ブリュッセルへの旅行を前に、治安について調べ始めた方は少なくないはずです。
2015〜2016年のテロ事件でモレンベーク地区が報道されたことや、北駅周辺の薬物・売春に関連した問題を目にしていれば、「自分が泊まるエリアは大丈夫なのか」と感じるのは自然なことです。
この記事は、ブリュッセルの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を訪れてきた編集長の経験からも、治安は「どの場所で」「何時に」「どう行動するか」によって大きく変わります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにブリュッセルで注意が必要なエリアを紹介するとともに、治安目線でおすすめの宿泊エリアを旅の目的別にまとめています。
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ブリュッセルで注意が必要と言われるエリア
ブリュッセルは多くの観光客が訪れる都市ですが、エリアによって夜間の環境や犯罪の傾向が大きく異なります。
旅行前に注意が必要なエリアの特徴を把握しておくと、宿泊場所の選択や移動計画に役立てられます。
北駅周辺(Gare du Nord)
北駅周辺は、夜間の環境リスクとスリに注意が必要なエリアです。
北駅はブリュッセル市内の北側に位置し、パリやアムステルダムとを結ぶ国際列車も発着する主要ターミナル駅です。
宿泊コストが比較的低いこともあり、格安ホテルを探す旅行者が候補に挙げることの多いエリアですが、Lonely PlanetやWikivoyageをはじめとする旅行ガイドは、夜間の単独行動を避けるよう注意を促しています。
駅周辺では売春や薬物に関連した問題が報告されており、夜間は特に人通りの少ない通りへの立ち入りに注意が必要です。
在ベルギー日本大使館が公表している安全情報でも、鉄道駅周辺でのスリ・置き引き・ひったくりへの注意が呼びかけられています。
昼間のうちに駅周辺の地理を確認しておき、夜間の移動ルートはできるだけ明るく人通りの多い通りを選ぶようにおすすめします。
メトロ車内・乗換駅(Brussels Metro)
メトロの車内と乗換駅は、スリの手口に特に注意が必要な場所です。
グランプラスやブリュッセル中央駅への移動に利用者が集中するメトロは、旅行者が日常的に使う交通手段ですが、Wikivoyageは乗換客が集まるアール=ロワ駅とデ・ブルクレール駅でスリが多発していると具体的な駅名を挙げて注意を促しています。
被害の手口として報告されているのが、ドアが閉まる直前に荷物を奪って車外に走り出るというものです。
在ベルギー日本大使館の安全情報にも、この手口についての記述があります。
混雑する車内ではバッグを体の前側に抱えるようにし、ドアの付近に立つ際はバッグの持ち手をしっかり握っておく、といった点を意識しておくとよいでしょう。
モレンベーク地区(Molenbeek-Saint-Jean)
モレンベーク地区は、夜間の単独行動に注意が必要なエリアです。
北駅のさらに西側、運河を挟んでブリュッセル中心部と隣接するこの地区は、2015年のパリ同時多発テロおよび2016年のブリュッセル爆破テロへの関与が捜査・発表され、ベルギー政府が対テロ作戦の対象として名指しした経緯があります。
その後、地区では再開発が進んでおり、WikivoyageやTime Outはアートスペースや飲食店が増えつつある現状も伝えています。
一方で両ガイドとも、夜間や人気のない路地での単独行動については引き続き注意を促しており、過去のテロとの関連から生じたイメージがそのまま現在の治安状況を表しているわけではないものの、用心を要するエリアであることには変わりません。
観光目的で立ち寄る場合は昼間の時間帯を選び、路地への立ち入りは避けることが、こうした行動が被害を遠ざけることにつながります。
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ブリュッセルで治安目線でおすすめの宿泊エリア
宿泊エリアを選ぶとき、観光のしやすさを優先するか、落ち着いた環境を優先するか、それとも移動の効率を優先するかで、最適な場所は変わってきます。
ここでは「夜に安心して過ごせること」を前提に、旅のスタイル別に3つのエリアを紹介します。
【観光重視】旧市街/グランプラス周辺(Historic Centre / Grand-Place)
おすすめする理由
旧市街は、初めてブリュッセルを訪れる人に特におすすめのエリアです。
世界遺産のグランプラスを中心に、イロ・サクレ地区のレストラン街やサブロン広場が徒歩圏内に収まっており、観光スポットをできるだけ歩いて回りたい旅行者に向いています。
ブリュッセル中央駅まで徒歩約5〜10分の距離にあり(Wikivoyage)、空港や他都市への移動にも大きな不便はありません。
Lonely Planet・Fodor’s Travel・Wikivoyageはいずれも、初めてブリュッセルを訪れる旅行者の宿泊エリアとしてこのエリアを挙げています。
デザインホテルやブティックホテルが多く、チェーン系の高級ホテルも複数立地しています。
グランプラスに近づくほど料金は上がる傾向があり(Fodor’s Travel)、予算を抑えたい場合はエリアの外縁部での検討が現実的です。
夜の雰囲気
グランプラスはライトアップが行われており、日が落ちた後も広場を訪れる旅行者が絶えません。
北側に隣接するイロ・サクレ地区では、ムール貝やフリットを提供するレストランが深夜まで営業しており、夕食を終えた旅行者が通り沿いのテラス席に座る光景が続きます。
