「ダブリンの治安ってどうなんだろう」
「ダブリンで治安の悪いエリアはどこなのかな」
「ホテルは治安の良いエリアに取りたいけど」
ダブリンに行くなら、治安の良いエリアと悪いエリアを知っておくことは必須です。
ダブリンの治安は、北部と南部で大きく異なり、ホテル選びの際にも重要な判断基準になります。
外務省海外安全ホームページとダブリン在住日本人の声をもとに、現地の人々が近づかない危険なエリアや、ホテルを取るのにおすすめの治安の良いエリアを解説します。
ダブリンの治安の現状 | 最新の犯罪発生状況
アイルランドの首都ダブリンは、欧州の他の主要都市と比較すると比較的治安の良い都市です。しかし、地域による治安格差が大きく、観光客を狙った犯罪も発生しています。
リフィー川を境に分かれる治安状況
ダブリンの治安は、市内を東西に流れるリフィー川を境に大きく異なります。外務省海外安全ホームページによると、北部は南部に比べて治安が悪いエリアが多く存在します。
特に北部では、若者グループによる暴行事件や薬物関連の犯罪が多発しています。一方で南部は、大学や高級住宅街が立ち並び、観光客も安心して滞在できるエリアが広がっています。
増加傾向にある犯罪の種類と特徴
2024年の統計では、以下の犯罪が増加傾向にあります。
・スマートフォンを狙った置き引きやひったくり
・路上での強盗事件
・深夜のアイリッシュパブ周辺での暴行事件
・観光客を狙った偽ガイドによる詐欺
特に市内中心部のテンプルバー地区では、週末の夜間に酔った若者グループによるトラブルが頻発しています。観光客は、深夜の一人歩きを避け、貴重品の管理を徹底する必要があります。
観光客が巻き込まれやすい犯罪の実態
観光客が被害に遭いやすい犯罪には、以下のような特徴があります。
・路面電車(LUAS)内でのスリ
・観光名所周辺での置き引き
・ATM利用時のカード情報の盗難
・偽のタクシーによる料金詐欺
特に注意が必要なのは、観光客の多いグラフトン・ストリートやオコンネル・ストリートです。これらのエリアでは、観光客を狙ったスリや置き引きが多発しています。
対策として、以下の点に気をつける必要があります。
・バッグは必ずチャックを閉め、体の前で持つ
・現金やパスポートは別々に分散して持ち歩く
・見知らぬ人からの話しかけには警戒する
・公共交通機関では荷物から目を離さない
また、ダブリンでは正規のタクシーと非正規のタクシーを見分けることが重要です。正規のタクシーには必ず黄色と青のライセンスステッカーが貼られています。これがない車両への乗車は避けましょう。
最近では、スマートフォンを使った配車アプリ「FREE NOW」の利用が推奨されています。このアプリを使えば、正規のタクシーのみが配車され、料金も事前に確認できます。
ダブリンで治安が悪いエリアと要注意ポイント
ダブリンの治安は地域によって大きく異なります。特に注意が必要なエリアと、その特徴を詳しく解説します。
北部の治安が悪いエリア
リフィー川より北側には、特に警戒が必要なエリアが集中しています。代表的な治安の悪いエリアは以下の通りです。
シェリフストリート(Dublin1)は、リフィー川のすぐ北側に位置し、スリや置き引きが多発しています。このエリアではドラッグの売買や使用者も多く、ギャング同士の抗争も確認されています。
バリーモン地区(Dublin11)は、ダブリン空港近くに位置する地域です。公営団地が集中しており、働いていない若者やドラッグ関連の犯罪が多発しています。
フィングラス(Dublin11)も空港近くに位置し、公営団地が多いエリアです。殺傷事件や発砲事件が報告されており、観光客は近づかないことが推奨されています。
中心部で注意が必要なエリア
市街地でも以下のエリアでは特に注意が必要です。
サマーヒル(Dublin1)は中心地にありながら、発砲事件や殺人事件が発生しています。また、スリや置き引きも頻繁に報告されています。
テンプルバー地区は、パブが集中する観光名所ですが、週末の夜間には酔った若者グループによるトラブルが頻発します。
オコンネルストリートやグラフトンストリートなどの繁華街では、昼夜問わずスリ・ひったくり・置き引き・路上強盗が発生しています。
現地の人が避けるエリアの特徴
危険なエリアには、以下のような共通の特徴があります。
公営住宅が密集している地域は、特に治安が悪い傾向にあります。これらの地域では、学校に通わず働きもしていない若者が集まり、犯罪の温床となっています。
ゴミの散乱や落書きが目立つ通りも要注意です。一見にぎやかな通りでも、1本裏に入ると急に治安の悪い道に出くわすことがあります。
特に10代の若者グループには警戒が必要です。スポーティでカジュアルな服装のティーンズは、差別的な言葉を投げかけたり、卵を投げつけたりする悪質ないたずらを行うことがあります。
夜間は、駅が不良少年グループの溜まり場になることもあります。トラブルに巻き込まれる可能性があるため、危険を感じたら速やかにその場から離れることが重要です。
ダブリンで治安が良いエリアとホテルの選び方
