【ヴェネツィア治安完全ガイド】現地人が近づかない危険エリアとホテルをとるべき治安のよいエリアを解説

「ヴェネツィアの治安って本当に悪いの?」
「ヴェネツィアのホテルは治安の良いエリアに取るべき?」
「ヴェネツィアで治安が悪いエリアはどこを避ければいい?」

初めてヴェネツィアを訪れる観光客にとって、治安面の不安は尽きないものです。

ヴェネツィアの治安は、観光客の多いエリアと現地人が住むエリアで大きく異なります。

この記事では、外務省海外安全ホームページとヴェネツィア在住日本人の声をもとに、治安が良いエリアと悪いエリアの特徴、ホテルを取るのにおすすめのエリアを解説します。

目次

ヴェネツィアの治安の現状と特徴

水の都として知られるヴェネツィアは、年間約2000万人もの観光客が訪れる世界有数の観光地です。観光客が多い分、スリや置き引きなどの犯罪には注意が必要です。

ヴェネツィアの治安レベルと犯罪傾向

外務省海外安全ホームページによると、ヴェネツィアの治安レベルは「レベル1:十分注意してください」に分類されています。これは、パリやローマと同程度の治安レベルを示しています。

イタリアの他の主要都市と比較すると、ヴェネツィアは比較的治安が良好な都市として知られています。凶悪犯罪の発生率は低く、観光客を狙った軽犯罪が中心です。

特に注意が必要な犯罪は以下の通りです。

・観光客を狙ったスリや置き引き
・水上バスや観光スポットでの引ったくり
・偽のガイドによる詐欺行為
・偽造品の強制販売

観光客を狙った犯罪の特徴

ヴェネツィアでは、観光客を狙った巧妙な手口の犯罪が報告されています。

水上バスの乗り降りの際は特に注意が必要です。混雑した状況で、複数の犯罪グループが連携して観光客のバッグやスマートフォンを狙います。

サンマルコ広場やリアルト橋などの観光名所では、カメラやスマートフォンの置き引き被害が多発しています。テーブルの上に置いたスマートフォンや、椅子の背もたれに掛けたバッグが狙われやすい傾向にあります。

また、最近では以下のような新しい手口も確認されています。

・観光客に話しかけて気を散らせる手口
・地図を広げて道を尋ねながら所持品を狙う手口
・偽のアンケート調査を装った詐欺
・レストランでの法外な価格請求

季節や時間帯による治安の変化

ヴェネツィアの治安は、観光シーズンや時間帯によって大きく変化します。

観光のピークシーズンである7月から8月は、観光客を狙った犯罪が増加します。特に、カーニバル期間中は街全体が非常に混雑し、スリや置き引きの被害が急増します。

時間帯による治安の変化も顕著です。日中は観光客で賑わう場所でも、夜間は人通りが少なくなり、治安が悪化する傾向にあります。特に23時以降は、サンタルチア駅周辺や運河沿いの人通りの少ないエリアでの一人歩きは避けるべきです。

観光客の多い時期には、以下の点に特に注意が必要です。

・貴重品は必ずホテルのセーフティボックスに保管
・観光スポットでは常にバッグを体の前で持つ
・深夜の一人歩きは避ける
・路地裏や人通りの少ないエリアには立ち入らない

また、アクアアルタ(高潮)の時期は、観光客が普段と異なる経路を通らざるを得ない状況が発生します。このような非常時には、犯罪者が観光客の混乱に付け込むケースも報告されています。

ヴェネツィアで治安が悪いエリアと注意点

ヴェネツィアには特に注意が必要なエリアがいくつか存在します。観光客が多く集まる場所や、本土側の特定の地区では、犯罪が発生しやすい傾向にあります。

サンタルチア駅周辺の治安状況

サンタルチア駅周辺は、ヴェネツィアの玄関口として多くの観光客が利用するエリアです。駅構内や周辺では、スリや置き引きが頻繁に発生しています。特に警戒すべき犯罪として、偽ポーターによる被害が報告されています。これは、勝手に荷物を運び出し、後から法外な料金を請求する手口です。

水上バスの停留所も駅に隣接しており、この場所は特に犯罪率が高いスポットとして知られています。チケット購入を手伝うと称して近づいてくる犯罪グループも存在するため、切符の購入は公式チケット売り場を利用する必要があります。

