ロサンゼルス・ダウンタウンに泊まろうとしたとき、「本当に大丈夫だろうか」と不安を感じる人は少なくありません。
路上生活者の集中や薬物問題に関する報道を目にしていれば、夜に外を歩けるのか、ホテルの場所をどこにすべきかと迷うのは自然なことです。
この記事は、ロサンゼルス・ダウンタウンの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を訪れてきた編集長の経験から言えるのは、治安は「場所」「時間帯」「行動」の組み合わせで変わるということです。
同じダウンタウンでも、エリアと時間帯を意識するだけで行動の幅は変わります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにロサンゼルス・ダウンタウンで注意が必要なエリアを紹介した上で、治安目線でおすすめの宿泊エリアを旅の目的別に紹介します。
🏨ロサンゼルス・ダウンタウンのおすすめホテルエリア🏨
ロサンゼルス・ダウンタウンで注意が必要と言われるエリア
ダウンタウンは観光スポットが集まる一方で、エリアによって環境が大きく異なります。
宿泊先を選ぶ前に、どのエリアでどんなことに気をつける必要があるかを確認しておきましょう。
スキッドロウ(Skid Row)
スキッドロウは、強盗・暴行・薬物関連トラブルに注意が必要なエリアです。
ダウンタウン東側に広がるこのエリアは、リトル東京やグランドセントラルマーケットから徒歩数分の距離にあります。
Lonely PlanetおよびWikivoyageはいずれも、スキッドロウを観光客は立ち入りを避けるべきエリアとしてはっきり名指しで書いています。
ロサンゼルス市警察(LAPD)は、このエリアを対象に路上生活者の集中と薬物問題への対応を目的とした介入作戦を繰り返し実施しており、公式発表でエリア名を明示しています。
Wikivoyageでは、5番ストリートからサン・ジュリアン・ストリート周辺が特に集中しているゾーンとして言及されています。
リトル東京やグランドセントラルマーケットを起点に南・東方向へ歩くと、数ブロックでこのエリアに入ります。
観光中に方向感覚を失わないよう、地図アプリで現在地を確認しながら行動することをおすすめします。
マッカーサーパーク周辺(MacArthur Park Area)
マッカーサーパーク周辺は、ひったくり・スリ・車上荒らしに注意が必要なエリアです。
ダウンタウン西側のウエストレイク地区に接するこのエリアには、地下鉄のマッカーサーパーク駅があります。
ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドやサンタモニカへ向かう際にメトロを利用すると、この駅の近くを通過または乗降するケースがあります。
LAPDの犯罪統計では、この駅を含むランパート管区の暴力犯罪・財産犯罪の件数が、ダウンタウン中心部と比べて高い水準で推移していることが記録されています。
Fodor’s Travelは夜間に特に注意が必要なエリアとしてこの周辺を挙げており、メトロ利用時にこの駅での乗降を避けるか、十分注意するよう促しています。
在ロサンゼルス日本国総領事館の安全情報でも、公共交通機関の駅周辺での財産犯罪への注意が繰り返し呼びかけられています。
駅構内や周辺では荷物を体の前に抱え、スマートフォンを操作しながら歩くことを避けるといった点を意識しておくとよいでしょう。
ファッションディストリクト南部/サンペドロストリート周辺(Fashion District South / San Pedro Street Corridor)
ファッションディストリクト南部からサンペドロストリート周辺にかけては、車上荒らしや夜間の閑散による孤立リスクに注意が必要なエリアです。
グランドセントラルマーケットやリトル東京から南に数ブロック歩くと、このエリアに入ります。
昼間は卸売り業者向けの店舗が並ぶ通りとして機能していますが、営業時間が終わると人通りが急激に減ります。
Lonely Planetは、このエリアについて「昼間の買い物には向いているが、夜間は環境が変わる」と指摘しており、南側ブロックに近づくほどスキッドロウに接近することも言及しています。
