バンコクへの旅行を考えたとき、治安が気になるのは当然のことです。
タクシーや宝石店への不正な誘導、飲食物への薬物混入といった報道を目にしていれば、「実際のところ、どのくらい気をつければいいのか」と感じるのは自然なことです。
この記事は、バンコクの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を訪れた編集長の経験からも、治安は「場所」「時間帯」「行動」の組み合わせで変わるものです。
どのエリアに行くか、何時に動くか、どう行動するかによって、リスクの大きさは大きく変わります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにバンコクで注意が必要なエリアを整理したうえで、治安目線でおすすめの宿泊エリアを観光重視・落ち着いた滞在・交通アクセス重視の3タイプに分けて紹介します。
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バンコクで注意が必要と言われるエリア
バンコクは多くの旅行者が訪れる都市ですが、エリアによって気をつけたい点の内容は異なります。
宿泊エリアや観光の計画を立てる前に、それぞれの場所でどのようなことが起きやすいかを把握しておきましょう。
カオサン通り周辺(Khao San Road Area)
カオサン通り周辺は、スリ・置き引き・飲食物への薬物混入に注意が必要なエリアです。
バックパッカーや欧米系の旅行者が多く集まる歓楽街で、安宿・バー・屋台が集中しています。
在タイ日本国大使館が公開している「安全の手引き」には、観光客が集中する繁華街やナイトクラブ周辺での置き引き・スリ被害、および飲料への薬物混入による被害事例が記載されています。
夜間になるにつれて酔客や客引きが増え、偽トゥクトゥクツアーへの勧誘も発生しやすくなります。
Wikivoyageは、見知らぬ人から受け取った飲食物には応じないよう警告しており、特に深夜の路上での飲み物の受け取りには注意が必要です。
飲み物は自分で購入した密封のものに限るようにし、同行者と行動をともにしながら移動することをおすすめします。
ナナ/アソーク周辺(Nana–Asok, Sukhumvit)
ナナからアソークにかけてのスクンビット沿いは、ぼったくり・過剰請求・強引な客引きに注意が必要なエリアです。
BTSスクンビット線のナナ駅・アソーク駅周辺に位置し、ゴーゴーバーやマッサージ店が密集する歓楽街として知られています。
在タイ日本国大使館の「安全の手引き」では、ナナ・プラザを名指しし、歓楽施設の周辺での詐欺・ぼったくり・薬物がらみのトラブルを具体的に挙げています。
また、日本人の被害者の多くが夜間・飲酒後の状態で被害に遭っている点も記されています。
Lonely Planetは、メニューのない飲食・サービスを受けた後に高額請求されるケースについて注意を呼びかけています。
サービスを利用する前に料金を必ず確認し、価格が明示されていない店や施設には入らないといった点を意識しておくとよいでしょう。
ヤワラート/チャイナタウン周辺(Yaowarat / Chinatown)
ヤワラート周辺は、混雑を利用したスリ・路地内での声かけ詐欺に注意が必要なエリアです。
バンコク最大の中華街として知られ、夜間はヤワラート通り沿いに屋台が軒を連ねるナイトマーケットが立ち並び、多くの観光客が訪れます。
外務省の安全対策情報には、市場や屋台が密集するエリアでの混雑時のスリ・置き引きに関する注意喚起が記されています。
Wikivoyageは、夜間の混雑の中でバッグを奪われる事例と、路地内に誘い込まれる形の声かけ詐欺について言及しています。
Fodor’s Travelも、ヤワラート通り周辺の夜間ナイトマーケットでは混雑を利用したスリに注意が必要なエリアとして取り上げており、日中の訪問を推奨しています。
バッグは体の前側で抱えるように持ち、路地への誘導には応じないようにする。こうした行動が、被害を遠ざけることにつながります。