リアルト橋周辺の治安と対策

リアルト橋は、ヴェネツィアを代表する観光名所の一つですが、常に人で混雑しているため、スリの被害が多発しています。特に写真撮影に夢中になっている観光客が狙われやすい傾向にあります。

橋の周辺には多くの店舗が立ち並び、ショッピングエリアとしても賑わっています。この混雑に紛れて、複数人で連携して犯行に及ぶケースも報告されています。一人が話しかけて気を散らせている間に、共犯者が所持品を狙うといった手口が一般的です。

メストレ地区の治安と注意事項

本土側に位置するメストレ地区は、ヴェネツィア本島と比べて宿泊費が安価なため、多くの観光客が滞在先として選択します。しかし、この地区の治安は本島よりも明らかに悪化しています。

特にメストレ駅前は最も注意が必要なエリアです。麻薬の売人や売春斡旋者が出没することがあり、夜間は特に危険度が増します。駅周辺には移民が多く居住しており、中には強引な客引きを行う者もいます。

メストレ地区に宿泊する場合は、以下の点に特に注意が必要です:

・夜間の一人歩きは絶対に避ける
・駅周辺の人気の少ない道には立ち入らない
・貴重品は必ずホテルのセーフティボックスに保管する
・移動は可能な限り日中に済ませる
・見知らぬ人からの声掛けには応じない

これらの治安が悪いエリアでは、スマートフォンやカメラなどの電子機器も狙われやすい傾向にあります。観光中は常にバッグを体の前で持ち、貴重品は内ポケットに入れるなど、基本的な防犯対策を徹底することが重要です。

また、これらのエリアでは、警察官を装った犯罪者による被害も報告されています。身分証の提示を求められても、その場では応じず、最寄りの警察署での確認を要求するなど、慎重な対応が必要です。

ヴェネツィアで治安が良いエリアとホテル選び

ヴェネツィアには、観光客が安心して滞在できる治安の良いエリアが複数存在します。宿泊先を選ぶ際は、これらのエリアを中心に検討することをお勧めします。

サンマルコ地区の治安とホテル情報

サンマルコ地区は、ヴェネツィアの中心部に位置し、観光客向けの高級ホテルが多く立ち並ぶエリアです。警察のパトロールも頻繁に行われており、24時間体制で治安が維持されています。

このエリアの特徴は以下の通りです:

・警察署が近く、緊急時の対応が迅速
・主要観光スポットまでの移動が便利
・高級ホテルのセキュリティが充実
・深夜まで人通りが多く、明るい街並み

サンマルコ広場周辺のホテルは、セキュリティカメラや24時間体制のフロントデスクを完備しています。また、多くのホテルでは日本語対応可能なスタッフが常駐しているため、緊急時のコミュニケーションも安心です。

ドルソドゥーロ地区の特徴と安全性

ドルソドゥーロ地区は、アカデミア美術館やペギー・グッゲンハイム美術館が立地する文化的なエリアです。観光客と地元住民が程よく混在し、落ち着いた雰囲気が特徴です。

このエリアで人気の宿泊エリアは以下の通りです:

・アカデミア橋周辺
・サルーテ教会付近
・ズエッケ島側

特に、運河沿いのホテルは景観が良く、周辺も整備されているため、女性の一人旅でも安心して滞在できます。また、このエリアは観光客向けのレストランも多く、夜遅くまで安全に食事を楽しむことができます。

カナレッジョ地区のおすすめエリア

カナレッジョ地区は、ヴェネツィア最大の居住区域で、地元の生活感が色濃く残るエリアです。特に、リアルト橋から北側のエリアは、観光客が比較的少なく、静かに過ごせる環境が整っています。

安全に宿泊できるエリアの特徴:

・地元住民が多く、コミュニティの目が行き届いている
・スーパーマーケットや薬局が充実
・路地が整然としており、迷いにくい
・水上バスの停留所へのアクセスが良好

このエリアでホテルを選ぶ際のポイントは以下の通りです:

・メインストリートに面したホテルを選択
・24時間体制のフロントデスクがあるホテルを優先
・水上バスの停留所から徒歩10分以内の立地
・近隣に飲食店や商店があるロケーション

特に、ストラーダ・ヌオーヴァ通り沿いのホテルは、観光スポットへのアクセスも良く、夜間も人通りがあるため安心です。また、このエリアのホテルは比較的リーズナブルな価格帯が多く、長期滞在にも適しています。