外務省の米国向け安全情報では、「繁華街・観光地に隣接するエリアでも、一本通りを外れると環境が急変する場合がある」とされており、LAPDのセントラル管区の記録でもこのエリアでの財産犯罪が報告されています。
日没後はこのエリアへの立ち入りを避け、駐車場を利用する場合は昼間のうちに車内の荷物をすべて取り出しておく。
こうした行動が、被害を遠ざけることにつながります。
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ロサンゼルス・ダウンタウンで治安目線でおすすめの宿泊エリア
ダウンタウンに泊まると決めたとき、「どのエリアを選ぶか」で滞在中の行動の幅が変わります。
観光効率を優先したいか、落ち着いた雰囲気で過ごしたいか、空港や市内各所への移動を重視するか、目的別に3つのエリアを紹介します。
【観光重視】シビック・センター/グランド・アベニュー周辺(Civic Center / Grand Avenue Corridor)
おすすめする理由
シビック・センター/グランド・アベニュー周辺は、ダウンタウンの主要観光スポットを徒歩で回りたい人におすすめのエリアです。
ダウンタウン中央の北寄りに位置し、ブロード・ミュージアム、ウォルト・ディズニー・コンサートホール、ロサンゼルス現代美術館、グランドセントラルマーケットのすべてが徒歩圏内に収まっています。
リトル東京やクリプト・ドット・コム・アリーナへも徒歩15〜20分ほどの距離にあり、移動の手間をできるだけ省きたい旅行者に向いています。
ホテルはミドルレンジからラグジュアリーまで幅広く、ビジネスホテルからデザインホテルまで選択肢が多いエリアです。
コンベンション需要にも対応した中〜大規模ホテルが中心のため、設備が整った宿を探しやすい点もこのエリアの特徴です。
夜の雰囲気
グランドセントラルマーケットは夜間も営業しており、夕食時間帯は観光客と地元客が混在してにぎわいが続きます。
ウォルト・ディズニー・コンサートホールでコンサートが開かれる夜は、終演後にグランド・アベニュー沿いに人が集まり、周辺のレストランやバーが活気づきます。
一方、コンサートやイベントのない夜のオフィス街寄りの通りは、同じエリア内でも人通りが少なくなります。
夜間の外出はグランド・アベニュー沿いやグランドセントラルマーケット周辺に範囲をとどめ、東・南方向への散策は避けることをおすすめします。
【落ち着いた滞在】アーツ・ディストリクト(Arts District)
おすすめする理由
アーツ・ディストリクトは、観光地の混雑を避け、ローカルな雰囲気の中でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
ダウンタウン東側、リトル東京の東隣に位置し、かつての倉庫街を再開発したエリアです。
独立系のレストラン、カフェ、クラフトビールのブルワリー、ギャラリーが集まっており、Lonely PlanetおよびTime Out Los Angelesはともにダウンタウンの中でローカルな雰囲気を持つエリアとして紹介しています。
リトル東京はすぐ隣に位置し、メトロのリトル東京/アーツ・ディストリクト駅も徒歩圏内にあるため、ダウンタウン各所への移動も無理なくできます。
ホテルはブティックホテルやデザインホテルが中心で、倉庫・工場をリノベーションした小〜中規模の物件が多く、チェーンホテルとは異なる滞在感を求める旅行者に向いています。
夜の雰囲気
週末の夜は独立系のレストランやバー、ブルワリーに地元客が集まり、観光地のにぎやかさとは異なる落ち着いた活気があります。
平日の夜は週末に比べて静かになりますが、営業しているレストランやバーは一定数あり、通り沿いに人が行き来しています。
メインストリート沿いから外れると夜間は人通りが減るため、エリア内を移動する際は明るい通りを選んで歩くことを意識してください。
エリア南側はスキッドロウに近接しているため、南方向への夜間の散策は避けることをおすすめします。
【交通アクセス重視】ユニオン・ステーション周辺(Union Station Area)
おすすめする理由
ユニオン・ステーション周辺は、空港や市内各所への移動効率を最優先にしたい人におすすめのエリアです。
ダウンタウン北東部に位置するユニオン・ステーションには、メトロレイル全路線、メトロバス、長距離列車のアムトラック、そしてロサンゼルス国際空港への直行バスであるフライアウェイが集まっています。
