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WiMAXが繋がらないって聞いたけど本当?【4G/LTEと比較】

こんにちは、編集部のleeです。

WiMAX2+は料金もお手頃で「ギガ放題」の料金プランならば月間データ使用量を気にしなくても済みます。しかし、繋がらなければ意味がありません。

「WiMAXは繋がらない」という声をよく聞きますが果たして本当なのか、この記事ではもう1つの主流回線である4G/LTE回線のポケットWiFiとの比較も交えながら、WiMAX2+回線の対応エリアの特性やWiMAX2+の電波の特性を解説します。

高層階のビル・田舎・地下鉄・山・海など繋がりにくい場所で繋がるのか、紹介していきますね。

WiMAX2+回線の対応エリア・電波の特性

まずは、WiMAX2+回線と4G/LTE回線のポケットWiFiの違いを表にまとめました。

WiMAX2+ 4G/LTE
回線元 UQコミュニケーションズ 携帯電話会社
利用可能エリア 4G/LTEより狭い スマホと同じで広い
障害物 弱い 回り込めるので強い
通信速度 10~50Mbps程度 10~50Mbps程度
速度制限 3日10GBで制限のみ

(ギガ放題の場合)

月7GB&3日10GBで制限
  • WiMAX2+はUQコミュニケーションズが、4G/LTEはドコモ・au・ソフトバンクなどの携帯電話会社が回線元となっており、そもそも回線の種類が異なります。
  • また、4G/LTE回線を運営する携帯電話会社は、田舎や山間部、沿岸部などにも基地局を建設している一方、WiMAX2+は都市部を中心に基地局の建設を進めているため、田舎や山間部、沿岸部などでは4G/LTE回線の方がつながりやすいとされています。
  • WiMAX2+の電波は障害物があると跳ね返されてしまいますが、4G/LTE回線の電波は障害物を回り込んでその先にまで電波を届けられる特性があるので、壁や窓などの障害物がある地下や高層階では4G/LTE回線の方がつながります。

ただし、実際に利用する上で重要なポイントとなる通信速度や速度制限については、WiMAX2+の方が利用者にやさしいです。

以下でWiMAX2+回線と4G/LTE回線の違いを詳しく見ていきましょう。

利用可能エリアはWiMAX2+回線より4G/LTE回線の方が広い

回線がつながる上で重要なポイントの一つが「エリアの広さ」ですが、4G/LTE回線の方がWiMAX2+回線よりエリアが広いです。

WiMAX2+は、全国の主要都市を中心にエリアの拡大を進めてきており、「全国政令指定都市で人口カバー率99%」を達成しています。

今では全国20の政令指定都市だけでなく、地方都市にもWiMAX2+のエリアは拡大していますが、田舎や山間部、沿岸部などでの基地局建設はまだ進んでいません。

一方の4G/LTE回線は、WiMAX2+回線がカバーしていない田舎や山間部、沿岸部にも基地局の建設を進めているだけでなく、4G/LTE回線の基地局がないエリアでも3G回線の基地局があれば利用可能な点が大きなメリットです。

WiMAX2+にはauの4G/LTE回線を利用できるオプションがある

対応エリアでは4G/LTE回線より遅れを取っているWiMAX2+回線ですが、WiMAX2+にはauの4G/LTE回線を利用できるオプションが用意されています。

対応している通信機器を使えば、WiMAX2+回線が対応していないエリアでも4G/LTE回線を使ってインターネットを楽しめます。

ただしこのサービスを利用するには月1005円(利用月のみ)のオプション料金が必要となり、月7GB以上オプションを利用すると128Kbpsの速度制限がかかります。

障害物に弱いWiMAX2+回線、障害物に強い4G/LTE回線

WiMAX2+の対応エリアであっても通信速度が思ったより出ない、またはつながらない場合、障害物がWiMAX2+回線を邪魔しているかもしれません。WiMAX2+と4G/LTEの電波には、以下のような特性があります。

 

  • WiMAX2+:2.5GHz以上の高周波数、直進性が強く障害物に邪魔されやすい
  • 4G/LTE:700~900MHzの低周波数、浸透性が強く障害物を回り込める

 

4G/LTE回線ならば障害物があっても回り込んで電波を届けることができる一方、WiMAX2+回線は障害物に邪魔されて電波を届けることができません。

これらの電波の特性に大きな影響を受けるのが、高層階、地下、ビルの谷間、鉄筋コンクリートの建物内などです。

WiMAX2+でもつながるには

モバイルWiFiルーターでWiMAX2+回線を利用している人であれば、窓際にルーターを持って行くといいでしょう。

窓ガラス程度であればWiMAX2+の電波も通り抜けられるので、ビル内での通信速度の落ちも少なくなります。

また、近くに他のWiFiや電子レンジ、Bluetooth機器がないかも確認してください。これらの機器では2.4Ghzの周波数を使っており、2.5GHzのWiMAX2+の電波に干渉しやすくなるためです。

最新のモバイルWiFiルーターならば、周波数を5Ghzに変更することで電波干渉を少なくすることができます。

速度制限はWiMAX2+の方が利用者にやさしい

最後に、通信速度に関してはWiMAX2+の方が利用者にやさしいといえます。

WiMAX2+と4G/LTE回線で、データ容量の制限や速度制限について比較をしてみましょう。

WiMAX2+ 4G/LTE
月間データ利用上限 なし(ギガ放題の場合) 月7GB
3日間のデータ利用上限 10GB 3GB

月間データ利用量の上限、3日間のデータ利用量の上限の両方とも、4G/LTEよりWiMAX2+の方が緩いです。

ギガ放題を契約しているWiMAX2+利用者は月間データ利用量の上限がないので、3日で10GBの制限にさえ気を付ければ快適なネット生活を堪能できます。

高画質のYouTube動画を1時間視聴して約1GBですので、3日で3GBの制限がある4G/LTEはすぐに速度制限がかかりそうな印象です。

制限後もWiMAX2+の方が快適

万が一速度制限がかかってしまっても、4G/LTEよりWiMAX2+回線の方が緩やかです。

3日で10GBのデータ利用量の上限に達すると、1Mbpsに速度制限されるのですが、4G/LTEがほぼ終日24時間速度制限の対象となるのに対して、WiMAX2+は18時~翌2時のみが対象となります。

つまり、昼間の時間帯は速度制限の対象外ですので、昼間は普通通りにネットを楽しめるのです。

まとめ

4G/LTE回線と比較して、WiMAX2+回線は対応エリアが狭いので、田舎や山間部、沿岸部などではあまりつながりません。

また、WiMAX2+の電波は障害物に弱いため、地下やコンクリートビルの中、ビルの谷間などは仮に対応エリアだったとしても、電波が届かない場合があります。

そんな場合、WiMAX2+によっては4G/LTE回線も利用できるオプションを用意しているところもあり、よくつながる4G/LTE回線を利用できるだけでなく、ギガ放題であればオプション利用料もかかりません。

また、ルーターを窓際に置く、電波干渉をなくすなどをするだけでも、WiMAX2+の電波状況は改善します。

速度制限後の通信状況については、むしろWiMAX2+の方が利用者にやさしいので、WiMAX2+と4G/LTEの特徴や違いを理解した上で、上手に使い分けをするのもいいでしょう。