治安の良いエリアでも、基本的な防犯対策は必要です。ホテル選びの際は、以下の点にも注意を払いましょう:

・ホテルの出入り口にセキュリティスタッフがいるか
・客室の鍵がカードキーシステムを採用しているか
・窓や扉の施錠が確実にできるか
・セーフティボックスが設置されているか
・非常口の位置と避難経路が明確か

これらの条件を満たすホテルを選ぶことで、より安全で快適な滞在が可能になります。

ヴェネツィアでの具体的な防犯対策

ヴェネツィアを安全に観光するためには、具体的な防犯対策が欠かせません。観光客を狙った犯罪の多くは、適切な対策を講じることで防ぐことができます。

スリや置き引きへの対策方法

スリや置き引きは、ヴェネツィアで最も多い犯罪です。特に観光客が集中するサンマルコ広場やリアルト橋周辺では、以下の対策が重要です。

貴重品の管理方法:
・パスポートのコピーを別々に保管
・現金は1日分だけを持ち歩く
・クレジットカードは2枚以上の銀行のものを持参
・スリ対策用の内ポケット付きの服を着用
・首から下げるタイプの貴重品入れを服の中に収納

バッグの持ち方と選び方:
・ショルダーバッグは必ず斜めがけで使用
・リュックは前に抱えて持つ
・チャックが2重についたバッグを選択
・バッグの開口部は常に体側に向ける
・観光中は常にバッグに手を添える

水上バスや観光スポットでの注意点

水上バスは観光客の移動手段として便利ですが、犯罪が発生しやすい場所でもあります。以下の点に注意が必要です。

水上バスでの防犯対策:
・乗降時は特に荷物から目を離さない
・混雑時は体の前で荷物を持つ
・座席に荷物を置いたまま移動しない
・チケットは必ず公式窓口で購入
・見知らぬ人の手助けは断る

観光スポットでの注意事項:
・写真撮影時も荷物から目を離さない
・レストランではバッグを椅子の背もたれに掛けない
・テーブルの上にスマートフォンを置かない
・道を尋ねられても、その場で地図は広げない
・見知らぬ人からの写真撮影依頼には慎重に対応

夜間の行動における安全確保

夜間は特に注意が必要です。ヴェネツィアの路地は複雑で、夜間は人通りが少なくなる場所も多くあります。

夜間の安全対策:
・23時以降の一人歩きは避ける
・明るい大通りを選んで移動
・人通りの多い経路を確認しておく
・深夜のショートカットは使用しない
・タクシーボートは正規のものを利用

また、夜間の防犯対策として以下の準備も重要です:

・ホテルの電話番号を携帯
・緊急連絡先を事前に保存
・携帯電話の充電を常に確保
・防犯ブザーの携帯
・明るい服装の選択

これらの対策に加えて、以下の行動も犯罪予防に効果的です:

・目立つ服装や装飾品は控える
・高額な買い物をした後は直接ホテルに戻る
・公共Wi-Fiの使用は最小限に抑える
・SNSでの現在地の投稿は控える
・観光ガイドブックを目立つように持ち歩かない

特に注意が必要なのは、観光客を装った犯罪者の存在です。親切そうに話しかけてきても、安易に信用せず、常に警戒心を持って対応することが重要です。

ヴェネツィアで緊急事態が発生した場合の対応

ヴェネツィアで不測の事態に遭遇した場合、迅速かつ適切な対応が必要です。緊急時に慌てないよう、必要な連絡先や対応手順を事前に確認しておきましょう。

緊急連絡先と通報方法

イタリアの緊急通報システムは日本と異なり、状況に応じて連絡先が分かれています。

主な緊急連絡先:
・警察(Polizia):113
・消防(Vigili del Fuoco):115
・救急(Ambulanza):118
・ヨーロッパ共通緊急番号:112

通報する際の注意点:
・できるだけ英語または簡単なイタリア語で状況を説明
・現在地を具体的に伝える
・近くの建物や目印となる場所を確認
・通報者の名前と連絡先を伝える
・可能であれば付近の人に助けを求める

在イタリア日本大使館への連絡方法

犯罪被害に遭った場合は、警察への通報後、在イタリア日本大使館への連絡が推奨されます。

在イタリア日本大使館の連絡先:
・電話番号:(+39) 06-487-991
・夜間・休日緊急電話:(+39) 338-743-6675
・住所:Via Quintino Sella 60, 00187 Roma, Italia

