こんにちは。世界一周含めこれまで40カ国以上を旅した世界新聞編集長です。
海外旅行は楽しいものですが、異国の地ではちょっとした油断が大きなトラブルにつながることがあります。
特にスリやひったくり、詐欺などの軽犯罪は、日本人観光客が狙われやすい傾向があります。
そこで今回は、私自身の経験と世界中の旅人から得た知見をもとに、「海外で犯罪に巻き込まれないための習慣」を7つにまとめてご紹介します。
安全に、そして心から旅を楽しむために、ぜひ出発前にチェックしておいてください。
1. スマホを見ながら歩かない
旅先ではGoogleマップや翻訳アプリが頼りになります。
しかし、歩きながらスマホを操作するのは非常に危険です。
スリやひったくりは、そんな油断した旅行者を狙っています。
私がロンドンに滞在していたとき、道に迷った日本人旅行者がスマホを手に歩いているところをバイクに乗った2人組に狙われ、スマホをひったくられる瞬間を目撃しました。
スマホを見るときは、建物の壁際やカフェなど安全な場所に立ち止まって確認するのが基本です。
また、イヤホンをして音楽を聴きながらの移動も、周囲への注意が散漫になるため控えましょう。
2. バッグは前に抱える、体の一部と接続しておく
バックパックやショルダーバッグは、使い方を間違えると簡単にスリの標的になります。
背中に背負ったリュックは、混雑した場所では格好のターゲットです。
私は一度、バルセロナの地下鉄でリュックのファスナーを開けられ、カメラのバッテリーを抜き取られたことがあります。
幸い貴重品はフロントポーチに入れていたので大丈夫でしたが、以後は常にリュックを前に抱えるようにしました。
また、ショルダーバッグも体の前に回して、ファスナー部分を手で押さえるようにすると安心です。
ベルトやストラップを足や腰に絡めて“体と接続”させる意識も大切です。
3. 写真を「撮ってあげる」は断る勇気を持つ
観光地で「写真撮ってあげるよ」と声をかけられると、ついお願いしたくなるものです。
ですが、その申し出の中には、スマホやカメラを持ち逃げしようとする人もいます。
パリの凱旋門で、写真をお願いした日本人旅行者が、そのままスマホを奪われて逃走された事例も報告されています。
写真を撮ってもらいたいときは、自分から信頼できそうな観光客や家族連れに頼むのが基本です。
“向こうから声をかけてくる親切”には、常に警戒心を持ちましょう。
4. 高価な持ち物やブランド品は旅先では封印する
旅のファッションにこだわるのは悪いことではありませんが、ブランドロゴが目立つバッグや時計、高価なアクセサリーは「私はお金持ちです」とアピールしているようなものです。
私はイタリア・ナポリで、高級ブランドの腕時計をつけていた日本人旅行者が数人に取り囲まれ、時計を奪われそうになったのを目撃しました。
旅行中は、できるだけ地味な服装で、目立たないスタイルを心がけましょう。
「溶け込む」ことが、もっとも犯罪に巻き込まれにくくなる秘訣です。
5. 話しかけてくる人は“警戒対象”として受け止める
海外では、道端で親切に話しかけてくる人がすべて善人とは限りません。
「お寺は今日は閉まっている」「今から特別なイベントがあるよ」と言いながら、別の場所に連れて行こうとする手口は、アジアでもヨーロッパでも頻発しています。
私自身、タイで「今日は特別な仏教行事がある」と言われ、結果として高額なお土産店に連れて行かれそうになったことがあります。
言葉巧みに安心感を与えてくる相手こそ、用心すべきです。
本当に親切な人は、必要以上に近づいてくることはありません。
6. 混雑した場所では“片手は荷物に”を徹底する
地下鉄、市場、フェス会場など、人が密集する場所では、スリが活動しやすくなります。
こうした場所では、片手は必ず自分のバッグや財布に添えておくこと。
私はアルゼンチン・ブエノスアイレスで、混雑した通りを歩いていたとき、斜めがけのポーチのチャックが開けられかけたことがあります。
すぐに手で押さえたことで被害はありませんでしたが、それ以来、片手は常に自分の荷物に触れているようにしています。
小さな防御意識が、犯罪の芽を摘むことに繋がります。
7. 自分だけ浮いていないか?を常に意識する
日本人旅行者は、現地の文化や雰囲気に合わない服装や態度で「観光客」として目立ってしまいがちです。
清潔すぎる服装、高価な荷物、街中で地図を広げる姿。
こうした行動はすべて「不慣れで、狙いやすい人」という印象を与えてしまいます。
私はキューバで、明らかに観光客とわかる服装をしていたことで、現地の詐欺まがいの両替商にしつこく付きまとわれたことがあります。
旅先では「現地に溶け込む」を合言葉に、歩き方や服装、振る舞いに気を配りましょう。
堂々と、でも静かに、がベストです。
まとめ:旅の防犯は、あなたの“習慣”で決まる
海外で犯罪に巻き込まれないために最も大切なのは、特別な防犯グッズやテクニックではありません。
大事なのは、「日常的な行動のクセ」を旅仕様に変えることです。
スマホを見ながら歩かない。
バッグは前に抱える。
話しかけられても簡単に信用しない。
そうした小さな習慣こそが、トラブルを回避する最大の盾となります。
安全対策を習慣化すれば、旅は何倍も自由で、楽しくなります。
あなたの旅が、無事で実りあるものになることを、心から願っています。