアが危険なの?」
「ナポリで治安の良いエリアに泊まりたい」
「ナポリの治安が悪い地区は避けたほうがいい?」

イタリア旅行の計画を立てる際、ナポリの治安について不安を感じる方は多いものです。

ナポリの治安は、エリアによって大きく異なります。中央駅周辺は特に注意が必要ですが、観光客向けのエリアは比較的安全に過ごせます。

この記事では、外務省海外安全ホームページとナポリ在住日本人の声をもとに、治安が悪いエリアの特徴や、ホテルをとるのにおすすめの治安の良いエリアを解説します。

目次

ナポリの治安の現状と特徴

イタリア南部に位置するナポリは、世界遺産の歴史地区や美味しい食文化で知られる観光都市です。一方で、イタリアの主要都市の中でも治安の評価が低い都市として認識されています。

ナポリの治安に関する基本情報

外務省海外安全ホームページによると、ナポリの犯罪発生率はイタリアの主要都市の中でも高い水準にあります。特に観光客を狙った犯罪が頻発しており、スリやひったくりなどの街頭犯罪に注意が必要です。

都市部全体の治安レベルは「レベル1:十分注意してください」に設定されています。これは観光に支障のないレベルですが、一般的な防犯対策は必須となります。

地域によって治安状況は大きく異なり、観光客が多く訪れる中心部でも、エリアごとに安全性に差があります。特に夜間は人通りの少ない場所や暗い路地には近づかないことが推奨されています。

犯罪の種類と発生状況

ナポリで発生する主な犯罪は以下の通りです。

・置き引きやスリ:カフェやレストランでの手荷物の盗難
・ひったくり:バイクによる強奪が多発
・おとり詐欺:偽のガイドや物売りによる詐欺行為
・スキミング:ATMでのカード情報の不正取得
・車上荒らし:路上駐車した車を狙った窃盗

特に観光客が集中する観光スポット周辺では、複数人で役割分担して犯行に及ぶ組織的な犯罪グループの存在が確認されています。

観光客が狙われやすい場所と時間帯

観光客が犯罪に巻き込まれやすい場所には以下のような特徴があります。

・人混みの多い観光スポット
・地下鉄やバスの車内
・路上のカフェやレストランのテラス席
・観光名所周辺の広場
・土産物店が並ぶショッピングエリア

時間帯については、以下の状況で犯罪が発生しやすい傾向にあります。

・早朝や夜間の人通りが少ない時間
・観光客が集中する昼食時や夕方
・地下鉄やバスの混雑時
・週末の観光ピーク時

特に注意が必要なのは、観光客が写真撮影に夢中になっている瞬間や、レストランでの会計時など、観光客の注意力が散漫になりやすい状況です。

ナポリ在住の日本人によると、現地の人々は基本的に親切で温かい一方、観光客を狙った犯罪者は非常にプロフェッショナルだと指摘しています。観光客は常に周囲の状況に注意を払い、貴重品の管理を徹底することが重要です。

イタリア警察は観光客の安全確保のため、主要観光地での警備を強化していますが、個人での基本的な防犯対策は必須となります。特に夏のピークシーズンは犯罪が増加する傾向にあるため、より一層の注意が必要です。

ナポリで要注意の治安が悪いエリア

ナポリには観光客が避けるべき治安が悪いエリアがいくつか存在します。これらのエリアを知ることは、安全な旅行計画を立てる上で重要なポイントとなります。

中央駅(ガリバルディ駅)周辺

ナポリ中央駅であるガリバルディ駅周辺は、特に治安の悪いエリアとして知られています。外務省海外安全ホームページによると、このエリアでは以下のような犯罪が頻発しています。

・スーツケースなど大きな荷物を持った観光客を狙った置き引き
・駅構内や駅前広場でのスリ、ひったくり
・深夜や早朝の強盗事件
・不正タクシーによる料金トラブル

特にピアッツァ・ガリバルディ(駅前広場)から北側に延びるコルソ・ルッジェーロ通りは、夜間の一人歩きは避けるべきエリアです。駅の利用が必要な場合は、日中の明るい時間帯に限定することをお勧めします。