大使館に連絡する際に準備すべき情報:
・パスポート番号
・被害の状況
・現在の滞在先
・日本の緊急連絡先
・今後の旅程

旅行保険の活用と補償内容

旅行保険に加入している場合、以下のような補償を受けられる可能性があります:

盗難・紛失に関する補償:
・現金の盗難
・携行品の損害
・パスポート再発行費用
・クレジットカード不正使用

医療に関する補償:
・治療費用
・救急搬送費用
・入院費用
・医療通訳サービス

保険を利用する際の手順:
・事故発生後すぐに保険会社に連絡
・警察の被害届の写しを入手
・被害品のレシートや写真を用意
・診断書や治療費の領収書を保管
・現地での支払い明細を保管

また、緊急時に備えて以下の準備をしておくことが重要です:

・保険証書のコピーを複数保管
・保険会社の24時間対応窓口の電話番号を保存
・付帯サービスの内容を事前に確認
・補償対象となる金額の上限を把握
・保険適用外の事項を確認

特に注意が必要なのは、以下のような場合です:

・深夜のアルコール摂取後の事故
・危険地域への立ち入りによる事故
・無謀な行為による被害
・保険会社への通報が遅れた場合
・必要書類が不足している場合

これらの状況では、保険の適用が制限される可能性があるため、常に慎重な行動を心がける必要があります。

まとめ:ヴェネツィアを安全に楽しむために

ヴェネツィアは世界有数の観光地でありながら、適切な対策を講じることで安全に観光を楽しむことができる都市です。これまでの内容を踏まえ、安全な旅行のための重要なポイントをまとめます。

エリア選びのポイント

滞在中の安全を確保するためには、宿泊エリアの選択が重要です。

治安の良いエリア:
・サンマルコ地区の中心部
・ドルソドゥーロ地区のアカデミア橋周辺
・カナレッジョ地区の住宅街エリア

避けるべきエリア:
・サンタルチア駅周辺の人気のない路地
・メストレ地区の夜間
・リアルト橋周辺の混雑時間帯

時間帯による行動の使い分け

ヴェネツィアでは、時間帯によって行動を変えることが安全対策として効果的です。

日中の観光プラン:
・主要観光スポットの見学
・水上バスでの市内観光
・ショッピングや美術館巡り
・カフェでの休憩

夜間の推奨行動:
・ホテル周辺での夕食
・メインストリートでの散策
・グループでの行動
・明るい通りの利用

持ち物と貴重品の管理

観光中の持ち物は必要最小限に抑え、以下のような管理方法を実践することが重要です。

必携アイテム:
・パスポートのコピー
・緊急連絡先リスト
・少額に分けた現金
・モバイルバッテリー
・防犯ブザー

貴重品の管理方法:
・ホテルのセーフティボックスの活用
・内ポケット付きの服の着用
・スキミング防止カードケースの使用
・現金の分散保管
・バッグは必ず体の前で持つ

トラブル予防のための心構え

安全な旅行のためには、以下のような心構えを持つことが大切です。

基本的な注意事項:
・現地の習慣やマナーの尊重
・目立つ行動や服装を控える
・見知らぬ人からの勧誘には応じない
・公共の場での貴重品の露出を避ける
・常に周囲への警戒を怠らない

トラブル回避のコツ:
・地図アプリは事前にダウンロード
・緊急時の避難経路の確認
・天候や交通情報のチェック
・SNSでの現在地投稿は控えめに
・飲食店は事前にリサーチ

これらの対策を実践することで、ヴェネツィアの魅力を十分に楽しむことができます。水の都の美しい景観や歴史的建造物、豊かな文化を存分に堪能しながら、安全で思い出に残る旅行を実現させましょう。

最後に、いかなる対策を講じていても、不測の事態は起こりうるものです。そのような場合に備えて、保険加入や緊急連絡先の確認など、事前の準備を怠らないことが重要です。また、現地の治安情報や注意事項は、旅行直前にも最新の情報を確認することをお勧めします。

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この記事を書いた人

ヨーロッパ、北米、オーストラリアetc、治安をはじめとした海外情報をお届け。運営歴11年の海外旅行メディア世界新聞が監修しています。

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