アテネへの旅行を前に、治安が気になっている方は少なくないはずです。
オモニア広場周辺での路上生活者の増加や薬物問題に関する報道を目にしていれば、「アテネは危ないのではないか」と感じるのは自然なことです。
この記事は、アテネの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を渡航してきた編集長の経験から言えることは、治安は「場所×時間帯×行動」の組み合わせで考えるものだということです。
同じ都市でも、エリアが変われば夜の雰囲気はまったく異なります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにアテネで注意が必要なエリアを解説し、治安目線でおすすめの宿泊エリアを観光重視・落ち着いた滞在・交通アクセス重視の3つの目的別に紹介します。
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アテネで注意が必要と言われるエリア
アテネは多くの旅行者が訪れる国際的な観光都市ですが、エリアによって性格が大きく異なります。
宿泊先や観光ルートを決める前に、注意が必要とされるエリアの特徴を把握しておくことをおすすめします。
オモニア広場周辺(Omonia)
オモニア広場周辺は、スリ・置き引き・路上強盗・薬物売買といった犯罪が多く報告されているエリアです。
アテネ中心部に位置し、地下鉄の乗換駅もあることから、旅行者が意図せず通過することもあります。
外務省の海外安全情報では、このエリアを含むアテネ中心部について、スリや置き引き、路上強盗、薬物売買、売春などが頻発していると明記しています。
広場周辺では路上で薬物を使用する人の姿が見られることがあり、夜間はとくに雰囲気が変わります。
Lonely PlanetやWikivoyageも、夜間はとくに広場とその周辺を避けることを促しています。
宿泊先の候補として価格の安さから検討するケースもありますが、夜間の単独行動は避け、移動ルートにこのエリアが含まれる場合は時間帯に注意しておくとよいでしょう。
モナスティラキ(Monastiraki)
モナスティラキは、アクロポリス観光の拠点にもなる人気エリアですが、混雑を狙ったスリに注意が必要な場所です。
アクロポリスへの入口付近やモナスティラキのフリーマーケットは、週末を中心に多くの人が集まります。
外務省の海外安全情報では、観光客が多く集まる広場・市場・地下鉄車内でスリや置き引きの被害が多発していると案内しています。
Wikivoyageはモナスティラキのフリーマーケットをスリの多発スポットとして名指しし、とくに人出が多い日曜日は注意が必要だと述べています。
手口としては、混雑した人ごみの中で注意をそらし、バッグや財布を抜き取るものが多く報告されています。
市場や観光地を歩く際は、バッグを体の前で抱える、財布をズボンの後ろポケットに入れないなど、荷物の持ち方を意識しておくことが被害を遠ざけることにつながります。
エクサルヒア(Exarcheia)
エクサルヒアは、政治的なデモや警察との衝突が起きることがあるエリアで、状況によっては滞在中に混乱に巻き込まれるリスクがあります。
アテネ中心部の北側に位置し、グラフィティが描かれた壁や独立系のカフェが並ぶエリアとして知られており、ローカルな雰囲気を求めて足を運ぶ旅行者もいます。
外務省および在ギリシャ日本国大使館は、デモや抗議活動が行われている場所では予告なく衝突や暴力的な事態が発生することがあり、催涙ガスが使用されることもあると注意を呼びかけています。
Lonely Planet・Wikivoyage・Fodor’s Travelはいずれも、エクサルヒアを政治的な不安定さを持つエリアとして紹介しています。
とくに1973年のポリテクニオ蜂起の記念日にあたる11月17日前後は、例年デモが活発になる時期です。
滞在中にデモや集会に遭遇した場合は、その場からすみやかに離れることをおすすめします。
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アテネで治安目線でおすすめの宿泊エリア
アテネは観光の中心地と注意が必要なエリアが近距離に混在しているため、どこに泊まるかで滞在の快適さが変わります。
観光効率を優先したいか、落ち着いた雰囲気を重視したいか、空港や島へのアクセスを最優先にしたいか、自分の旅のスタイルに合わせてエリアを選んでみてください。
【観光重視】プラカ/シンタグマ広場周辺(Plaka / Syntagma)
おすすめする理由
プラカ/シンタグマ広場周辺は、アテネを初めて訪れる旅行者に向いているエリアです。
プラカはアクロポリスの北斜面に広がる石畳の地区で、土産物店やカフェが並ぶ路地を歩きながらアクロポリスへ向かうことができます。
Lonely Planetによると、プラカからアクロポリス入口までは徒歩約10〜15分、アクロポリス博物館までは徒歩約10分です。
シンタグマ広場はプラカに隣接しており、地下鉄の主要駅が集まる交通の拠点でもあります。
モナスティラキへは地下鉄1駅、または徒歩でも約10〜15分で移動できます。
観光警察がシンタグマ広場周辺に配置されており、英語での対応も可能です。
ホテルはアクロポリスの眺望を売りにしたブティックホテルや中〜高級ホテルが中心で、シンタグマ広場周辺には国際的なチェーンホテルも集積しています。
プラカ地区は建物の高さ制限があるため、大型ホテルは少なめです。
宿泊費は他エリアと比べて割高になる傾向があります。
夜の雰囲気
夕方以降もプラカの路地にはレストランやカフェが軒を連ね、食事を楽しむ旅行者の姿が続きます。
シンタグマ広場周辺は夜間も人通りが保たれており、警察のプレゼンスも高い状態が続きます。
Lonely Planetはこのエリアをアテネの中で夜間を過ごしやすいエリアとして紹介しています。