ダブリンには、観光客が安心して滞在できる治安の良いエリアがたくさんあります。ホテル選びの参考になる情報をご紹介します。
南部の治安が良いエリア
リフィー川の南側には、治安の良いエリアが集中しています。特に以下の地域は、観光客の滞在に適しています。
バロッツブリッジ(Dublin4)は、高級住宅街として知られるエリアです。大使館や企業のオフィスが立ち並び、24時間体制で警備員が巡回しています。スーパーマーケットやレストランも充実し、生活環境は抜群です。
ドンニーブルック(Dublin4)も、富裕層が多く住む閑静な住宅街です。ダブリン市内有数の治安の良さを誇り、深夜でも安心して歩けます。緑豊かな公園も多く、散歩やジョギングを楽しむ人々で賑わいます。
観光に便利で安全なホテル街
メリオンスクエア周辺(Dublin2)は、高級ホテルが立ち並ぶエリアです。政府機関や美術館が近く、24時間体制で警備が行き届いています。観光名所へのアクセスも良好で、トリニティカレッジまで徒歩10分程度です。
グランドキャナル地区(Dublin2)は、グーグルやフェイスブックなどIT企業のオフィスが集中するエリアです。新しいホテルが続々とオープンし、治安の良さと利便性を兼ね備えています。
ボールスブリッジ(Dublin4)は、高級ショッピング街として有名です。周辺には4つ星以上のホテルが多く、24時間コンシェルジュサービスを提供するホテルもあります。
女性一人旅でも安心して宿泊できるエリア
女性の一人旅でも安心して宿泊できるエリアには、以下のような特徴があります。
・24時間営業のコンビニエンスストアやスーパーマーケットがある
・深夜でも人通りがある大通り沿い
・路面電車やバス停が近く、公共交通機関が充実
・警察署や病院が近い
・街灯が明るく、防犯カメラが設置されている
具体的なエリアとしては、以下がおすすめです。
ランスダウンロード周辺(Dublin4)は、女性一人旅に最適なエリアです。エイボカパーク(ラグビー場)に近く、スポーツイベント開催時は特に警備が厳重になります。周辺には女性一人でも入りやすいカフェやレストランが多くあります。
セントスティーブンズグリーン周辺(Dublin2)は、市内最大の公園に面したエリアです。観光客向けのホテルが多く、フロントには日本語対応可能なスタッフが常駐していることもあります。24時間体制のセキュリティシステムを導入しているホテルも多く、女性の一人旅でも安心です。
ホテル選びのポイントとしては、以下の点に注目しましょう。
・建物の入り口に警備員が常駐している
・エレベーターはルームキーがないと動かない
・フロントは24時間体制
・部屋は3階以上の上層階
・防犯カメラが適切に設置されている
・客室のドアには覗き穴とチェーンロックがある
これらの条件を満たすホテルを選べば、より安全な滞在が可能です。
ダブリンの治安対策 | 在住日本人の体験談から
ダブリンでは適切な対策を取ることで、より安全に滞在することができます。現地在住者の経験をもとに、具体的な防犯対策をご紹介します。
スリ・置き引き対策の具体的な方法
観光客が最も被害に遭いやすい犯罪は、スリや置き引きです。特にグラフトンストリートやテンプルバーなどの観光地では、以下の対策が重要です。
バッグは必ずチャックを閉め、体の前で持ちましょう。リュックサックは前掛けにすることで、背後からの犯罪を防ぐことができます。
貴重品は分散して持ち歩くことをお勧めします。パスポートのコピー、現金、クレジットカードは別々の場所に保管しましょう。
人混みの多いILACショッピングセンター周辺では、特に注意が必要です。ショッピング中は、荷物から目を離さないようにしましょう。
夜間の行動における注意点
ダブリンの夜間は、特定のエリアで注意が必要です。安全に過ごすためのポイントをご紹介します。
リフィー川北側の中心部は、夜間の一人歩きを避けましょう。特にタルボットストリートやパーネルストリートは、日が暮れてからは危険です。
夜のテンプルバー地区では、酔った若者グループによるトラブルが発生することがあります。深夜の一人歩きは避け、タクシーの利用をお勧めします。
タクシーは必ず正規のものを利用しましょう。車両には黄色と青のライセンスステッカーが貼られています。配車アプリ「FREE NOW」の利用も安全な選択肢です。
不良グループへの対処法
ダブリンでは、特に若者グループへの対応に注意が必要です。以下のポイントを意識しましょう。
不良グループとすれ違う際は、アイコンタクトを避け、毅然とした態度で歩きましょう。弱々しい態度は、かえって標的にされる可能性があります。
声をかけられても、その場では応対せず、そのまま歩き続けることが賢明です。特に夜間は、人通りの多い通りを選んで歩きましょう。
万が一トラブルに巻き込まれそうになった場合は、すぐに近くの店舗や警察署に駆け込みましょう。観光地には警察官が常時巡回しているので、助けを求めることができます。
緊急時は警察(999または112)に通報してください。電話では「Japanese tourist need help」と伝え、現在地を正確に説明することが重要です。
