人口200万のパリの地下に600万人分の墓。カタコンブ・ド・パリに行ってきた

2017.01.10 07:00 
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2kmの距離に600万人が埋葬されたカタコンブ・ド・パリ…通称、死の帝国。1時間半の行列を待ち、行ってきました。

 

パリの地下に眠る「死の帝国」

こんにちは、きっしーです。
今回は花の都、パリの裏面をご紹介致します。それは「死の帝国」と呼ばれる地下納骨堂です。
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カタコンブ・ド・パリ Catacombes de Paris)は、フランス・パリの地下納骨堂(カタコンベ)。 旧市街の城門(アンフェール門:地獄門)の南に位置する。

地下納骨堂にはおよそ
600万人の遺骨が納められている。パリの地下採石場の名残であるトンネルと改造された洞窟が遺骨で埋められている。

18世紀後半に一般公開され、19世紀初頭から地下墓地は小規模な観光名所となった。

参照:Wikipedia「カタコンブ・ド・パリ

 

2kmの距離に600万人の骸骨

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正確には「カタコンベ=初期キリスト教の地下墓所」ではなく、18~19世紀にかけて、地上にあった墓場から掘り出した遺骨をここに埋めていたそうです。

その理由は、パリでは墓地の土地が足りなくなり、衛生上の問題が発生したため、採石場跡に大量の骨を移動することを決めたというわけです。

2kmの見学コースは、狭く暗い地下に600万人の骸骨が置いてあります。幼い子どもや、恐がりな人は精神的にダメージを与える可能性があるということなので、見学は控えましょう…。

 

一瞬ヒヤッとする入り口と出口

入口と出口は違うので要注意。ちなみに私は注意しないで中に入ったので、納骨堂を出たときに、「あれ?違うところに連れて行かれた?」と一瞬怖くなりました(笑)

 

入口はダンフェール=ロシュロー広場にあります。

 

1, avenue du Colonel Henri Rol-Tanguy (place Denfert-Rochereau)
75014 Paris
メトロ4、6番線:ダンフェール=ロシュロー駅
入場料:12 ユーロ(オーディオガイドは+5ユーロ)

 

納骨堂の中を1.5キロメートル進むと、レミ・デュモンセル通りに出ます。

 

36 rue Rémy Dumoncel
75014 Paris
メトロ4番線:ムートン・デュヴェルネ駅

 

カタコンブ・ド・パリは平均約2時間待ち

カタコンブ・ド・パリには200人しか入れないので、平均1時間30分~2時間の待ち時間は当たり前。
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短い観光だと、並ぶだけで2時間も取られるのは馬鹿馬鹿しいという人も多いのではないでしょうか?そこで係員に2つ裏技を教えてもらいました。

 

カタコンブ・ド・パリにすぐ入れる裏技2つ

①フランスの学校が休みのとき以外の10月~4月、水~金の15時~19時は比較的すいているそうで、狙い目ということです。しかしながら「待ち時間の保証はできん」ということなので、目安程度にした方かいいです。

②確実なのはインターネットでチケットを買うこと。日付、時間指定なので、計画的に動きたい人にはうれしいシステム。ただ普通のチケットに比べて高く、27ユーロ(オーディオガイド付き)です。

 

私は普通に並ぶこと1時間35分、やっと入場できましたが…。

 

いざ「死の帝国」へ

「死の帝国」へは130段のらせん階段を経て地下20mまで降りて行きます。
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床は滑る箇所があったので、注意が必要。階段を降りて行くと段々と光がなくなっていきます。

 

地上にはあんなに人が並んでいたのに、以外にも中には人が少なく、余計に恐怖感に襲われます。
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かつて採石場だったトンネルをひんやりとした細い道を進んで歩いて行くと、約10分後にとうとう骸骨が並んでいる入口に到着しました。
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ここに入ると、私の身長をはるかに超えた骨の壁が現れます。
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きれいに並べてある骨の山や、IMG_4866

 

放ったままの骨も。
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中には樽型のものもあります。
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パリのいくつかの墓地や教会から掘り出した遺骨の中には 、当然偉大な人もいるわけで、作家フランソワ・ラブレー(1483年と1494年の間~1553年)、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ(1621~1698年)、シャルル・ペロー(1628 – 1703)などの遺骨もこの中に入れられたといわれています。(骨は特定されていませんが)

 

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フランス革命期に亡くなった人たちの骨も大量に積まれています。
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ちなみに、2015年のハロウィンの日に、民泊サイトAirbnb(エアビーアンドビー)が、カタコンブ・ド・パリに一泊する計画を立てたそうです。イギリスのデイリー・メールによると、ここで27歳のブラジル人の男性が母と一緒に宿泊したそうです…。

 

華やかパリな市内に住んでいる人は約225万人。その下で600万人が眠っている…。600万人それぞれの人生があったのですから、それを思うと頭蓋骨の前で考えされられる空間で、同時にこの異様な空気を誰かと分かち合いたい気持ちで、一人で訪れたことを後悔しました…。

 

早足で出口へ

急いで出口を目指してみるものの、長い!最後の方は骨の山に目を向けず、ただただ真っ直ぐ突き進んでしまいました。
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最後は83段のらせん階段を上ります。
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早く光りを見たい一心で、駆け上りましたが、階段の一段が高すぎ…。

見学者たちの苦しそうな息が聞こえます。でも息ができるっていうことは、生きている証拠…!

 

あ!出口が見えた!
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眩しすぎる程、光を感じたことは今までにありませんでした。

 

出てからも怖かった

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あ~、生きていてよかった~!と、幸せに浸っていると、門番の人が怖い顔で寄ってきて来て、

「ちょっと、あなたの鞄、見せて!」

と一言。

 

言われるままに鞄を開き見せ、何にもないことを確認すると、

「メルシー。骨を盗っていないかチェックしているの」

…と、笑顔で言われました。

 

並んででも行って欲しいカタコンブ・ド・パリ

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テロ以降、入口で持ち物検査は日常茶飯事ですが、出口で検査を受けたのは初めて。私の鞄は結構大きく、本当は持ち込み禁止だったようです。せっかく並んだのに鞄を持っていたために「入れない」とならないように気をつけましょう!(40×30 cm以内の鞄はOKです)

パリの歴史を作った人たちの骨を前に、歴史、戦争、死に考えさせられる、一度は行く価値のあるスポットです。

 


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きっしー

きっしー

横浜生まれ。祖母が横浜でアメリカ人家族のベビーシッターをしていた関係で、頻繁に外国人が自宅にいる環境で育つ。成人してからヨーロッパを中心に旅を続け、現在フランスに移住。

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