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バンコクで治安目線でおすすめの宿泊エリア
バンコクは広く、エリアによって街の性格が大きく異なります。
「観光スポットへの近さを優先したい」「落ち着いた環境でゆっくり過ごしたい」「移動の効率を上げたい」など、旅のスタイルに合わせてエリアを選ぶことが、滞在の満足度につながります。
【観光重視】王宮周辺/ラッタナコーシン島(Rattanakosin / Bang Rak)
おすすめする理由
王宮周辺は、バンコク観光の中心となるスポットを徒歩で回りたい人におすすめのエリアです。
ワット・プラケオやワット・ポーが徒歩圏内にあり、朝早い時間から寺院をめぐるような旅程に向いています。
チャオプラヤー川を渡し船で数分渡るとワット・アルンにもアクセスでき、川沿いの移動自体も観光の一部になります(Wikivoyage記載)。
BTS(バンコク・スカイトレイン)の駅はエリア内にないため、他エリアへの移動はタクシーやチャオプラヤー・エクスプレスボートを使うことになります(Lonely Planet記載)。
ホテルは、チャオプラヤー川沿いに大型の高級リバーサイドホテルが立地するほか、旧市街の路地沿いにはブティックホテルやゲストハウスも点在しており、予算に応じた選択肢があります(Fodor’s Travel記載)。
夜の雰囲気
王宮や寺院は夜間にクローズするため、日が沈むとエリア全体の人通りが落ち着きます。
チャオプラヤー川沿いのレストランでディナーを楽しんだり、ナイトクルーズに参加する旅行者の姿が見られます(Lonely Planet記載)。
昼間の喧騒とは打って変わって静かな夜を過ごしたい人には、この落ち着いた時間帯が合っています。
【落ち着いた滞在】シーロム/サトーン(Silom / Sathon)
おすすめする理由
シーロムは、観光地エリアの混雑した雰囲気を避けながら、バンコクのローカルな日常にふれたい人におすすめのエリアです。
国際的なオフィスビルが立ち並ぶビジネス街でもあり、整然とした街並みが広がっています。
エリア内にBTSサラデーン駅とMRTシーロム駅があり、バンコク各地への移動には困りません(Wikivoyage記載)。
バンコク最大の公園であるルンピニー公園が近接しており、朝のうちに散歩やジョギングをしてから観光に出かけるといった過ごし方もできます(Wikivoyage記載)。
Fodor’s Travelは「ローカルな食堂や市場も点在し、観光地化されすぎていない日常的な雰囲気が残るエリア」と紹介しています。
ホテルは国際基準の中〜高級ホテルが中心ですが、シーロム通りの路地沿いにはよりリーズナブルな宿も点在しています(Lonely Planet記載)。
夜の雰囲気
ビジネス街のため、平日の夜は早い時間から人通りが落ち着いてきます。
シーロム通り沿いにはレストランやバーが点在しており、静かな環境で夕食を楽しめます(Lonely Planet記載)。
深夜まで続くクラブやゴーゴーバーが集まるカオサンやナナエリアとは異なり、夜間も落ち着いた雰囲気が続くエリアです(Wikivoyage記載)。
【交通アクセス重視】スクンビット中心部/プロンポン〜トンロー(Sukhumvit – Phrom Phong to Thong Lo)
おすすめする理由
スクンビット中心部のプロンポンからトンロー周辺は、バンコク全体への移動効率を重視する人におすすめのエリアです。
BTSスクンビット線が東西に走り、プロンポン駅・トンロー駅・エカマイ駅が等間隔に並んでいます。
アソーク駅ではMRTスクンビット線への乗り換えもでき、バンコク市内の主要エリアへアクセスしやすい環境にあります(Wikivoyage記載)。
パタヤ方面などへの東部バスが発着するエカマイ・バスターミナルはBTSエカマイ駅に直結しており、バンコクを拠点に周辺都市へ足を延ばす旅程にも向いています(Wikivoyage記載)。
