ストックホルムへの旅行を計画しながら、どこに泊まればいいか迷っている方は少なくないと思います。
組織犯罪グループ間の抗争に関連した銃撃事件や爆発物を使った事件がスウェーデン国内で増加しているという報道を目にしていれば、旅行者として不安を感じるのは自然なことです。
この記事は、ストックホルムの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
40カ国以上を渡航してきた編集長の経験からも、治安は「どの場所で」「何時に」「どう行動するか」によって変わるものだと考えています。
外務省や在スウェーデン日本国大使館の情報をもとにストックホルムで注意が必要なエリアを整理した上で、観光重視・落ち着いた滞在・交通アクセス重視の3つの旅のスタイル別に、治安目線でおすすめの宿泊エリアを紹介します。
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ストックホルムで注意が必要と言われるエリア
ストックホルムは北欧の中でも旅行者に人気の高い都市ですが、エリアによって気をつけるべきポイントが異なります。
外務省の海外安全情報や在スウェーデン日本国大使館の情報をもとに、観光で訪れる可能性が高い3つのエリアについて整理しました。
ストックホルム中央駅/ノルマルム周辺(Centralstationen / Norrmalm)
ストックホルム中央駅とその周辺のノルマルムは、スリや置き引きに注意が必要なエリアです。
ストックホルムの玄関口にあたるターミナル駅で、空港からのアクセスや市内移動の起点となるため、旅行初日から必ず立ち寄ることになります。
在スウェーデン日本国大使館は、ストックホルム中央駅周辺でスリや置き引きの被害が報告されているとして、特に混雑する時間帯に注意するよう呼びかけています。
Lonely PlanetやWikivoyageでも、混雑した駅構内や公共交通の車内で、旅行者の荷物の隙をついたスリが起きやすいと記されています。
到着直後でまだ周囲に慣れていないタイミングが特に危険です。
バッグは体の前に抱えるようにし、キャリーケースからは手を離さないようにしておくことをおすすめします。
セルゲル広場(Sergels torg)
セルゲル広場は、夜間の路上環境に注意が必要なエリアです。
ストックホルム市の中心に位置する大型の公共広場で、周辺には商業施設やショッピングモールが集まっており、昼間は多くの市民や観光客でにぎわっています。
在スウェーデン日本国大使館は、市内中心部の広場や繁華街では夜間の一人歩きに注意が必要と案内しています。
スウェーデン警察が公表している犯罪統計でも、ストックホルム中心部は軽犯罪や薬物関連の事案件数が市内で最も高い区分に分類されています。
Wikivoyageは、セルゲル広場について、夜間は路上生活者や薬物使用者が集まる傾向があるとして、一人での夜間の長時間滞在を避けることを推奨しています。
昼間と夜間で広場の雰囲気が大きく変わるエリアです。
夜間に広場付近を通る場合は、目的地への移動を優先し、不要な立ち止まりを避けるといった点を意識しておくとよいでしょう。
旧市街(Gamla Stan)
旧市街は、観光中のスリに注意が必要なエリアです。
ストックホルムの歴史的な中心地で、石畳の路地や色鮮やかな建物が並ぶ旧市街は、旅行者が必ずといってよいほど訪れる観光スポットです。
外務省の海外安全情報は、観光地や混雑したスポットでスリや置き引きの被害が発生しやすいと注意を促しています。
Fodor’s Travelは、旧市街の狭い路地に観光客が密集する状況を利用したスリが報告されており、特に夏季の混雑時期にリスクが高まると記しています。
中央駅周辺でのスリが「移動中の隙」を狙うのに対し、旧市街では「写真撮影中」や「地図を確認している瞬間」など、観光行動の最中に狙われるケースが指摘されています。
カメラや地図を取り出す際にはバッグのファスナーを閉めることを習慣にし、貴重品はできるだけ体に密着したポケットや内側のポーチに入れておく。