スパッカナポリ地区の危険箇所

歴史地区として有名なスパッカナポリ地区には、観光客に人気のスポットが多く存在します。しかし、このエリアにも注意が必要な場所があります。

・路地裏での強盗や置き引き
・観光客を狙った詐欺グループの活動
・バイクによるひったくり
・偽のガイドによる勧誘

特にビア・サン・グレゴリオ・アルメーノ(クリスマスストリート)では、観光客が多く集まることから犯罪者も活動しやすい環境となっています。

フォルチェッラ地区の現状

フォルチェッラ地区は、地元のマフィア組織カモッラの影響力が強いエリアとして知られています。観光客向けの見どころは少ないものの、近道として通過しようとする観光客もいます。

このエリアでは以下のようなリスクがあります。

・組織犯罪の活動
・路上での窃盗事件
・夜間の暴力事件
・薬物取引関連の犯罪

観光の際は、このエリアを迂回するルート設定を推奨します。

クォルティエーリ・スパニョーリ地区の注意点

クォルティエーリ・スパニョーリ地区は、観光スポットとして人気がある一方で、観光客を狙った犯罪も発生しています。

・路上での客引きによるトラブル
・レストランでの法外な請求
・土産物店での詐欺的な商法
・スリやひったくりの発生

特に夜間は人通りが少なくなる路地もあり、注意が必要です。観光の際は、メインストリートを歩くことをお勧めします。

これらの治安が悪いエリアを避けるためには、以下の対策が効果的です。

・事前に危険エリアの場所を地図で確認
・夜間の単独行動を避ける
・貴重品は必要最小限にする
・目立つ服装や装飾品は控える
・現地の治安情報を常にチェック

ナポリ在住の日本人によると、これらのエリアでも日中は観光客も多く、基本的な注意を払えば観光は可能です。ただし、深夜や早朝の訪問は避け、常に周囲の状況に注意を払うことが重要です。

ナポリで治安の良いエリアとホテル選び

ナポリには観光客が安心して滞在できる治安の良いエリアがいくつか存在します。ホテル選びの際は、これらのエリアを中心に検討することをお勧めします。

キアイア地区の特徴と安全性

キアイア地区はナポリ湾に沿った沿岸部に位置し、ナポリで最も治安の良いエリアとして知られています。高級ブティックや一流レストランが立ち並び、観光客にとって安全な環境が整っています。

このエリアの特徴は以下の通りです。

・伝統的で豪華な建築物が並ぶ街並み
・オーシャンビューの高級ホテルが充実
・警備が行き届いた安全な通り
・観光客向けの施設が充実

ボメロ地区のおすすめポイント

ボメロ地区は高台に位置し、ナポリ湾を一望できる住宅街として知られています。地元の富裕層が多く住むエリアで、以下のような特徴があります。

・閑静な住宅街で治安が良好
・高台からの絶景ポイントが多数
・地下鉄やケーブルカーでアクセス可能
・観光客向けのレストランが充実

ポジリポ地区の魅力

ポジリポ地区はキアイアの西側に位置し、メルジェリーナ港を含む海沿いのエリアです。治安が良く、観光客に人気のエリアとして知られています。

このエリアの魅力は以下の通りです。

・美しい海岸線と港町の雰囲気
・地元の高級住宅街としての側面
・新鮮な魚介類を提供するレストラン
・観光名所の卵城へのアクセスが便利

治安の良いエリアのホテル選びのコツ

安全な滞在のためのホテル選びでは、以下のポイントに注意が必要です。

・中央駅周辺のホテルは避ける
・メインストリートに面したホテルを選ぶ
・24時間体制のフロントデスクがあるホテルを優先
・観光スポットへのアクセスの良さを確認

特に中央駅周辺は、夕方5〜6時以降に急激に治安が悪化するため、宿泊は避けるべきです。たとえ料金が安くても、安全面を考慮すると観光に適したエリアではありません。

代わりに、スパッカナポリ地区の観光地周辺も宿泊先として検討できます。このエリアは世界遺産に登録された歴史地区で、キアイアなどと比べてリーズナブルな料金で宿泊できる上、観光スポットへのアクセスも良好です。

