ミラノへの旅行を前に、治安について不安を感じている方は少なくないはずです。
スリや置き引きの被害報告、ミラノ中央駅周辺の路上生活者の存在といった情報を目にしていれば、夜の外出や宿泊エリア選びに慎重になるのは自然なことです。
この記事は、ミラノの治安を「良い・悪い」で評価するものではありません。
世界40カ国以上を訪れてきた編集長の経験からも、治安は「どのエリアで」「何時ごろに」「どう行動するか」によって大きく変わります。
この記事では、外務省をはじめとする公的情報をもとにミラノで注意が必要なエリアと具体的なリスクを整理し、治安目線でおすすめの宿泊エリアを観光・滞在の雰囲気・交通アクセスという旅の目的別に紹介します。
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ミラノで注意が必要と言われるエリア
ミラノは世界有数のファッション・デザインの都市であり、多くの旅行者が訪れる観光地です。
一方で、外務省はイタリアを旅行する日本人向けにスリや詐欺などの被害への注意を呼びかけており、なかでも特定のエリアや場面で注意が必要とされています。
ミラノ中央駅周辺(Stazione Centrale / Milano Centrale)
ミラノ中央駅周辺は、スリや置き引きに注意が必要なエリアです。
ミラノ中央駅は市内交通の拠点であり、空港からのリムジンバスやイタリア各都市からの列車が集まる駅です。
旅行者がスーツケースを持って移動する場面が多く、ホームや構内、駅前のピアッツァ・ドゥカ・ダオスタ周辺では荷物の管理に気を抜きにくい状況が続きます。
外務省の海外安全情報では、鉄道駅でのスリや置き引き被害が日本人旅行者から複数報告されており、ミラノ中央駅周辺はその代表的な場所として繰り返し挙げられています。
Wikivoyageはこのエリアを「日中は比較的問題ないが、夜間は注意が必要」と伝えており、特に駅北側の路上については夜間の通行に注意を促しています。
駅構内やホームでは、荷物を体の前側に抱えて持ち、リュックサックは前掛けにするか、中身が見えないよう工夫することをおすすめします。
タクシー乗り場やバス停付近でも人が集まりやすいため、乗降時にも周囲への注意を継続してください。
ドゥオーモ広場(Piazza del Duomo / Galleria Vittorio Emanuele II)
ドゥオーモ広場は、接触型の詐欺に注意が必要なエリアです。
ドゥオーモ広場はミラノ観光の中心で、ゴシック建築の大聖堂とガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が向かい合って建つ、旅行者が最初に足を向ける場所のひとつです。
外務省および在ミラノ日本国総領事館は、観光地における接触型詐欺への注意を呼びかけており、「バラの花を押しつけて代金を要求する」「署名活動を装って近づき現金を要求する」などの手口を具体的に挙げています。
Fodor’s Travelはドゥオーモ広場周辺について、見知らぬ人から花や物を渡されても受け取らず、その場を速やかに離れることが重要だと伝えています。
接触してくる人物には「No, grazie(ノー、グラッツィエ)」と短く断り、立ち止まらずに歩き続けることが、詐欺の被害を避けるうえで重要な行動です。
広場内でグループで囲まれたと感じたら、近くの店舗の入口など人の多い屋内へ移動するといった判断が求められます。
ナヴィリオ地区(Navigli)
ナヴィリオ地区は、夜間の行動に注意が必要なエリアです。
ナヴィリオ地区は市内南西部に位置する運河沿いの一帯で、アペリティーボが楽しめるバーやレストランが集まるミラノ有数のナイトライフエリアです。
Time Out Milanはこのエリアについて、週末の深夜帯には人が大きく集中することを指摘しており、にぎわいの裏側で機会犯罪が起きやすい環境になりやすいと伝えています。
Wikivoyageは「全体として深刻に危険なエリアではないが、深夜以降は照明の乏しい路地への立ち入りを避けることが望ましい」と記載しています。
外務省もイタリアの夜間繁華街における軽犯罪の発生を一般的な注意点として挙げており、このエリアの夜間の性質と重なる部分があります。
深夜に運河沿いのメインストリートから外れた暗い路地に入ることは避け、移動にはタクシーやライドシェアを利用するといった点を意識しておくとよいでしょう。