Time Out Bangkokは「バンコクでホテルの選択肢が最も多いエリアのひとつ」と紹介しており、国際チェーンの中〜高級ホテルからデザイナーズホテル、サービスアパートメントまで幅広いタイプが揃っています。
Lonely Planetは「長期滞在者や家族連れにも対応した施設が多い」と記述しています。
夜の雰囲気
プロンポン〜トンロー周辺は、日が暮れても飲食店やカフェが営業しており、落ち着いた雰囲気の中で夕食を楽しむ旅行者の姿が見られます(Time Out Bangkok記載)。
Lonely Planetは、トンローについて「洗練されたレストランやバーが集まるエリアで、深夜まで続くクラブとは異なる、ゆったりとしたナイトライフが根付いている」と紹介しています。
ナナやアソーク周辺の歓楽街的な雰囲気とは異なり、食事や会話を楽しむ旅行者が多い夜の街が広がっています。
バンコクの治安概要
バンコクは東南アジア有数の国際観光都市であり、毎年多くの日本人旅行者が訪れています。
一方で、旅行者を狙ったスリや詐欺が発生しているエリアがあることも事実です。
どのような犯罪が起きやすいのかを事前に把握しておくことが、現地での行動に役立ちます。
バンコクに対する公的情報のアナウンス
外務省はタイ全土に対して危険情報レベル1「十分注意してください」を発出しています。
「危険なので行ってはいけない」という指定ではなく、「注意しながら行動してください」というスタンスです。
在タイ日本国大使館が公開している「安全の手引き」では、観光客を狙ったスリ・置き引き・詐欺が継続的に報告されていることが記されています。
被害の多くは、暴力を伴う犯罪ではなく、旅行者が気づかないうちに財産を失う類のものです。
タクシーやトゥクトゥクの運転手が宝石店や土産物店へ旅行者を連れて行き、高額な買い物をさせる手口や、スワンナプーム国際空港周辺での偽警官による詐欺事例も記録されています。
トラブルが起きた際の連絡先として、観光警察のホットライン1155が英語・日本語対応で利用できます。
バンコクの治安の特徴
バンコクは人口約1,100万人を抱える大都市で、エリアによって街の性格が大きく異なります。
王宮周辺の観光エリア、スクンビット沿いのショッピング街、カオサン通りの歓楽街、ヤワラートの屋台街など、旅行者が訪れる場所が広範囲に分散しています。
観光客が集中するエリアには、それに対応した客引きや詐欺師が集まりやすい構造があります。
夜間になるとナイトマーケットやバーへ人が流れ、混雑の中での置き引きや、酔った状態での判断ミスを狙った詐欺が起きやすくなります。
一方、バンコク都市警察は王宮周辺・スクンビット・カオサン通りなど主要な観光エリアに観光警察を常駐させており、タイ国政府観光庁もその存在を案内しています。
Lonely Planetは、トラブル発生時には一般の警察署よりも観光警察への相談が適切だと記しています。
配車アプリのGrabは、旅行者の間で深夜の移動手段として広く使われており、Wikivoyageも利用を案内しています。
メーター不使用や遠回りといったタクシートラブルを避けたい場合の現実的な選択肢として知っておくとよいでしょう。
バンコクの治安まとめ
バンコクは東南アジアを代表する国際観光都市であり、毎年多くの旅行者が訪れている街です。
治安は「良い・悪い」で語れるものではなく、どのエリアで、何時に、どう行動するかによって状況は変わります。
この記事では、スリや詐欺が発生しやすいカオサン通り周辺・ナナ〜アソーク周辺・ヤワラート周辺の3エリアについて、被害の種類と発生しやすい状況を整理しました。
宿泊エリアについては、王宮周辺・シーロム/サトーン・スクンビット中心部のプロンポン〜トンローという3つのエリアを、旅のスタイル別に紹介しました。
いずれも公的情報や信頼性の高い旅行ガイドをもとにした内容です。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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