ロサンゼルス国際空港へはフライアウェイを使うと渋滞次第で50〜60分ほどでアクセスでき、初日と最終日の移動負担を減らしたい旅行者にとって利便性の高い立地です。
リトル東京やエル・プエブロ・デ・ロサンゼルス歴史地区は徒歩圏内にあり、グランドセントラルマーケットへも徒歩15分前後で行き来できます。
ホテルはユニオン・ステーションに近接した歴史的建築をリノベーションしたものから、ミドルレンジのビジネスホテルまで、チェーン系・独立系ともに選択肢があります。
夜の雰囲気
ユニオン・ステーション自体は終電まで乗降客の往来が続き、駅構内は夜間も照明が整備されています。
駅に隣接するエル・プエブロ・デ・ロサンゼルス歴史地区は、昼間に観光客でにぎわう一方で、夜間は店舗が閉まると人通りが少なくなります。
駅の北側・西側の通りも夜間は昼間より静かになるため、夜の外出は駅周辺の範囲にとどめ、不慣れな方向への散策は翌日の明るい時間に回すほうが安心です。
ロサンゼルス・ダウンタウンの治安概要
ロサンゼルス・ダウンタウンは、観光・ビジネス・エンターテインメントが集まるエリアである一方、エリアによって昼と夜で環境が大きく変わります。
旅行前にどんなことに注意が必要かを知っておくことが、現地での行動に直結します。
ロサンゼルス・ダウンタウンに対する公的情報のアナウンス
外務省は、米国全土について「日本と比較して治安は良くない」という前提で注意を呼びかけています。
ロサンゼルスを名指しした危険情報の発出はなく、渡航中止勧告などの高い危険レベルにも該当していません。
一方で、在ロサンゼルス日本国総領事館の安全情報では、「人通りの少ない路地や暗い場所への立ち入りを避けること」「夜間の単独行動を控えること」「荷物の管理を徹底すること」が具体的な行動指針として示されています。
ひったくり・スリ・車上荒らしといった財産犯罪が、観光地や繁華街の周辺でも発生しているという記述も含まれています。
短時間の駐車でも車内に荷物を残さないことが、総領事館から繰り返し呼びかけられている点の一つです。
ロサンゼルス・ダウンタウンの治安の特徴
ダウンタウンで特徴的なのは、観光客が多く集まるエリアと、路上生活者が多いエリアが数ブロックの距離で隣り合っているという地理的な構造です。
グランドセントラルマーケットやリトル東京のような昼間ににぎわうエリアのすぐ近くに、夜間になると人通りがほとんどなくなる通りが存在します。
同じダウンタウンの中でも、クリプト・ドット・コム・アリーナ周辺のようにイベント時に多くの人が集まる場所と、日没後に閑散とするオフィス街が混在しているのがこのエリアの特徴です。
ロサンゼルス市警察はダウンタウンを管轄するセントラル管区において、路上生活者の集中や薬物問題への対応を目的とした介入作戦を繰り返し実施しており、行政としての取り組みは続いています。
ただし、施策の効果や現場の状況は変化するため、渡航前に最新の情報を確認することをおすすめします。
Wikivoyageは、夜間の行動についてエリアを選ぶことを前提とした注意を促しており、ダウンタウン全体を一律に評価するのではなく、どのエリアをどの時間帯に歩くかを意識することが大切です。
ロサンゼルス・ダウンタウンの治安まとめ
ロサンゼルス・ダウンタウンは、観光スポットが集まるエリアと路上生活者が多いエリアが数ブロックで隣り合うという、独特の地理的な構造を持つ街です。
治安は「良い・悪い」で語れるものではなく、どのエリアを、いつ、どのように行動するかによって変わります。
スキッドロウやマッカーサーパーク周辺など注意が必要なエリアについては、どんな犯罪が起きやすいかを把握した上で、立ち寄らない・近づかないという判断ができれば十分です。
宿泊エリアについては、観光効率を優先するならシビック・センター/グランド・アベニュー周辺、ローカルな雰囲気を求めるならアーツ・ディストリクト、空港や市内各所へのアクセスを重視するならユニオン・ステーション周辺が選択肢になります。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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