ダブリンの緊急時対応と役立つ連絡先
ダブリンで不測の事態に遭遇した際の対応方法と、すぐに使える緊急連絡先をまとめました。慌てず適切な対応を取るために、渡航前に確認しておきましょう。
犯罪に巻き込まれた際の対処手順
犯罪被害に遭った場合は、以下の手順で対応します。
まず身の安全を確保し、すぐに最寄りの警察署に被害届を提出します。警察署では必ず調書のコピーを受け取りましょう。保険請求や大使館での手続きに必要となります。
パスポートを盗まれた場合は、警察での被害届提出後、在アイルランド日本国大使館で渡航書を申請します。渡航書は日本への帰国に必要な緊急用の渡航文書です。
クレジットカードの盗難や紛失時は、すぐにカード会社に連絡して利用停止手続きを行います。カード会社の緊急連絡先は、渡航前に控えておくことをお勧めします。
日本大使館への連絡方法
在アイルランド日本国大使館の連絡先は以下の通りです。
住所:Nutley Building, Merrion Centre, Nutley Lane, Dublin 4, D04 K7R2
電話:(01) 202-8300(平日9:00-17:00)
緊急時:(087) 447-0755(24時間対応)
大使館では以下のサービスを提供しています。
・パスポート紛失時の渡航書発行
・現地警察との連絡調整
・医療機関の紹介
・通訳の手配
・家族への連絡代行
・緊急時の資金援助相談
現地警察への通報の仕方
緊急時は999または112に電話をかけます。オペレーターには「Police」と伝え、以下の情報を明確に伝えましょう。
・現在地(できるだけ詳しく)
・何が起きているか
・怪我人の有無
・犯人の特徴や逃走方向
・「Japanese tourist need help」と伝える
現在地が分からない場合は、以下の目印を伝えると良いでしょう。
・近くの大きな建物や観光スポット
・通りの名前
・バス停や電車の駅名
・目立つ店舗や施設
主要な警察署の連絡先:
ペアス通り警察署:(01) 666-9000
ケブン通り警察署:(01) 666-9400
フィッツギボン通り警察署:(01) 666-8400
ドニーブルック警察署:(01) 666-9200
その他の緊急連絡先:
救急車・消防:999または112
観光警察(Tourism Police):(01) 666-9354
ダブリン市役所:(01) 222-2222
日本語対応可能な病院案内:(01) 402-4600
これらの連絡先は、スマートフォンに保存するだけでなく、紙に書いて財布やパスポートケースにも入れておくことをお勧めします。スマートフォンの電池切れや紛失に備えて、複数の場所に保管しておきましょう。
まとめ:ダブリンを安全に楽しむために
ダブリンは欧州の主要都市の中では比較的治安の良い都市ですが、地域による治安格差が大きいことが特徴です。安全に滞在するためのポイントを最終的にまとめます。
エリア選びのポイント
ホテル選びは滞在の安全性を大きく左右します。リフィー川の南側、特にバロッツブリッジやドンニーブルック、メリオンスクエア周辺は治安が良く、観光拠点として最適です。
一方で、シェリフストリートやバリーモン地区、フィングラスなどの北部エリアは避けるべきです。特に夜間は危険なため、観光では訪れないようにしましょう。
テンプルバー地区は観光名所として人気がありますが、週末の夜間は酔った若者グループによるトラブルが多発します。日中の観光に留めることをお勧めします。
安全な観光のための基本ルール
貴重品の管理は細心の注意を払いましょう。特にオコンネル通りやグラフトン通りなどの繁華街では、スリや置き引きが発生しています。
以下の基本ルールを必ず守りましょう。
・パスポートは常にホテルのセーフティボックスに保管
・現金は必要最小限だけを持ち歩く
・バッグは必ずチャックを閉め、体の前で持つ
・深夜の一人歩きは避ける
・見知らぬ人からの話しかけには警戒する
・公共交通機関では荷物から目を離さない
トラブル発生時の対応まとめ
万が一の事態に備えて、以下の対応手順を覚えておきましょう。
犯罪被害に遭った場合:
・まず身の安全を確保
・すぐに警察(999または112)に通報
・警察署で被害届を提出し、調書のコピーを受け取る
・日本国大使館に連絡
・クレジットカード会社への連絡(カード被害の場合)
体調不良時の対応:
・救急車が必要な場合は999または112に電話
・大使館推奨の医療機関を受診
・旅行保険会社に連絡
・必要に応じて通訳サービスを依頼
最後に
ダブリンは歴史的建造物や伝統的なパブ、フレンドリーな市民性など、魅力的な観光資源に溢れています。基本的な注意点を押さえ、危険なエリアを避けることで、十分に安全な旅行を楽しむことができます。
特に重要なのは、滞在エリアの選択です。治安の良い南部エリアを拠点に選び、観光スポットへは時間帯を考慮して訪れることで、安全で快適な旅行が実現できます。
緊急時の連絡先は必ず控えておき、複数の場所に保管しましょう。慎重な行動を心がけつつ、アイルランドならではの魅力を存分に楽しんでください。