こうした行動が、被害を遠ざけることにつながります。
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ストックホルムで治安目線でおすすめの宿泊エリア
ストックホルムは島ごと・エリアごとに街の顔が異なり、どこに泊まるかで旅の体験が大きく変わります。
観光効率を優先したいか、落ち着いた雰囲気の中でゆっくり過ごしたいか、空港や他都市へのアクセスを軸に選びたいか。
自分の旅のスタイルを思い浮かべながら、以下の3エリアを参考にしてください。
【観光重視】ノルマルム(Norrmalm)
おすすめする理由
ノルマルムは、ストックホルムの主要観光スポットを効率よく回りたい人におすすめのエリアです。
ストックホルム中央駅を擁するこのエリアは、地下鉄の主要路線が集まる交通の中心地でもあります。
旧市街であるガムラスタンへは徒歩や地下鉄で数分以内で移動でき(Wikivoyage)、ヴァーサ博物館やスカンセンが集まるユールゴーデン島へも地下鉄とトラムを乗り継いで約20分です(Visit Stockholm)。
王立劇場や国立美術館といった文化施設も徒歩圏内に点在しており、観光の起点として動きやすい立地です(Fodor’s Travel)。
ホテルは国際的なチェーン系から中規模のシティホテルまで幅広く、大きな荷物を持ったままでもアクセスしやすい場所にまとまっています。
ただし、ストックホルム中央駅周辺は在スウェーデン日本国大使館がスリや置き引きへの注意を呼びかけているエリアでもあります。
駅構内や混雑する時間帯は荷物の管理を意識しておくことが必要です。
夜の雰囲気
夕方になるとオフィスワーカーの姿が減り、昼間よりも静かなトーンになります。
それでも中央駅周辺は深夜まで人の往来が続き、レストランやカフェも営業しているため、夜間に完全に閑散とすることはありません。
ナイトライフが集中するエリアではないため、週末の深夜帯でも過度なにぎわいは少なく、食事を終えてホテルに戻るような行動パターンとは相性のよい夜の雰囲気です。
【落ち着いた滞在】エステルマルム(Östermalm)
おすすめする理由
エステルマルムは、観光地の混雑を避けながらストックホルムの落ち着いた空気の中でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
ノルマルムの東に隣接するこのエリアは、19世紀に整備された並木道と重厚な建物が続く高級住宅・ショッピングエリアで、Lonely PlanetやFodor’s Travelはストックホルムの中でも洗練された雰囲気のエリアとして紹介しています。
歴史ある食料品市場のエステルマルム市場や独立系のブティック、落ち着いたレストランが点在しており、観光地の喧騒とは異なる街の日常に触れられます。
地下鉄を使えばノルマルムや中央駅エリアへ約5〜10分、ユールゴーデン島へはトラムで約15〜20分でアクセスできます(Wikivoyage、Visit Stockholm)。
ホテルは高価格帯のブティックホテルや独立系の中小規模ホテルが中心で、チェーン系よりも内装やサービスに個性を持たせた宿泊施設が多いエリアです(Fodor’s Travel)。
夜の雰囲気
日が落ちると、昼間から続く落ち着いたトーンがそのまま夜に持ち越されます。
ワインバーやレストランが営業している時間帯はテラス席に人が残っていますが、深夜になるにつれて通りは静かになっていきます。
セーデルマルムのようなクラブやバーが集まるナイトライフエリアとは性格が異なり、夜間の過度なにぎわいは生じにくいエリアです(Lonely Planet、Wikivoyage)。
食事を終えてホテルに戻る流れが自然に作れる夜の環境です。
【交通アクセス重視】クングスホルメン(Kungsholmen)
おすすめする理由
クングスホルメンは、空港や他都市へのアクセス効率を最優先にしたい人におすすめのエリアです。
ノルマルムの北西に位置するこの島は、橋でノルマルムと直結しており、ストックホルム中央駅まで徒歩または地下鉄で約5〜10分という距離にあります(Wikivoyage)。