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ミラノで治安目線でおすすめの宿泊エリア
ミラノ中央駅周辺の手頃なホテルにするか、ドゥオーモ周辺の中心エリアにするか、宿泊場所を迷っている方は多いのではないでしょうか。
治安の面から見ると、エリアによって夜間の環境や気をつけるべき点が異なります。
観光効率・滞在の雰囲気・移動のしやすさという3つの軸で、それぞれの特徴を整理しました。
【観光重視】ドゥオーモ/ブレラ地区周辺(Duomo / Brera)
おすすめする理由
ドゥオーモ/ブレラ地区周辺は、ミラノ観光のスポットへの近さを最優先にしたい人におすすめのエリアです。
市内中心部に位置し、ドゥオーモ広場、ガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世、スカラ座、ブレラ絵画館といった主要スポットが徒歩圏内にまとまっています。
スフォルツェスコ城へはLonely Planetによると徒歩約15〜20分で、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会も徒歩またはメトロでアクセスできます。
Lonely PlanetおよびFodor’s Travelは、このエリアをミラノ観光の拠点として最も便利なエリアとして紹介しています。
ホテルは歴史的な建物を改装したブティックホテルから中級ホテルまで幅広く揃っており、グレードの選択肢が多い反面、市内でも宿泊料金は高い帯に属します。
夜の雰囲気
夜になるとライトアップされたドゥオーモ大聖堂を目当てに観光客が広場に集まり、周辺のカフェやバーにも人が出ています。
日が暮れてもにぎわいが続くエリアで、旅行者が夕食後にドゥオーモ広場を再訪するという行動パターンが見られます。
ブレラ地区はギャラリーやレストランが並ぶ落ち着いたエリアで、Wikivoyageは夜間も比較的穏やかな雰囲気が続くと伝えています。
深夜になると広場周辺の人の流れは少し落ち着きますが、ライトアップされた広場には写真を撮る旅行者の姿が残ります。
【落ち着いた滞在】ポルタ・ヴェネツィア/アルジェンティーナ地区周辺(Porta Venezia / Argentina)
おすすめする理由
ポルタ・ヴェネツィア/アルジェンティーナ地区周辺は、観光地の混雑や割高感を避けて、ローカルな雰囲気の中でゆっくり過ごしたい人におすすめのエリアです。
市内中心部から東側に位置し、インディロ・モンタネッリ公園や王立庭園(ヴィッラ・レアーレ)が近く、Time Out Milanは「多様な文化が混在するミラノのリベラルなエリア」として紹介しています。
街には地元の人が日常的に使うカフェ、食料品店、地元向けのレストランが並び、観光地エリアとは異なる生活感のある街並みが広がっています。
ドゥオーモ広場へはメトロM1線を使ってアクセスできます。
Lonely Planetはこのエリアをコスパのよいエリアとしてもあげており、中心部より宿泊料金が抑えられる傾向があります。
ホテルは中規模のブティックホテルや中級ホテルが中心で、大型チェーンホテルは少なく、個性的な宿が多い印象です。
夜の雰囲気
夕方から夜にかけては、仕事を終えた地元の人たちがバーやレストランに立ち寄る姿が見られ、いわゆるアペリティーボ(夕方から夜にかけて食前酒と軽食を楽しむミラノの習慣)の時間帯ににぎわいがあります。
深夜まで騒がしい状態になることは少なく、Wikivoyageは「地元住民が多く暮らすエリアで、日常的な落ち着きがある」と伝えています。
夜間の雰囲気に関してLonely Planet・Wikivoyage・Time Out Milanのいずれにも、明確な注意喚起は記載されていません。
【交通アクセス重視】ミラノ中央駅周辺/ポルタ・ガリバルディ駅近接エリア(Milano Centrale / Porta Garibaldi)
おすすめする理由
ミラノ中央駅周辺/ポルタ・ガリバルディ駅近接エリアは、空港や他都市への移動効率を最優先にしたい人におすすめのエリアです。
ミラノ中央駅にはローマやフィレンツェ、ヴェネツィアへの高速鉄道が発着し、マルペンサ国際空港へはマルペンサ・エクスプレスで約50分(Lonely Planet記載)でアクセスできます。
