こんにちは。世界一周含めこれまで40カ国以上を旅した世界新聞編集長です。
旅先で「やっと着いた…!」とほっと一息つける場所、それがホテルやゲストハウスなどの滞在先です。
しかし実は、この“安心すべき空間”こそが、意外と犯罪の温床になることがあるのです。
私はこれまでに何度も「まさかこんな場所で?」という状況に遭遇してきました。
今回は、ホテルや宿泊施設で実際に起こりうる犯罪と、その具体的な対策を紹介します。
ホテルの中=安全とは限りません。正しく備えて、安全な滞在を実現しましょう。
1. 客室内の盗難|鍵をかけても盗まれる?
ホテルの部屋に荷物を置いて出かけている間に、貴重品が盗まれる事件は世界中で起きています。
特に発展途上国や安価なゲストハウスでは、スタッフが合鍵を使って侵入するケースもあります。
私がインドで宿泊した安宿では、部屋に戻ると財布の中の現金が一部抜き取られていました。
外から鍵は閉めていましたが、ドアに傷がなかったため、おそらく内部の人間の犯行です。
【対策】
・貴重品は必ず自分で持ち歩く
・パスポートや現金はセキュリティポーチに入れて常に身につける
・セーフティボックスを使う場合も、貴重品は最低限に
2. セーフティボックスの信用性|安心しすぎていませんか?
「ホテルのセーフティボックスに入れておけば安全」と思いがちですが、実際には暗証番号の初期設定(0000や1234)のまま使っている人が多く、開けられてしまう事件が後を絶ちません。
また、一部の施設ではスタッフがマスターキーや解除コードを持っており、簡単に開けられてしまうことも。
私の友人は中南米のホテルで、セーフティボックスに入れていた現金が丸ごと消えていました。
ホテル側に問いただしても「知らない」「鍵が壊れていたのでは」と言われ泣き寝入りに。
【対策】
・セーフティボックスの初期コードは必ず変更する
・可能であれば現金やパスポートは部屋に置かず持ち歩く
・高級ホテルでも過信せず、複数に分散して管理する
3. 同室の旅行者による盗難|ドミトリー宿泊者必見
バックパッカー向けのゲストハウスでは、男女混合ドミトリーに宿泊する機会もあります。
そんなときに気をつけたいのが、同室の旅行者による盗難です。
私が東欧で滞在していたホステルでは、夜中に同じ部屋の旅行者が他人のロッカーを物色している現場に遭遇しました。
財布やスマホをロッカーに入れずベッド脇に置いていたため、狙われたようです。
【対策】
・チェックイン後すぐにロッカーの位置と施錠方法を確認
・南京錠やワイヤーロックを自分で持参する
・寝るときも貴重品は枕の下やインナーポーチに入れるなどして管理
4. ホテル内での声かけ詐欺|エレベーターで油断しない
宿泊者を装った詐欺師や犯罪者が、ホテルの共用スペースで声をかけてくるケースも存在します。
特に深夜、エレベーター内やロビーで「日本人ですか?」「観光の相談いいですか?」と親しげに話しかけられると、つい心を許してしまいがちです。
私の知人はマニラのホテルで声をかけてきた男性に「おすすめのバーがある」と言われてついて行き、法外な金額を請求されるトラブルに巻き込まれました。
【対策】
・ホテル内でも知らない人との会話は最小限に
・親切そうな申し出ほど疑う癖をつける
・夜間のロビーや廊下の移動は極力避ける
5. 無断侵入やドア開け事件|ドアチェーンの重要性
外出中や就寝中に、誰かが突然ドアを開けてくるという事例は意外と多く報告されています。
「ルームサービスです」「部屋を間違えました」と言い訳されることが多いですが、実際には侵入目的のケースも。
私はヨーロッパのあるホテルで、深夜に突然ドアノブが回され、ドアが半開きになった経験があります。
ドアチェーンをかけていたため未遂で終わりましたが、本当に怖い体験でした。
【対策】
・就寝時や在室中は必ずドアチェーンやセーフティラッチをかける
・不審者が部屋に接近してきたら即フロントに連絡する
・部屋に誰かが来ても、チェーン越しに対応するのが基本
6. 鍵のすり替え・複製被害|チェックイン時に確認すべし
安宿や地方のホテルでは、鍵の管理がずさんなこともあります。
チェックアウトした人の鍵が再利用されていたり、他の部屋と鍵が共通だったりするケースもあります。
私が中南米のとある宿に泊まった際、鍵を返却していない前の宿泊者が部屋に入ってきたことがありました。
フロントに伝えると「あの人まだチェックアウトしていなかったみたいです」と言われて驚きました。
【対策】
・チェックイン時に鍵の種類やセキュリティについてスタッフに確認する
・複数人で滞在する場合は一人が常に部屋にいるように調整する
・不審な訪問があれば、必ずフロントに報告
7. Wi-Fi経由のサイバー犯罪|公共ネットワークは危険
意外と盲点なのが、ホテルの無料Wi-Fiを利用したサイバー犯罪です。
パスワードなしのネットワークや、同じSSID名を装った偽Wi-Fiを通じて、個人情報やクレジットカード情報が盗まれる事例もあります。
私の旅仲間は、あるホテルのWi-Fiに接続した直後にオンラインバンキングの情報を抜かれ、不正送金の被害に遭いました。
【対策】
・フリーWi-Fiでは絶対にクレジットカードや銀行情報を入力しない
・VPN(仮想プライベートネットワーク)を使って通信を保護する
・重要な操作は自分のSIM回線または信頼できる通信環境下で行う
まとめ:ホテルだからこそ油断せず、防犯意識を高めよう
ホテルやゲストハウスは、旅の疲れを癒す場所であると同時に、「犯罪者が旅行者を狙う場所」にもなり得ます。
鍵をかけたから安心。
セーフティボックスに入れたから大丈夫。
そうした思い込みがトラブルを招くこともあるのです。
最も重要なのは、「部屋の中にいても、油断しない」こと。
荷物や情報を守る行動をルーティン化しておくことで、ストレスなく、安全な滞在を実現できます。
自分の身は自分で守る。
それが海外旅行における、最も大切な防犯の基本です。