ただし、スパッカナポリ地区で宿泊する場合は、以下の点に注意が必要です。

・メインストリートから外れない
・夜間の単独行動を避ける
・貴重品の管理を徹底する
・人通りの多い場所のホテルを選ぶ

ナポリ観光中の防犯対策と注意点

ナポリを安全に観光するためには、適切な防犯対策が不可欠です。現地の特性を理解し、実践的な対策を講じることで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。

持ち物と貴重品の管理方法

ナポリでは観光客を狙った窃盗が頻発しているため、持ち物の管理には特に注意が必要です。

貴重品の持ち歩き方について、以下の対策が効果的です。

・パスポートのコピーを持ち歩き、原本はホテルのセーフティボックスに保管
・現金は1日分だけを持ち歩き、複数の場所に分散して収納
・クレジットカードは利用頻度の高いもの1枚のみ携帯
・ウエストポーチや首掛け財布を活用し、バッグは必ず体の前で持つ
・スマートフォンは人混みでの使用を控え、バッグの中にしまう

スリやひったくり対策

外務省海外安全ホームページによると、ナポリではスリやひったくりの手口が巧妙化しています。以下のような状況では特に警戒が必要です。

・地図を広げているときや写真撮影時
・レストランでの食事中
・路上のATM利用時
・公共交通機関の乗降時
・観光スポットでの記念撮影時

犯罪者の典型的な手口には以下のようなものがあります。

・観光客に話しかけて気を散らせる
・わざと体当たりをしてきて、その隙に盗む
・バイクで近づき、バッグをひったくる
・子供を使って同情を誘い、注意をそらす

公共交通機関での注意事項

地下鉄やバスでは、以下のような防犯対策が重要です。

・混雑時は特に警戒を強める
・リュックは前に抱える
・携帯電話やカメラの使用は控える
・知らない人から話しかけられても安易に応じない
・降車時は周囲の状況を確認する

特に地下鉄1号線のガリバルディ駅周辺では、スリ集団の活動が報告されています。

夜間の行動における注意点

夜間の行動には特別な注意が必要です。以下のような対策を心がけましょう。

・21時以降の単独行動は避ける
・暗い路地や人通りの少ない道は通らない
・タクシーは正規のものを利用し、料金は事前に確認
・深夜のATM利用は避ける
・レストランからホテルまでの帰路は、明るいメインストリートを選ぶ

その他、以下のような基本的な対策も重要です。

・目立つ服装や装飾品は控える
・地図アプリは事前にダウンロードし、オフラインでも使用できるようにする
・緊急連絡先は常に携帯する
・ホテルの近くの警察署の場所を確認しておく
・旅行保険には必ず加入する

これらの対策は一見過剰に思えるかもしれませんが、ナポリ在住の日本人によると、基本的な注意を払えば十分に安全な観光が可能とのことです。重要なのは、常に周囲の状況に注意を払い、危険を感じたら速やかにその場を離れることです。

ナポリでトラブルに遭った時の対処法

不幸にもトラブルに巻き込まれた場合、冷静な対応と適切な手続きが重要です。状況に応じた対処方法を理解しておくことで、被害を最小限に抑えることができます。

警察への通報方法と必要な手続き

ナポリで犯罪被害に遭った場合、まずは警察への通報が必要です。

緊急時の連絡先は以下の通りです。

・警察(Polizia):113
・消防(Vigili del Fuoco):115
・救急(Ambulanza):118
・カラビニエリ(憲兵隊):112

被害届の提出手順は以下の通りです。

・最寄りの警察署で被害届(Denuncia)を提出
・パスポートのコピーを提示
・被害状況を具体的に説明
・調書作成後、控えの受け取りを確認

警察署では英語対応が難しい場合があるため、以下の対策が有効です。

・イタリア語が話せる知人に同行を依頼
・スマートフォンの翻訳アプリを活用
・ホテルのスタッフに協力を要請

在イタリア日本国大使館への連絡方法

大使館の支援が必要な場合は、以下の連絡先に相談できます。

在イタリア日本国大使館
住所:Via Quintino Sella 60, 00187 Roma, Italia
電話:(+39) 06-487-991(代表)
緊急時の携帯電話:(+39) 335-840-7919