人通りは夜間も比較的多く、観光エリアとしての活気が維持されています。
ただし旅行者が集中するエリアでもあるため、バッグの管理など財産犯罪への基本的な注意は怠らないようにしてください。
【落ち着いた滞在】イクセル(Ixelles)
おすすめする理由
イクセルは、観光地の混雑や割高感を避けてゆっくり過ごしたい旅行者におすすめのエリアです。
旧市街の南東に隣接するコミューン(行政区)で、EU職員や在住外国人も多く暮らす生活感のあるエリアです。
カフェ・独立系のショップ・ギャラリーが通り沿いに点在しており、Time OutやLonely Planetはローカルな雰囲気と国際的な環境が共存するエリアとして紹介しています。
グランプラスまではトラムで約15〜25分(Wikivoyage)でアクセスでき、観光の起点としても使いやすい距離感です。
中級ホテルやアパートメントホテル、ブティックホテルが中心で、旧市街周辺と比べて料金が抑えられる傾向があります(Lonely Planet)。
長期滞在者向けのサービスアパートメントも多く、数泊以上の滞在にも向いています。
夜の雰囲気
シャタン通り周辺にはカフェやバーが集まっており、夜になると地元客や在住外国人がテラス席に腰を落ち着ける光景が見られます。
観光地特有の酔客による混雑は少なく、深夜に向かうにつれて人通りは落ち着いていきます。
旧市街まで出て夜の観光を楽しんだ後、トラムかタクシーで戻るという行動パターンが現実的です。
【交通アクセス重視】ブリュッセル南駅周辺(Gare du Midi)
おすすめする理由
ブリュッセル南駅周辺は、他都市との移動効率を最優先にしたい旅行者におすすめのエリアです。
ブリュッセル南駅はロンドン行きのユーロスターとパリ・アムステルダム行きのタリスが発着するターミナルで、ロンドンまで約2時間、パリまで約1時間20分でアクセスできます(Lonely Planet)。
ブリュッセル国際空港へはエアポートエクスプレスで約20分(Wikivoyage)と、空港アクセスの面でも利便性が高いエリアです。
グランプラスまではメトロで約10〜15分(Wikivoyage)でアクセスでき、観光への移動も大きな負担にはなりません。
ビジネスホテルやチェーン系の中級ホテルが中心で、早朝チェックアウトや深夜チェックインに対応している施設が多い点も、移動の多い旅行者に向いています。
料金は旧市街周辺と同水準かやや抑えられる傾向があります(Fodor’s Travel)。
夜の雰囲気
駅の発着は夜間も続いており、周辺にはチェーン系の飲食店やスーパーマーケットが立ち並ぶ実用的な環境です。
観光目的の夜の賑わいはなく、夕食や夜の散策は旧市街へ移動するのが現実的です。
旧市街で夕食を済ませてからメトロで戻るという行動パターンをとる旅行者が多く、夜遅い帰還にはタクシーやライドシェアの利用も選択肢になります。
ブリュッセルの治安概要
ブリュッセルはEU(欧州連合)の主要機関が集まる国際都市であり、毎年多くの旅行者が訪れます。
エリアによって夜間の環境や犯罪の傾向が大きく異なるため、訪れる前にどのような点に注意が必要かを把握しておくことが大切です。
ブリュッセルに対する公的情報のアナウンス
外務省はベルギー全土を「レベル1:十分注意してください」に指定しています。
これは4段階ある危険レベルの中で最も低い水準であり、渡航の自粛や禁止を求める指定ではありません。
在ベルギー日本大使館は、スリ・置き引き・ひったくりといった財産を狙った犯罪への注意を呼びかけています。
暴力を伴う犯罪よりも、こうした財産犯罪への注意が案内の中心となっています。
ブリュッセルの治安の特徴
ブリュッセル首都圏地域は19のコミューン(行政区)で構成されており、エリアごとに生活環境や夜間の雰囲気が大きく異なります。
グランプラス周辺やサブロン広場など観光客が集まるエリアと、再開発が進む途上のエリアが同じ市内に混在しているのがこの都市の特徴です。
交通面では、ブリュッセル南駅にロンドン・パリ方面からの国際高速鉄道が乗り入れており、ブリュッセル中央駅・ブリュッセル北駅と合わせて3つの主要鉄道ターミナルが市内に点在しています。
各駅とその周辺エリアの性格はそれぞれ異なり、一括りに語れない構造になっています。
夜間については、グランプラスのライトアップやイロ・サクレ地区のレストラン街など、旅行者が夜も楽しめるスポットが中心部に集まっています。
一方でWikivoyageは、深夜帯の移動にはタクシーやライドシェアの活用を案内しており、時間帯によって移動手段の選択を変えることを前提にした都市といえます。
ブリュッセルの治安まとめ
ブリュッセルは19のコミューンで構成される都市であり、エリアごとに夜間の環境や犯罪の傾向が大きく異なります。
治安は「良い・悪い」で語れるものではなく、どのエリアで、何時に、どう動くかによって変わってきます。
この記事では、北駅周辺の夜間環境やメトロ内でのスリの手口、モレンベーク地区の過去と現状といった注意点を公的情報をもとに整理しました。
あわせて、旧市街周辺・イクセル・ブリュッセル南駅周辺という3つの宿泊エリアを、旅のスタイル別に紹介しています。
外務省はベルギー全土を危険レベルの中で最も低い「レベル1」に指定しており、渡航を控えるよう求めているわけではありません。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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