リナーテ空港へはバスまたはタクシーで約20〜30分(Lonely Planet記載)です。
早朝・深夜便を利用する旅行者や、ミラノを拠点に各都市を移動するスケジュールを組んでいる旅行者にとって、駅直結の利便性は大きなメリットになります。
Fodor’s Travelは、このエリアを移動効率を重視するビジネス旅行者や、早朝・深夜移動がある旅行者向けとして紹介しています。
ホテルはバジェット〜中級グレードのビジネスホテルや大型チェーンホテルが中心で、グレードの幅が広く価格帯も比較的抑えられています。
夜の雰囲気
ミラノ中央駅周辺は24時間人の流れがあり、深夜帯も終電後の旅行者やタクシーの往来があります。
一方でWikivoyageは、駅北側を中心に路上生活者の姿があることを記載しており、日中と比べて夜間は特に注意が必要なエリアであると伝えています。
ポルタ・ガリバルディ駅に近い北西エリアは再開発が進んでおり、Lonely Planetは新興エリアとしての変化を紹介していますが、夜間に駅から離れた路上を歩き回ることはWikivoyageも推奨していません。
夜間の外出はメトロやタクシーを利用して移動することが、このエリアを選ぶ際の前提になります。
ミラノの治安概要
ミラノはイタリア北部に位置する人口約140万人の都市で、ファッションや金融の中心地として知られると同時に、年間を通じて多くの旅行者が訪れる国際観光都市でもあります。
旅行者にとって気になる治安については、渡航前に押さえておくべき傾向があります。
ミラノに対する公的情報のアナウンス
外務省はイタリア全土に対して、危険情報や渡航中止勧告は出しておらず、旅行者に対しては「十分注意してください」というスタンスをとっています。
在ミラノ日本国総領事館は、ミラノを管轄する在外公館として独自の安全情報ページを公開しており、スリや置き引き、接触型の詐欺といった軽犯罪への注意を呼びかけています。
暴力犯罪についての深刻な注意喚起はなく、旅行者が主に気をつけるべき対象は財産を狙った軽犯罪であるというのが、公的情報の全体的なトーンです。
ミラノの治安の特徴
ミラノはビジネス都市と観光都市の両方の顔を持つ都市で、国際的な見本市や会議が集まる一方、ドゥオーモ広場やガッレリア・ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世といった観光スポットに旅行者が集中する構造を持っています。
旅行者の行動範囲が特定のエリアに集まりやすいという都市の構造が、スリや詐欺といった犯罪の発生しやすい環境をつくりやすい面があります。
ミラノ地下鉄は観光スポット間の移動で多くの旅行者が使いますが、混雑した車内はスリが起きやすい環境としてLonely PlanetやWikivoyageに繰り返し記載されています。
夜間については、運河沿いのバーやレストランが集まるナヴィリオ地区を中心にナイトライフが活発で、週末の深夜帯は特に人の流れが大きくなります。
ミラノ市警察および国家警察による主要観光地・駅周辺へのパトロールが実施されており、Lonely Planetは観光シーズンを中心に観光警察が配置されることを伝えています。
こうした体制がある一方で、人が密集する場所では油断なく荷物を管理することが求められる都市であることには変わりありません。
ミラノの治安まとめ
ミラノはビジネスと観光が重なる国際都市で、年間を通じて世界中から旅行者が集まります。
治安は「良い・悪い」で語れるものではなく、どのエリアで、何時ごろに、どう動くかによって変わります。
この記事では、外務省および在ミラノ日本国総領事館の情報をもとに、ミラノ中央駅周辺のスリや置き引き、ドゥオーモ広場周辺の接触型詐欺、ナヴィリオ地区の深夜帯の注意点を整理しました。
宿泊エリアについては、主要観光スポットへの近さを重視するならドゥオーモ/ブレラ地区周辺、ローカルな雰囲気でゆっくり過ごしたいならポルタ・ヴェネツィア周辺、移動効率を優先するならミラノ中央駅周辺という3つの選択肢を紹介しました。
知っておくべき場所とリスクの傾向を把握した上で、必要以上に身構えることなく、自分の旅のスタイルと照らし合わせながら、滞在エリアを絞り込んでみてください。
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