観光客が集まるエリアのため、混雑した路地ではスリへの注意は必要です。
【落ち着いた滞在】コロナキ(Kolonaki)
おすすめする理由
コロナキは、観光地の混雑を避けながら落ち着いた雰囲気の中で過ごしたい旅行者に向いているエリアです。
シンタグマ広場の北東に位置し、高級ブティックやギャラリー、地元のアテネ市民が通うカフェやレストランが並ぶエリアです。
Fodor’s TravelおよびLonely Planetはコロナキを、アテネの中でも洗練された雰囲気を持つ住宅エリアとして紹介しています。
Wikivoyageによると、シンタグマ広場まで徒歩約10〜15分で移動できます。
アテネ市街を一望できるリカヴィトスの丘へは徒歩約10分で、Lonely Planetが所要時間を記載しています。
アクロポリスへはタクシーまたはバスで約15〜20分です。
ホテルは小規模なブティックホテルやサービスアパートメントが中心で、長期滞在に向いたアパートメントタイプも見られます。
プラカやシンタグマ広場周辺と比べて宿泊施設の数は多くありませんが、落ち着いた環境で過ごしたい旅行者には選びやすいエリアです。
夜の雰囲気
夕方を過ぎると、仕事を終えた地元の人々がカフェやワインバーに集まり始めます。
Time Out Athensはコロナキを、地元市民が通うバーやワインバーが充実するエリアとして紹介しています。
週末の夜も過度に混雑することはなく、プラカのような観光地特有の喧騒はありません。
食事や食後の一杯を楽しみながら、アテネの日常的な夜の雰囲気を体感できるエリアです。
【交通アクセス重視】マクリギアニ/コウカキ(Makrigianni / Koukaki)
おすすめする理由
マクリギアニ/コウカキは、移動効率と空港・島へのアクセスを重視する旅行者に向いているエリアです。
マクリギアニはアクロポリスの南側に位置し、アクロポリス博物館まで徒歩約5分という立地にあります(Lonely Planet)。
地下鉄2号線のアクロポリス駅が近接しており、シンタグマ広場へは1駅でアクセスできます。
空港行きの地下鉄3号線が通るシンタグマ駅まで乗り換え1回で接続でき、空港まで約40分で移動できます。
サントリーニ島やミコノス島へのフェリーが出るピレウス港へは、モナスティラキ駅で地下鉄1号線に乗り換えてアクセスできます。
コウカキはマクリギアニの南に続く地区で、近年は中級ホテルやサービスアパートメントの新規開業が増えており、Lonely Planetもその変化を紹介しています。
宿泊費はプラカ・シンタグマ広場周辺よりも抑えめで、アクセスの良さと価格のバランスを求める旅行者に向いています。
夜の雰囲気
日が暮れると、マクリギアニ周辺のアクロポリス博物館周辺から人通りは徐々に落ち着いていきます。
一方でコウカキには地元のカフェやレストランが点在しており、夜間も観光客と地元の人が混在した穏やかな雰囲気が続きます。
プラカのような夜通しの賑やかさはなく、食事を終えたらホテルに戻るというスタイルの旅行者に合ったエリアです。
アテネの治安概要
アテネはヨーロッパの中でも多くの日本人旅行者が訪れる観光都市ですが、エリアによって雰囲気や注意すべき点が大きく異なります。
事前にアテネ全体の傾向を把握した上で、宿泊先や観光ルートを検討することをおすすめします。
アテネに対する公的情報のアナウンス
外務省はギリシャ全土の危険レベルを4段階中の「レベル1(十分注意してください)」としています。
在ギリシャ日本国大使館も、旅行者向けの安全情報を継続的に発信しており、混雑した観光地や公共交通機関の車内での荷物管理、デモや集会への不用意な接近を避けることを呼びかけています。
日本人旅行者の被害として大使館が最も多く挙げているのは、スリと置き引きです。
また、外務省はデモや抗議活動が予告なく暴力的な展開になる場合があると注意を促しており、アテネ滞在中に大規模な集会を見かけた場合はその場から離れることを推奨しています。
アテネの治安の特徴
アテネ首都圏にはギリシャ全人口の約35%が集中しており、政治・経済・観光が一つの都市に集まる構造を持っています。
観光客が多く集まるエリアと、注意が必要なエリアが近距離に混在しているのがアテネの特徴です。
アクロポリスやシンタグマ広場、プラカ地区といった観光の中心地には観光警察が配置されており、英語での対応も可能です。
一方で、観光地から地下鉄で数駅の範囲に、夜間の一人歩きや長時間の滞在を避けたほうがよいエリアも存在します。
2010年代のギリシャ財政危機以降、路上生活者の増加や薬物問題が一部エリアで顕在化しました。
アテネ市は2019年以降、警察の配備強化や再開発を進めていますが、Lonely Planetをはじめとする旅行ガイドは現在も一部エリアへの注意を促し続けています。
夜間は人の流れが特定のエリアに集中する傾向があり、移動手段として配車アプリの利用が広まっています。
アテネの治安まとめ
アテネは観光の中心地と注意が必要なエリアが近距離に混在している都市です。
治安は「良い・悪い」で語れるものではなく、どのエリアに、何時に、どう行動するかによって状況は変わります。
この記事では、オモニア広場周辺・モナスティラキ・エクサルヒアの3エリアについて、外務省の情報をもとに注意が必要な理由と具体的な犯罪の種類を整理しました。
宿泊エリアについては、観光スポットへのアクセスを優先するならプラカ/シンタグマ広場周辺、ローカルな落ち着いた雰囲気を求めるならコロナキ、空港や島へのアクセス効率を重視するならマクリギアニ/コウカキという選択肢を紹介しています。
過度に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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