大使館に連絡する際は、以下の情報を準備しておきましょう。

・氏名と生年月日
・旅券番号
・現在の滞在場所
・連絡先
・トラブルの詳細
・警察での被害届の有無

保険の活用と補償内容

海外旅行保険に加入している場合、以下のような補償を受けられる可能性があります。

・盗難や強盗による損害補償
・負傷した場合の治療費
・緊急移送費用
・携行品損害の補償
・賠償責任保険の適用

保険を利用する際の手順は以下の通りです。

・保険会社の緊急連絡先に状況を報告
・警察の被害届の控えを保管
・領収書や証明書類を保管
・現地での支払いが必要な場合は領収書を保管
・帰国後速やかに保険金請求手続きを開始

特に注意が必要なのは、以下のような場合です。

・警察への被害届がない場合、保険金支払いの対象外となる可能性
・貴重品の管理に重大な過失がある場合、補償が制限される
・事故発生から保険会社への連絡が遅れた場合、手続きが複雑化

その他、以下のような対応も重要です。

・クレジットカードの盗難時は、即時に発行会社に連絡して利用停止
・スマートフォンの盗難時は、遠隔でデータを消去
・SNSで現地の日本人コミュニティに相談
・必要に応じて航空券の変更手続き

これらの対応を迅速に行うことで、被害の拡大を防ぎ、早期の問題解決につながります。特に警察への被害届の提出は、保険請求や領事館での支援を受ける際に重要な書類となるため、必ず取得するようにしましょう。

まとめ:ナポリを安全に楽しむために

ナポリは魅力的な観光地である一方で、適切な注意と対策が必要な都市です。これまでの内容を踏まえ、安全な旅行のための重要なポイントをまとめます。

時間帯による行動の使い分け

ナポリの治安は時間帯によって大きく変化します。特に夕方5〜6時以降は急激に治安が悪化するため、以下の対応が重要です。

・午前9時から午後4時までの明るい時間帯に観光を集中
・夜間の単独行動は避ける
・夕食は日没前に済ませるか、ホテル周辺の店を利用
・中央駅の利用は日中に限定

エリアごとの対策

観光スポットによって必要な注意レベルは異なります。エリアごとの特徴を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

キアイア地区やボメロ地区などの治安の良いエリアでも、以下の基本的な注意は必要です。

・貴重品は分散して携帯
・スマートフォンの使用は必要最小限に
・カメラの使用は周囲の状況を確認してから
・人混みでは荷物を前に抱える

犯罪手口を知り予防する

ナポリで多発する犯罪の特徴を理解することで、多くのトラブルを回避できます。代表的な手口には以下のようなものがあります。

・バイクによるひったくり
・レストランでの注文していない料理の提供による高額請求
・親子連れや警察官を装った犯行グループ
・路上での違法な賭博やカードゲーム
・公共交通機関での集団スリ

緊急時の備え

万が一の事態に備え、以下の準備をしておくことが推奨されます。

・パスポートのコピーを複数保管
・緊急連絡先を携帯
・保険証書の写真を保存
・現地の日本大使館の連絡先を保存
・クレジットカード会社の緊急連絡先をメモ

現地での心構え

ナポリを安全に楽しむためには、以下のような心構えが重要です。

・現地の人々は基本的に親切だが、過度な親しさには注意
・治安の悪いエリアでも、基本的な注意があれば観光は可能
・マフィアの支配地域には決して立ち入らない
・路上での写真撮影は周囲の状況を確認してから
・見知らぬ人からの話しかけには慎重に対応

これらの注意点を守ることで、ナポリの豊かな歴史や文化、美味しい食事を十分に楽しむことができます。過度に神経質になる必要はありませんが、常に周囲への注意を怠らず、基本的な防犯対策を実践することが、充実したナポリ観光の鍵となります。

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この記事を書いた人

ヨーロッパ、北米、オーストラリアetc、治安をはじめとした海外情報をお届け。運営歴11年の海外旅行メディア世界新聞が監修しています。

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