中央駅からはアーランダ国際空港行きの直通特急列車が出ており、空港まで約20〜25分でアクセスできます(Visit Stockholm)。
コペンハーゲンやオスロ、ヘルシンキとの周遊旅程で複数都市を移動する旅行者にとって、出発・到着のたびに移動の負荷が少ない立地です。
エリア内はオフィスと住宅が混在する落ち着いた環境で、中〜中価格帯のシティホテルやアパートメントホテルが点在しています。
長期滞在や自炊に対応した宿泊施設も見られ、観光エリアの混雑から距離を置きながら利便性を確保したい旅行者にも向いています。
夜の雰囲気
夜になるとオフィスワーカーの姿が減り、住宅エリアとしての静かな顔になります。
エリア内にレストランやカフェは点在していますが、夜間の外食の選択肢はノルマルム方面のほうが広いため、夕食後は地下鉄や徒歩でノルマルムへ出て食事を楽しみ、帰宅するという行動パターンが現実的です。
深夜の人通りは少なくなるエリアであることをWikivoyageも言及しており、帰宅時間が遅くなる場合はその点を踏まえた行動を心がけておくとよいでしょう。
ストックホルムの治安概要
ストックホルムは北欧を代表する観光都市であり、旅行者にとって比較的なじみやすい環境が整っています。
一方で、エリアや時間帯によって気をつけるべき状況があるのも事実です。
渡航前に公的機関が発信している情報を把握した上で、現地での行動を考えておくことをおすすめします。
ストックホルムに対する公的機関のアナウンス
外務省はスウェーデン全土に対して危険レベル1(十分注意してください)を発出しています。
これは4段階ある危険レベルのうち最も低い段階ですが、渡航先として注意が必要な国として分類されていることを意味しています。
外務省はスウェーデン国内で近年、組織犯罪グループ間の抗争に関連した銃撃事件や爆発物を使った事件が増加傾向にあると指摘しています。
これらは一般の旅行者を標的としたものではありませんが、外務省は巻き込まれるリスクがゼロではないとも述べています。
在スウェーデン日本国大使館は、旅行者が直接被害を受けるケースとして、スリや置き引きを挙げており、鉄道駅・空港・観光スポット周辺での発生が目立つと案内しています。
ストックホルムの治安の特徴
ストックホルムはメーラレン湖に浮かぶ14の島からなる都市で、人口は市内だけで約98万人、広域圏では約240万人を抱える北欧最大の都市圏です。
政治・経済・文化の中心地でありながら、旧市街をはじめとする観光エリアに毎年多くの旅行者が訪れます。
こうした構造が、混雑を利用した接触型の軽犯罪が起きやすい環境をつくっています。
スウェーデン警察は、犯罪発生率が高く警察活動が困難な地区を定期的にリスト化して公表しています。
このリストに挙げられているのは主にストックホルム郊外の特定地区であり、旅行者が訪れる中心部の観光エリアは現時点では含まれていません。
夏季の6月から8月にかけては日没が23時前後と遅く、屋外での滞在時間が長くなる傾向があります。
観光客の数も増えるこの時期は、人が集まる場所での注意がより一層求められます。
ストックホルムの治安まとめ
ストックホルムは北欧最大の都市でありながら、旅行者が訪れるエリアは比較的まとまっており、土地勘を掴みやすい都市です。
治安は「良い・悪い」という評価で語れるものではなく、どのエリアで、何時に、どう行動するかによって変わります。
ガムラスタンやストックホルム中央駅周辺ではスリや置き引きへの注意が必要で、セルゲル広場は夜間の路上環境に気をつけたいエリアです。
一方、宿泊エリアとしては、観光効率を優先するならノルマルム、落ち着いた滞在を求めるならエステルマルム、空港や他都市へのアクセスを重視するならクングスホルメンがそれぞれの旅のスタイルに応じた選択肢になります。
必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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